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《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
アルチンボルド展 de 野菜的自画像

2017-07-13 Thu 00:00
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 世界文化遺産としても知られる、上野・国立西洋美術館にて絶賛開催中の美術展「アルチンボルド展」に行きました。久々の美術鑑賞でしたが有意義で楽しいひとときになりました。

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 さて、そのアルチンボルドこと、ジュゼッペ・アルチンボルドは、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア生まれの画家です。日本ではあまり知られていませんが、彼の代名詞といえる果物や野菜、生物や書物を組み合わせた寓意的な肖像画を一度くらい目にした人は少なくないのではないでしょうか?

 実は私も、今回この美術展の存在を知るまで「アルチンボルド?誰それ?」状態でした。が、彼の作品を見て「あぁ、これ知ってる!『だまし絵展』で見たことあるよ!」と思い出し、興味が湧きました。

 彼の作風は、奇想と知、驚異と論理とが分かち難く交錯し、暗号のようにして豊かな絵解きを誘うと評されます。一見奇を照らっただけのように見えて、実は豊富で正確な知識と緻密な計算のもと巧妙にデザインされた絵。その中に実は様々な主張や遊び心も散りばめられており、彼独特の効果的かつ魅力的な演出方法だと分かります。

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※画像上段左より「春」「夏」「秋」「冬」/同下段左より「大気」「大地」「火」「水」


 特に皇帝の権力を隣国に知らしめるために描かれたとされる彼の代表作、4部作・四季(「春」「夏」「秋」「冬」)、そして同じく4部作・四大元素(「大気」「大地」「火」「水」)は傑作です。皇帝がこの世の全てを支配していることを表すために何枚も描かれ、近隣の国々へと贈られたとされます。私も思わずミュージアムショップで絵葉書を揃えてしまいました(笑)

 他にも書物の組み合わせで描かれた「司書」、子豚の丸焼きで描かれた「料理人」、野菜の詰まったボウルで描かれた「庭師」、晩年のアルチンボルド自身を四季で表現した「四季」なども、見れば見るほど高度なテクニックを用い、時に皮肉も込められ、様々な主張が見えてきて面白い。特に「庭師」が男性器をも表現しているとは驚きでした。

 …という、奥深いアルチンボルドワールドにすっかり魅了されてしまいましたが、実は私、当初この美術展を見るつもりはありませんでした。しかし一転「絶対に行きたい!!」と思わせられたのが…

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これ、アルチンボルドメーカーの存在です。カメラの前に立つと顔の形を読み取られ、人工知能が必要な野菜を組み合わせてアルチンボルド風野菜の肖像画を作ってくれるサービスです。アルチンボルドの肖像画(風)になった自分の顔と対面できるなんて、多分二度とない機会です。

 そして長~い行列に並び、完成した私の野菜の肖像画かこれ。

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う~ん…似てるのかな?順番待ちしてる時に見た、前の人たちの肖像画はもっと特徴を捉えて似ていたような気が。

 とはいえ、野菜の肖像画にそっくりを求めちゃイカンかな?(笑) 確かに他の男性の肖像画はもっとコミカルで漫画的な感じだったので、それよりは何となくよさげ…かな?

 髪の毛が実物よりもかなり長く、「ドラゴンボール」の人造人間17号みたい(笑) 目元の感じはけっこう気に入ってるかも。それにしてもよく分からない野菜だらけです(笑)

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 正面から見ると、鼻は豚鼻でベロを出しているように見えますが、横向きの肖像画を見る限り鼻は小さめの茄子でできています。赤いのもベロではなく顎ですね。…やはりコンピューター、けっこうカッコよく作ってくれたのかも(笑)

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 約20秒で肖像画は崩れておしまい。これもSNSにアップしたくなるユーザー心をくすぐる新しいサービスですね。


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大田区居住90年記念企画展・川瀬巴水

2016-10-28 Fri 00:00
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 大田区・馬込の大田区立郷土博物館で開催中の、【大田区居住90年記念企画展・川瀬巴水】を鑑賞してきました。

 川瀬巴水は明治生まれの浮世絵師であり版画家です。日本全国を旅し、観光名所から何気ない町並みまで、様々な風景を色鮮やかで美しい木版画に多数残したため「昭和の広重」とも呼ばれます。今年は彼が大田区に居住して90年に当たる年らしく、その記念の展覧会です。

 川瀬巴水展は最近だと2013年末から2014年初めにかけ、ここ大田区立郷土博物館で3回に分けて開催されました。今回展示された作品は、(全て?)その時に展示された作品群からの抜粋。正直新鮮味はありません。しかしぜひもう一度見ておきたかった、42版刷り(!)の「増上寺の雪」や、写真にしか見えない鮮やかで美しい「うら磐梯 青沼之朝」と再会出来たことは大きな喜びであり、感動です。

 あとは、あまり無責任なことは言えませんが(笑)巴水が描く風景は、モノによっては大ヒット中の映画「君の名は。」に出てきそうなものもありそうでした。何となく雰囲気が似てるかな?

 記憶では前回は入場無料でしたが、今回は大人1人500円。ちょっとズッコケましたが、チラシだなんだ経費はかかっているのだし仕方ありません。高島屋で見たらもっと高いでしょうし…と思っていたのですが、何と!入場時に巴水作品のポスターをいただきました。しかも4点も!!


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ちょっと綺麗な額縁に入れて飾ればそれなりのインテリアにもなりそう。とてもお得な展覧会でした。


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 そして帰り際にはポストカードセットも購入。前回購入しそびれた「水辺の風景編」8枚セット(下段)を購入し、既に持っていた「内陸の風景編」8枚セットと併せてコレクションが増えました。



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絵画鑑賞の深さを知ったマグリット展

2015-05-24 Sun 00:00
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 東京・六本木の国立新美術館にて開催中の「マグリット展」を見に行きました。ルネ・マグリットは私が小学生の頃から大好きな画家です。


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開催開始から2ヶ月経ちますが、かなりの賑わいでした。

 日本におけるマグリット単独の絵画展としては実に13年ぶり。しかし私には当時の記憶がありません。皆勤賞のつもりでしたが、もしかしたら前回は見に行かなかったかも知れません。でもその分より新鮮な気持ちで貴重な作品たちと再会することが出来ました。いわゆる“晩年のマグリットらしい絵(笑)”とはテイストの異なる初期の作品や、彼が手がけた広告のデザインなども多く展示されており、「だまし絵展」のような企画展とはやはり違います。

 改めて年代順に作品を追うと、彼の心情や周囲の環境の変化があれこれ想像出来ます。いくつかの絵の共通点にも気づくし、この絵(物体)は何を表しどんな意味を持つのだろう?などと考えつつ一点一点見ていくと、思わず時の経つのを忘れますね。

 また、過去のマグリット展や本、ネットなどで何度も見ている絵でも、自分自身が歳を重ねたことで、これまで気づかなかったことに気づいたり、以前とは全く別の意図を感じ取れたりするもの。同じ画家の同じ絵を何度も鑑賞することの楽しさがようやく理解出来た気がします。奥が深いです。

 全ての作品をじっくり鑑賞した私は、再び最も好きな「大家族」の前まで戻りました。そしてその正面から数メートル離れた位置に置かれた休憩用ベンチに座り、十分時間をかけ、鑑賞するお客さんごと目に焼き付けました。


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 絶望を思わせるどんより曇った暗い空。その一部が鳥の形に大きく切り抜かれ、その向こう側だけに対照的な美しい青空が覗く…絶望の中の一筋の希望…これまで私はこの絵の意味を勝手にそんなふうにとらえていました。

 しかし改めて時間をかけて眺めていると…ん?水平線のすぐ上辺りに薄っすらピンクまたはオレンジ色の部分が見える。鳥に関係なく時間が経てばいずれ雲は晴れる、という意味?それとも鳥が羽ばたいたことで雲を追いやってくれた、という意味なのか?…う~ん、分からない…まぁ、答えがあろうがなかろうが、見た人の感性次第でよいはずですよね。

 今回私は、絵の楽しみ方を改めていくつか発見しました。また、いくつかの作品を新たに私のお気に入りリストに追加しました。幸せなひと時でした。いつか本場ベルギーのマグリット美術館にも行ってみたいですね。もちろんヒューガルデンのグラス片手に絵画鑑賞を…は、さすがに無理か(笑)


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前売券のススメ

2015-03-24 Tue 23:26
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 ずっと楽しみに待っていた催しが2つ、今週から始まります。

 まずは明日3月25日から6月29日まで国立新美術館で開催される「マグリット展」

 ルネ・マグリットはベルギーの国民的画家で、20世紀美術を代表する芸術家です。どんより暗い空に鳥の形に切り抜かれた青空が覗く名画「大家族」など、その独特の不思議な世界観に小学生だった私も虜にさせられてしまいました。以来東京で開催されたマグリットの展覧会はほぼ全て見に行っています。

 東京では13年ぶりの開催だそうですが、マグリットはその間にも「だまし絵展」で見たし、代表作「大家族」を見に宇都宮美術館にも行ったので、久々という感じはしませんけれどね。今回はかなり規模が大きいそうですが、どんな作品が見られるのか?ミュージアムショップではどんなポストカードに出会えるのか?今から楽しみです。


 そしてもうひとつが今週末3月28日から5月17日まで東京大江戸博物館(また両国テラスで大盛りナポリタンとがぶ飲みハイボールでランチしようっと・笑)で開催される「徳川家康没後四〇〇年記念特別展 大関ヶ原展」

 私は10年ほど前から日本史に興味を持ち始めたのですが、特に好きなのが戦国時代であり、天下分け目の合戦・関ヶ原の戦いです。そして最も好きな武将が大谷吉継。もちろん西軍派です。

 数年前には実際に関ヶ原を訪れ、西軍武将たちの陣跡を巡りました。関ヶ原には一応資料館もありましたが、展示物らしい展示物ってほとんどなかったんですよね。今回の展覧会には武将たちが実際に用いた武具・甲冑などが過去最大級の規模で展示されているそうですから効率的に400年前に妄想トリップ出来そうです。武将が戦場でやり取りした手紙なども見られるとかで、大好きな大谷吉継の辞世の句とか展示してないかなぁ、と密かに期待もしています。


 ところでこういった催しを見学する際、バカに出来ないのが前売券です。催しの性質上、開催期間が長いので「慌てることないや」と後回しにしてしまいがちですが、たいてい開催スタート日前日までコンビニで前売券が買えるのです。しかも200円ほど安く。たかが200円ではありますが、絶対に見に行くぞ、という催しであれば前売券は断然おススメ。無視する理由がありませんよね。


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葛飾北斎@ボストン美術館 浮世絵名品展

2014-09-25 Thu 00:00
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 東京・上野の森美術館にて開催中の「ボストン美術館 浮世絵名品展」に葛飾北斎の浮世絵を見に行きました。まだ公開スタートから間もないためか、かなりの混雑ぶりです。


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 私は昨年、ある小説を読んだことがきっかけで東洲斎写楽に興味を持ちました。そこから同じ時代に活躍した北斎にも興味が湧き、今回この名品展に足を運んだ次第です。まぁ知識らしい知識はほとんどないんですけどね(笑)

 この名品展には、世界有数の規模を誇るアメリカのボストン美術館所蔵の北斎の作品140点余りが展示されています。

 北斎というと私のような素人には、定番中の定番ですがやはり各地から富士山を臨む景観を描いた「富嶽三十六景」、中でも「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」を真っ先に思い浮かべます。最も好きな作品でもありますね。今回これらが晩年に描かれたものだと知り改めて驚きました。

 彼はこれら風景画の他にも歌舞伎役者、花、滝、妖怪など88年の生涯をかけて様々な題材を絵に残したようです。よほど好きな画家でないと、こういった展覧会にでも来ない限りどんな作品を残してきたのか把握する機会はありませんから有意義でした。

 展示の最後には、北斎をサポートした娘・葛飾応為の絵も展示されています。これが父親顔負けの美しい絵でして…ん?そういえば「磯部磯兵衛物語」で、死んだ北斎が少女に憑依して春画を書き続けるエピソードがあったっけ。もしかしてあの少女が応為?…一瞬心が躍りましたが、よく考えたらあれは孫娘でしたね(笑) 孫娘の母親キャラが応為なのか?…まぁどうでもいいか(笑)

 帰り際にはもちろん、ミュージアムショップで気に入った絵の絵はがきを購入です。


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 まずは画像左上(以下時計回りにご紹介)、「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」。遠近法を使った見事な構図、荒々しい波の飛沫の描写など、やはり「神奈川沖浪裏」は別格です。波にもまれる2艘の漁船が描かれていることも、恥ずかしながら今回初めて知りました。

 「凱風快晴」については、かつて山にも絵画にも興味なかった私は(何で富士山が赤いんだよ?!)状態でした。しかし朝焼けに真っ赤に染まるマッターホルンをテレビで見て初めてその意味と美しさが理解出来たものです。

 それにしても昔の画家って、富士山をやたらと険しい山に描きたがりますね。あんな急斜面の山、普通の人はそう簡単に登れませんよ(笑)

 各地の8つの滝を描いた「諸国瀧廻り」も魅力的な作品です。中でも岐阜県の養老の滝にはまだ行ったことがないし、何となくお酒を連想するので(笑)「美濃ノ国養老の滝」には惹かれます。

 そしてたくさんの妖怪が屋敷に現れた様子を描いた北斎青年期の傑作「化物屋敷百物語の図」はひと目見て純粋に気に入りました。しかし絵はがきがなかったので、同じ百物語のシリーズの中から「百物語 さらやしき」を購入。お馴染み番町皿屋敷のお菊さんの体は何枚も連なるお皿で、まるで蛇のような不気味なルックスです。それでいて表情は悲しげというよりはどことなくユーモラス。不幸な最期を遂げたお菊さんもこの絵のお陰で浮かばれるような気がして好きな作品です。

 ということで大好きな浮世絵を通して芸術の秋を堪能した一日でした。絵画の展覧会に来る人は真面目に、真剣に見学する人が多いのでこちらも刺激を受けます。ただ、皆歩みがカタツムリなみにゆっくりなのが惜しいです(笑)


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喜多川歌麿「深川の雪」鑑賞@箱根

2014-06-17 Tue 00:00
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 先週末、箱根の岡田美術館に行ってきました。目的はもちろん今月いっぱい展示中のあの絵画…江戸時代の浮世絵師・喜多川歌麿の「深川の雪」です。

 喜多川歌麿といえば蔦屋重三郎の命令で写楽の原画を徹夜で版画用に清書させられた…いえいえ(笑)言わずと知れた美人画で有名な天才浮世絵師ですが、この「深川の雪」は版画ではなく肉筆画。「品川の月」「吉原の花」とともに歌麿肉筆画最高傑作とされる三部作のひとつです。歌麿が晩年に依頼されて描いた絵ながら縦199㎝×横341㎝という巨大サイズ、そして長らく行方不明になっていたのを2年前に発見され、今回66年ぶりに公開ということで注目を集めていました。

 JR小田原駅からバスで1時間弱、岡田美術館に到着。


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とりあえず展示物は全て拝見しましたが…正直言ってそのほとんどは個人的に興味なし(笑) お皿や壺が多かったし。なので「深川の雪」のために入場料2,800円を支払ったようなものでした。美術品鑑賞ではよくあることです。

 さて、「深川の雪」との初対面…第一印象はまずデカい!そして美しい!!ちょっと構造的に変じゃね?という旅館か飯屋を舞台に総勢27名の人物が生き生きと描かれたこの絵画。当然ですがいわゆる歌麿の描く美人がウジャウジャ(笑)います。

 しかし一見皆同じ顔ですが、よく見ると一人ひとりから動きを感じ、それぞれの表情まで違って見えてくるから不思議です。何人か後ろ向きの女性がいることからも、どんな表情なんだろう?と想像を掻き立てられずにはいられません。美人だけでなく子供や猫、丸い笑顔のおばさんが描かれていることも新鮮。料理や道具の細かい描写からも1800年前後のトレンドが読み取れて面白い。

 そして最大の魅力はやはりその色鮮やかさですね。決して派手な色ばかり使っているわけではありません。むしろ暗い色も多いのですが、赤や緑を効果的にバランスよく使うことで全体的に鮮やかな印象となる。当然ながら公開に向けて補修されているので完成当時とは印象が違うかも知れませんが、これはこれで素晴らしいです。描かれた当時の色使いはどんな感じだったんだろう…興味は尽きませんね。写真パネルながらも現在アメリカの美術館が所蔵している「品川の月」と「吉原の花」も並べて展示されていたのはとても有り難かったです。

 ということで今回「深川の雪」を直に見られたことはとても幸せでした。しかし美術館からは…まぁ私が無知なだけで他の美術館も大差ないのかも知れませんが、お客さんに対する姿勢にちょっと不満を感じてしまいました。

 まず、館内へのスマホ、デジカメ、飲食物の持ち込み禁止。まぁ当然でしょう。ロッカーも無料で使用可能なので文句ありません。しかし…空港と全く同じ金属探知ゲートとX線による手荷物検査にはちょっと引きましたね。完全に性悪説でお客さんのこと見てるでしょ?(笑)

 そしてコーヒーを飲みながら利用出来る足湯があると聞いて楽しみにしていたのですが、コーヒーはもちろん足湯入浴も有料(500円)。しかも足湯エリアに入らないと、目玉展示物のひとつ「風・刻」(風神雷神)の巨大壁画の全体像を正面から見ることが出来ないという銭ゲバ逞しい商魂ぶり(笑) 

 最後にミュージアムショップ。私は気に入った絵のポストカードを買うのが好きです。「深川の雪」のポストカードもあれば買うつもりでした。で、実際3種類ほど売っていました…絵の一部をそれぞれ切り抜いたデザインのものが(笑) 絵全体を収めたデザインはないのかよ~?!しかも売られているもの全て買い揃えても一枚の絵になるわけではありません。絵の全体像を得るためには1,200円のパンフを買わなければならないようです。だって無料パンフは…


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こんな感じだし(笑) これら全てひっくるめて業界の儲けのノウハウだとしても、ちょっと悲しかったですね。


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とりあえずネットから画像データは入手出来ましたけどね(笑)

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ついにコンプリート!川瀬巴水―生誕130年記念―特別展

2014-03-01 Sat 00:00
 3月2日まで大田区郷土博物館にて開催の「川瀬巴水―生誕130年記念―特別展」を鑑賞してきました。

 今回展示されていたのは前期中期に続き、いよいよ後期作品群。具体的には昭和20年代、60代以降亡くなる74歳までの巴水晩年の作品たちです。

 毎回訪れるたびに受付でリーフレットを頂けるのですが、これまでのカラー印刷のものに対し、今回は何と黄色い色上質紙へのコピー(笑) 在庫がショートしたのでしょうか?評判がよく想定以上の来訪者があったということでしょうね。よいことです。

 後期は展示されている作品を見る限り、また前期のような日本全国の美しい風景中心に制作されたように感じました。中期はやや都内(東京近郊)の風景が多かったと記憶していましたので、「昭和の広重」という彼のキャッチフレーズが再び思い出されます。

 そして、恥ずかしながら今回初めて知ったのですが、彼の版画作品には非常に多くの版を用いて摺られた作品、私の想像を遥かに超えた作品が多いです。例えば入口で真っ先に目に飛び込んでくる「増上寺之雪」という晩年の作品。


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この絵は何と42度摺りなのだそうです。技術やインクの進歩もあるでしょうが、現在日本美術画のレプリカを印刷するとしてもこんなに多くの版(色)は(多分)使いません。巴水の作品にはやや暗ったい、というかくすみ気味の絵が多いと思っていましたが、それはこのように多くの版(インク)を重ねて摺るからなのでしょうね。その証拠に、「野火止 平林寺」という秋のお寺の裏側を描いた作品が、順次色を重ねつつ完成に近づいてゆく様子が展示されていたのですが、一度摺った部分に後からそれよりも明るい色を重ねて摺る、という技法が用いられていました。これも現在の印刷ではほとんどありえない手法ではないかと思います。そしてそれが見事に彼独特の作風となっている。いやぁ…見れば見るほど奥深いです。


 川瀬巴水は作風自体が私好みだったこともあり、これまでの3回の展示はどれも興味深く楽しむことが出来ました。今回は最後ということもあり…


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記念に絵葉書を購入。8枚セットで400円(1枚当たり50円)という価格設定が良心的です。美術館などでは1枚100円くらいしますからね。

 私が選んだのは「内陸の風景編」ですが…実際はほとんどが、力道山も眠る池上本門寺関連の絵(笑) まぁ、地元の名所を数多く題材に取り上げていることから彼の地元愛が伝わってきて気に入ったんですけどね。それにしてもこれらが木版画だなんて、何度見ても信じられないです。

 3ヶ月越しの展示イベントでしたが、私にとってとても有意義な催しであり、よい経験になりました。またどこかで版画や浮世絵の展示があれば、ぜひ足を運びたいです。


 
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初対面!「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」

2014-01-28 Tue 00:00
 江戸東京博物館にて開催中の「大浮世絵展」に再び行ってきました。

 ここには今月初旬に既に一度足を運んでいますが、その時は最も見たかった東洲斎写楽画「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」


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※画像はイメージです


の展示期間ではなかったんですよね。改めて作品ごとの展示期間一覧表を確認し、今回再度足を運んだ次第です。


 「大浮世絵展」は好評らしく、1ヶ月近く経過した今でも多くの入場客で賑わっていました。「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」は予想通り、前回「市川蝦蔵の竹村定之進」があった場所に展示されていました。

 解説には「…正体は斎藤十郎兵衛とされる」と書かれていたので、思わず(ちげーよ!ラス次郎(おラスさん)だっつーの!!)と心の中でツッコんでしまいました(笑)

 う~ん、遂に念願叶った…絵はもちろん最高に素晴らしいし、とても嬉しいのですが…なぜか期待したほどの感動が得られず。恐らく作品がA4サイズほどで、これまで穴の空くほど繰り返し眺めてきた画集掲載の大きな写真とそう大差ないんですよね(笑) 当時の版画の技術も大したものですが、昨今の印刷の色調再現技術も負けていないぞ、ということでしょうか?(笑)

 結局、他の絵は先日鑑賞済み、かつ館内が混雑していて気持ち悪くなりそうだったため、「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」のみ目に焼き付け、15分ほどで博物館を後にしました。何だかとってもビミョ~な経験でした(笑)


 せめてランチだけはいつもと志向を変えて…


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今回は大盛ナポリタン&がぶ飲みハイボールではなく、大判メンチカツランチ&がぶ飲みレモンハイボール(@両国テラス)。とても美味しゅうございました。

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川瀬巴水中期の版画鑑賞

2014-01-13 Mon 15:03
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 大田区郷土博物館にて開催中の「川瀬巴水―生誕130年記念―特別展」を鑑賞してきました。

 昨年11月に同所にて見たのが前期、すなわち大正期から関東大震災後の復興期までの作品。今回は中期、昭和初期から10年代の作品が展示されています。

 作品は相変わらず繊細でカラフル、描かれた風景は写真のように見えたかと思えばポップなイラストのようにも見えて…これらが版画だなんて、何度見ても信じられません。

 前期分として展示されていた作品には日本全国の有名観光地が満遍なく描かれていたのに対し、中期もやはり同様の風景画の版画が中心でした。特に富士山絡みが多かったようです。また、日本国内のみならず朝鮮の風景も幾つかありました。

 風景以外では人形や歌舞伎の舞台あり、版画ではなく水彩画もありと、非常にバラエティに富んだ作品の数々を楽しむことが出来たと思います。

 目立ったのは一枚の版画で使う木版のうちの数版(一版?)を“刷り分け”、その違いを比較出来るように展示されたものが多かったことです。例えばある風景画で、一部の版を別の版に差し替えて刷ったり、別の技法で刷ったりすると、朝の風景が夕方の風景になってしまったり、晴れの日の風景に雨が降ってしまったり、雄大な富士山の風景を手前の白樺(?)のシルエットが遮ってしまったり…これぞ版画の特長を活かした高度な魅せ方。面白かったですよ。


 今月末からはいよいよ後期作品の展示が始まります。こうなったら“昭和の広重”の全てを体験したいですね。


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大浮世絵展deナマ東洲斎写楽

2014-01-12 Sun 00:00
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 1月2日から江戸東京博物館にて開催中の「大浮世絵展」を見に行きました。最大の目的はもちろん、東洲斎写楽の版画、第1期の大首絵。本やネットでなく初めて目にする実物…ナマ写楽を堪能出来るこの機会をずっと楽しみにしていました。

 この「大浮世絵展」の主旨は浮世絵の基本的な魅力を紹介することで、有名な作品、親しみやすい作品を中心に集めて展示しているそうです。作品が発表された時代も幅広く、近世初期風俗画から昭和初期の版画までが、日本国内のみならず大英博物館を始め世界中から集結。まさに浮世絵ファン初心者の私に打ってつけですね。

 展示されている絵を描いた絵師は私が知っているだけでもかなりの数に上ります。写楽を始め、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、鳥居一派、川瀬巴水…他にも“どこかで見たことがある”傑作の数々と出会うことが出来ました。お客さんのマナーが良く、誰もが真面目かつ真剣に作品に見入っていたことにも好感を持ちました。

 さて、問題の写楽の版画は…う~ん、4点のみかぁ…。具体的には、

■三代目市川高麗蔵の志賀大七
■四代目岩井半四郎の乳人重の井
■市川鰕蔵の竹村定之進
■三代目市川八百蔵の不破伴左衛門重勝と三代目坂田半五郎の子そだての観音坊
(※ご興味ある方は上記のタイトルをコピペして画像検索すれば幾らでも確認可能です)

の4点。東京・名古屋・山口と順繰りに開催される中、写楽は全12点展示される予定だそうです(うち「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」は所蔵先違いの同作品2点重複。まぁ版画ですので…)。

 そのうち東京で鑑賞可能なのは、まさかの6点。上記4点以外に、東京国立博物館所蔵で重要文化財指定されている方の「三代目大谷鬼治の江戸兵衛」と「堺屋秀鶴」のみです。しかもそれぞれ展示期間が異なり一度に見ることが出来ない。つまり東京にて展示予定の写楽6点のみ鑑賞するとしても、最低3回はここ江戸東京博物館に足を運び千ウン百円を払う必要があるということです(笑) 12点全てを見ようと思ったら時間的にも経済的にもちょっとキツいかも。

 私は“そういうもの”だと改めて悟りましたが、逆に同じく重要文化財指定の写楽最高傑作のひとつ、「市川鰕蔵の竹村定之進」が14日までしか見られないことを今回初めて知ってヒヤヒヤしました。

 ついでに菱川師宣の「見返り美人図」、歌川国芳の「相馬の古内裏」などもまだ展示されていません。その一方で葛飾北斎の「富嶽三十六景 凱風快晴」は2月初めに外れてしまいます。今後見に行く予定の方は事前にHPで展示スケジュールを確認して予定を決める方が良いですね。何だか昔の大物外人レスラーの来日スケジュールをチェックしているようです(笑)

 写楽について大きな収穫は、噂の“雲母擦”をこの目で確認出来たことです。写楽は当時無名の新人絵師のはずが、プロデューサーの蔦屋重三郎がなぜか破格の扱いで彼の作品を世に送り出しました。そのひとつが雲母擦による豪華な印刷。なぜこんなにも大切に扱われたのか?今なお解明されない謎として語り継がれています。

 雲母擦は細かく砕いた貝殻の粒を混ぜ、ラメのようにキラキラさせたインクを使って刷る手法。写楽の作品はこれを人物の背景に採用しています。残念ながら写真集やネット画像では確認出来ません。どんなものなんだろう?と興味津々でしたが、今回ようやく確認出来ました。200年以上経った今でも近くで見ると薄暗いグレーの背景がキラキラ輝いています。当時はこれでも物凄い豪華仕様だったのでしょうね。とても有意義な時間でした。

 なお、現在は常設展示場でも歌川広重の「東海道五拾三次」の版画全54点を見ることが出来ます。こちらも大変魅力的なのでお勧めです。

 それにしても、見たい作品を一通り見るのは甘くないですね(笑) やはり情報をマメにチェックし、全国…時には海外の美術館や博物館まで何度も通う必要があるのか…浮世絵に限らず美術品鑑賞ってこういうものなのでしょうね。一度に全部見られてしまったら何の有り難みも無いか…。この「大浮世絵展」に限っても、吉田類じゃないですけど


「(開催期間中に)あともう1、2回(軒)見てから帰りますんで。ではっ!!」


の世界ですね(笑)



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