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《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
おしるこde愛犬バースデー

2013-12-30 Mon 09:20
1


 12月28日は愛犬の5回目のバースデーでした。これまで愛犬が生きてきた5年間に自分が何をしていたか?思わず振り返りますね。


 毎年この日は近所のペットショップで犬用のバースデーケーキを買ってきて与えていますが、今年は残念なことに在庫切れ。仕方なく生活圏内にある別の2店のペットショップを見て回りましたが、どちらも取り扱いは無し。バースデーケーキを取り扱うこと自体レアのようですね。

 諦めて帰ろうとしたところ、ペットショップ内のあるコーナーに目が留まりました。何と!ワンチャン用のお正月フードコーナーだ~!!(笑) 年越しそば、おでん、それにおしるこまであります。しかも割と安い(笑) ケーキは手に入らなかったけど甘いもの繋がりということで、このおしるこでお祝いしよう。


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約300円と安かったので、ボールのオモチャ(780円)もバースデープレゼントのつもりで1個購入。


3


 レンジで軽くチンして、冷ましてから与えましたが若干熱が残っていたようで最初のうちはビビリ気味。


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5


 しかし小豆から恐る恐るペロペロ食べ始め、すぐに完食しました。お団子がかなり柔らかめだったので喉に詰まらないか心配でしたが問題無かったようです。


 毎年書いていることですが、この日は愛犬の誕生日でもあり、私が1年に1度改めて愛犬に感謝の意を伝える日でもあります。「5年間傍にいてくれてありがとう」…“永遠にいちばん近いその日まで(©navy&ivory)”何度でもこの日を迎えたいものです。


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2014年の私

2013-12-29 Sun 00:00
 2013年を表す漢字一文字は「」だそうですが、私の場合は…う~ん、「空」…かなぁ…。

 もちろん良いこともたくさんありましたが、それ以上にとても「空」しい一年だったような気がします。それに今年はあちこちに富士山を眺めに行ったっけ。富士山を眺めれば自ずとセットで背景の綺麗な青い「空」も何度も眺めました。今年出会ったベスト・チューンは、さだまさしの「空になる」だったし、一年を通してジムには4回しか行かなかった…「空」スケジュール…ということで私の2013年は「空」に決定!!…ハァ…。

 こうなるとあまり積極的に来年のことなんて考えたくないなぁ…とネガティブな状態でここ数日を過ごしていたところ、12月27日に私の好きな番組「やりすぎ都市伝説SP」(TX)が放送されることを知り、慌てて録画予約しました。

 内容は良くも悪くも“相変わらずいつものヤツ”でしたが(笑)その中にちょっと興味を引くものがありました。手相芸人・島田秀平氏が語る「あなたの2014年を知る方法」です。

 その方法は、今年の数字“2013”と自分の誕生月日の全ての数字を分解、一桁にした全ての数字を足し算します。和が二桁になった場合は一桁になるまで十の位と一の位を足す。最終的に出た数字が2014年の自分の運命なのだとか。

 例えば12月27日生まれの人の場合は、

2+0+1+3+1+2+2+7=18
さらに
1+8=9


なので「9」になります。そして各数字が持つ2014年の運命は、

1→スタート、始まり
2→人間、出会い
3→開花
4→基礎固め
5→転機、チャレンジ
6→奉仕
7→勉強
8→流れのままに
9→別れ、けじめ


らしいです。

 計算してみた結果、私の2014年は…「8」、「流れのままに」。なんだそりゃ?ところが島田氏の解説によれば、これは「“流れ”にさえ乗っかっていれば最高の1年になる」らしいのです。

やった~!!(笑)

 でもそんなの適当に出任せ言ってるだけじゃないの?念のため直近の数年間が当たっていたかどうか確認してやれ。

2011年:5→転機、チャレンジ
…う~ん、確かにその通り。

2012年:6→奉仕
…しましたよ、しましたよ。一見無駄骨っぽい奉仕を(笑)

2013年:7→勉強
…はいはい、いわゆる机の上でする勉強ではありませんが、今年は本当に多くのことを学びましたっけ。

…って、そのまんまズバリ当たってるじゃん!!


 でもこういうのって、多かれ少なかれ誰にでも当てはまるとは思いますけれどね。しかしそれを差っ引いても驚くほどのレベルで当たっているような…。となると私の2014年は期待出来そう…かな?


 まぁ、喜ぼうが悲しもうが結局のところ自分次第なんですけどね(笑)


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左手に告げるなかれ

2013-12-28 Sat 01:31
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 渡辺容子著「左手に告げるなかれ」(講談社文庫)を読了しました。第42回(1996年)江戸川乱歩賞受賞のミステリー作品だそうです。

 奥付を確認すると、本作が発行されたのは受賞と同じく1996年。確かに文中何度も“ポケベル”が登場してたっけ(笑) これを2013年に生きる私がストレートに評価してよいものか?迷いますが、割と好感を持てた作品なのでここに記録したいと思います。

 物語は…ベテラン万引Gメンとして働く独身女性・八木。彼女はもともとエリート人生を送っていたが、上司との不倫が相手の妻にバレてしまい、社会的制裁を受ける形で転職し、現職に流れ着いていた。
 ある日、その元不倫相手の妻が殺害されたことを刑事から聞き、さらに自分が容疑者のひとりとしてマークされていることを知った八木は、真犯人を探すべく仕事の合間を利用して独自に調査を開始するが…。

 読了後に感じた最大の印象は、とにかく読み難い!読み難いったらありゃしない!!…です。(全420ページ中)100ページくらいまではなかなか進みませんでした。その理由は、とにかく比喩・婉曲表現が多過ぎ。物事の様子を見たままストレートに表現せず、別の似たものに例えて表現するこのテクニック。たま~に使う分には(おっ、上手いな!)と感心するのでしょう。しかし多過ぎるものだからリズムが狂わされてしまう。内容がスムーズに頭に入ってこない。読むの止めようかと思いました。

 内容としては、久々に出会った本格ミステリー、いわゆる昔ながらの“推理小説”といった感じ。最後に全てをひっくり返してしまうような想定外の大どんでん返しや、真新しいテクニック(もともと1996年の作品ですが)はありません。でも代わりに推理小説のお約束、ラストで犯人が全ての種明かしを懇切丁寧にレクチャーしてくれます(笑) 私個人としては下手糞な大どんでん返しで「時間を返せ!」と後悔させられるよりもずっと良いと思いました。

 また、最近は特定の職業や事件などを詳しく取材して書いたんだろうな、と思われる作品は珍しくありません。本作も流通(スーパー、コンビニ)業界の事情や万引きGメンの仕事の裏側など、普段なかなか知ることのない世界が詳しく書かれていて興味を引きます。ほとんど20年前の情報ですけどね(笑)

 「仕事をしながら探偵みたいなことが出来るわけねぇだろ!!」というツッコミも多いように、ネットのレビューを見る限りさほど評価は高くないようですが、私はそんなに悪くはなかったと思いますけれどね。


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会社飲み会の意味

2013-12-27 Fri 05:00
※当記事は私独自の見解をもとに書かれたものです。


 2013年も残すところあと僅か。今週いっぱい街は忘年会ムード一色…かな?

 今更私なんかが偉そうに述べることではありませんが、サラリーマンなら会社の忘年会には…いえ、忘年会に限らず会社の飲み会には、どうしても外せない予定やデメリットが無い限り、基本的に参加する方が良いと思います。特に長い歴史を持つ大企業と呼ばれる会社で働いている方々ならね(…というか私、そういう会社しか知らないんですけど・笑)。

 なぜかというと、多くの典型的な日本企業の場合、飲み会とは仕事の延長、残業みたいなものだから。決して親しい友達とリラックスして過ごす楽しい時間と同じものを期待すべきイベントではないからです。したがって、どんな店で何をどれだけ飲み食いしたか?それは美味しかったか?何をテーマに語り合ったか?得るものがあったか?…どれも無意味

 もちろん残業といえど、社内のデスクで行う仕事とは異なります。友達と飲むようにダラダラ飲んで喋るだけでもダメです。ここですべき“仕事”は、誘ってくれた上司、誰かと飲みたがっていそうな同僚、まだ不安だらけの新入社員、彼らの望みを叶え、相手を楽しく心地良い気分にさせてあげること。そのための機会が会社の飲み会、というのが私の考え方です。

 逆に自分が心地良い時間を過ごしたいのなら、会社の人相手ではなく家族や恋人、親友に求めるべき。会社の飲み会で相手を心地よい気分にしてあげました、でも自分も心地よい気分にしてもらいました、というのは何となくギブ&テイクみたいですが、言い換えれば“プラマイゼロ”。全て“無”なのと同じ。

 言い換えれば、自分からは会社の飲み会に多くを求めるべきではない、とも言えます。お酒や料理の味、楽しさ、友情、師弟愛、建設的な議論、翌日から仕事がやりやすくなるという淡い期待(笑)…そんなものを期待した途端に、せっかくの貴重な時間とお金と健康が無駄になってしまうような気がします。

 つまり、会社の飲み会最大の目的は、相手に「またこの人と一緒の時間を過ごしたいな。飲む機会があれば真っ先に声をかけたいな」と思わせること。そういう人物になることでしょうね。私はそう思うことにしています。それが達成出来れば、酒の席だけでなくオイシイ仕事やプロジェクトにも呼んでもらえたり、普通なら接点のない人を紹介してもらえたり、喋ったこともない人から好印象を持ってもらえたり、後々色々なメリットが生じる可能性が高い…かも。

 よく、たくさん一緒に飲んだ(一緒に過ごした時間が物理的に長い)から仲良くなった、とか、会社では言えない意見を酒の席で言えて自分の素を見てもらえた、などと勘違いする人がいます。でもそれによって本当に自分にメリットが生じるかというと違うでしょうね。友達になるには仕事や肩書以外の魅力が必要ですし、自分の素を見せて気持ち良いのは相手ではなく自分だけですから。


 まぁ、そう言う私も若い頃は恥ずかしながら色々と勘違いしていました。その時は有意義な飲み会だった、得るものがあったと信じていたのに、現在も財産として残っているものは数えるほどしかありません。飲み会そのものが悪いのではなく、私が会社飲み会の意味を完全に勘違いしていたわけです。今思うと長年かけてドブに捨て続けたそのお金(飲み代)を、もっと勉強やセミナーに費やしていれば良かったなぁ…毎年年末に忘年会のニオイを肌で感じると、そんな後悔でちょっぴり心が痛みます(笑)


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人は老いて寒さを苦とす

2013-12-26 Thu 06:05
 最近、人は年齢を重ねるのに比例して、寒さにも弱くなるものだなぁとつくづく感じます。

 ここ2、3年の私の冬の服装というと、上は大抵ヒートテックインナーからコートまでの5枚。下はヒートテックタイツ含む2枚。それに加えてマフラーと、たまに手袋を着用しています。

 しかし思えば10年前は真冬でもTシャツ1枚で全然OKでした。さすがに外出時には人目を引いてしまうので、その上にコートを着て目立たないようにしましたけどね。マフラーや手袋、ニット帽なんて使ったことありませんでしたよ。

 さらに遡れば、小学生の頃は1年中半ズボンでしたっけ。当時股引きを穿く在りし日の祖父を笑った私も今やヒートテックタイツが手放せない(笑)

 そう考えると、少なくとも私は確実に年齢を重ねると共に寒さに弱くなっているわけです。老人になったら一体何枚着ることになるのでしょう?(笑)

 私は風邪などで寝込むのが嫌いなので、衣服や室温の調整、手洗いやうがいなどの衛生管理には割と気を使っている方ですが、それでも季節の変わり目にはちょっとした油断やミスから体調を崩してしまいます。

 幸い今は風邪で済んでいますが、今後年老いた時、同じ油断やミスがポックリ死に発展…ってことなのかなぁ、と思った次第です。

 毎年冬は慎重に慎重を重ねて体調を気遣い過ごさなければならないなんて、イヤですね…。



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冬に眺める霊峰

2013-12-22 Sun 13:16
 寒さは人並みに苦手な私ですが、冬は割と好きです。

 その理由のひとつに富士山がくっきり綺麗に見えることが挙げられます。


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(11月30日・静岡県にて撮影)


2
(12月7日・東京都より撮影)


静岡県はまだ近いので他の季節でもOKですが、東京からですと冬以外は高い気温により大気が滲んでしまってダメ。こんなに綺麗に見ることは出来ません。

 ところで東京から富士山を眺めた時に手前に見えるあの山…一体どの山なんだろう?地図で調べてみたところ、どうも丹沢山塊、それも塔ノ岳から丹沢山にかけて辺りのようです。へぇ…割と身近で人気の山々まであんなにくっきり見えていたんだ。ちなみに静岡県(沼津市)から見た富士山の手前に構えるのは、もちろん愛鷹山です。

 名山越しに眺める富士山…冬の楽しみがまたひとつ増えそうな予感です(笑)



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犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語

2013-12-21 Sat 00:00
inu


 山口花著「犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語」(東邦出版)を読みました。

 既に1年前に発行されていたようですが、私自身この単行本とは最近ある書店にて出会いました。文庫本を物色していたらいきなり「ワン!!」というワンちゃんの声が近くから聞こえたので、思わずビビってしまいました。声の発生源はこの本が平積みされた台に設置された小さなモニター。そこで繰り返し再生される短い宣伝映像の中で効果音のように使われていたのです。

 私は犬が大好きですし、この手の犬(ペット)との感動エピソードを集めたエッセイを読むことで犬を愛する人たちの気持ちに触れてみたい、そして改めて自分の愛犬への愛の度合いを確認したい、という欲求にしばしば駆られます。

 しかし悲しいことにエッセイゆえ文字は大き目、ページ数は少な目。小説と違いいつもほとんど一瞬で読み終えてしまうんですよね。1,300円という価格はそれ相応なのだろうか…?1ヶ月近く悩みましたが、結局購入しました。ブックオフに無かったし(笑)


 本書は著者が取材して集めた実話を基に書かれた「人と犬とのキズナがテーマのショートエピソード集」です。宣伝文句には“感動ストーリー”という文字も見られますが、個人的には感動するかどうかなんて個人差があるんだから押し売りするんじゃねぇよ!!と思っています(笑) まぁ愛犬家なら多かれ少なかれ必ず感動しますって。

 ちょっと工夫してるかな?と思ったのは収録全14編中、前半の半分が飼い主視点のお話。そして後半の半分がワンちゃん視点のお話という構成。ワンちゃん視点はどうしてもフィクションっぽくなりますが、読んでいて(自分の愛犬ももしかしたらこんな風にオレのことを見てるのかな?)みたいに妄想しながら読めるのは楽しいです。

 デザイン面にも工夫は見られます。各話とも扉ページにはタイトル、あらすじ、そして登場するワンちゃんの名前とシルエットを綺麗にデザイン。本文中にもカラフルなイラストやイメージ写真を適度に挿入。これにより“一度読んだらもういいや”色が強い小説と異なり、“またあの可愛いワンちゃんの写真見ようかな?ついでにもう1回読み返そうかな?”という気になるので私は良いと思います。

 どれも素敵なお話でしたし、何度か涙が出そうにもなりました。でもこれは私が犬を飼っている(いた)からそう評価するのでしょうね。犬が特に好きではなく、飼ったこともない人が読んで同じ評価をするとは正直思えません。あと心が屈折している人とか(笑) 

 でも愛犬家が読めば確実に自分の愛犬に対して今まで以上に優しくなれる。読んだ飼い主の心を動かし、気持ちや行動を変える力を持っている。…そんな本だと思いました。

 ひとつだけクレームをつけるとすれば、

ワンちゃんが死んでしまうオチは、なるべくやめて欲しい!!

…今後続編が出るのなら。そりゃ犬も人間もお互いいつか死んでしまいますけれどねぇ…。死ぬオチを採用せずとも感動出来る上手な物語だけを望みたいものです。


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犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語
(2012/12/20)
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継続が起こした奇跡

2013-12-20 Fri 00:00
 以前勤めていた会社の先輩社員・Aさん…といっても既に年齢50歳以上なのですが、彼が今年、ある奇跡(?)を起こしたことを知りました。何と結婚するそうなのです。

 私はAさんとは特に親しかったわけではありませんが、彼の風貌がプロレスラーのミスター・ポーゴ


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そっくりゆえ気になって仕方なかったのです(笑)

 Aさんは若い頃から人一倍結婚願望が強く、結婚したくてしたくて仕方なかったようで、それなりに婚活にも励んでいました。同僚女性をデートに誘う、合コンに参加する、友人から女性を紹介してもらう、お見合いする、結婚相手紹介サービスに登録する…。

 ところが残念なことに、彼は女性と1対1になるといつも緊張してしまい何も喋れない。お地蔵様状態に陥ってしまう。相手の目を見ることも出来ない。いや、それ以前にコミュニケーションスキルに欠けるわ、清潔に見えないわ、ビジュアルがミスター・ポーゴだわ(笑)…正直モテる要素があるようには思えませんでしたよ(笑)

 そんな彼が念願だった結婚に至ったということは、管理職に昇格したことで自分に自信を持ち、精神的にも強くなったのでしょうね。

 しかもお相手の女性はなかなかの美人らしい。それも初婚。まぁお年こそそれなりに召していらっしゃるようですが、それでも彼よりはだいぶ年下。これを奇跡と呼ばずして何と呼べばよいのでしょうか?!(笑) いやぁ、素直に凄いと思います。

 
 それにしてもなぜAさんは結婚出来たのでしょう?私なりに考えてみました。

 ここ数年のAさんを知らないのであくまでも勝手な想像ですが、勝因のひとつにAさんが「結婚したくてしたくて仕方ないんだ」という魂の叫びを周囲に発信し続けたことが挙げられると思います。

 人は同じ仕事や同じ活動を長く続けることで周囲に自分を強く印象づけることが出来ます。すぐに何か大きなチャンスが到来したり、成功したりすることは無くても、同じことを続けているうちに周囲の環境や状況は必ず変化します。それまでじっと辛抱強く待ち続け、チャンスを窺っていればいつか誰かが声をかけてくれたり、状況が好転したりするもの…そんな話を聞いたことがあります。

 例えば、お笑い芸人のスギちゃんがブレイクしたのは、(私は見たこと無いのですが)ずっと似たような芸風で活動してきたからだと言われます。かつては世間に受け入れられなかった彼の芸も、時代のニーズが変化し、面白さを理解出来るプロデューサーと出会ったことで一気に全国に浸透しました。もし彼が売れないからと芸風をコロコロ変えていたら「ワイルドだろぉ~」も生まれていなかったでしょうね。ダンディ坂野が一発屋扱いされながら地味に生き残っているのも、芸風や衣装を頑なに変えなかったことが大きそうです。

 逆に“ギター侍”波田陽区がどん底に落ちたまま這い上がれないでいるのは、彼が一度着物もギターも芸風も捨ててしまったから、と言われても仕方ありません(島田○助の引退の方が痛手だったか?・笑)。何となく分かるような気がしますね。

 つまり、Aさんがずっと「結婚したい」と周囲に言い続けたことで、誰もが彼の気持ちを本気と認識するようになり、どこかで独身女性と出会うと真っ先にAさんを思い出すようになる。彼女にAさんのことを話してみようかという気になる。結果的に色々問題ありそうな(笑)Aさんでも、女性と出会う確率、結婚出来る確率が高くなるんですよね。そこに人生経験を積んで“もう過去の俺様とは違うんだぜぃ!”という自信に満ち溢れたAさんを投入したら…そういうことです。もちろん周囲をその気にさせるAさんの人柄あってのことですが。

 仮にこれがAさんでなく、同じアラフィフ男でも本音を隠す見栄っ張り・Bさんだと正反対の運命を辿る可能性が高い。Bさんも本音は結婚したくてしたくて堪らないのに、アラフィフがガツガツするのはダサいし恥ずかしい、と下らないプライドを優先してしまう。Aさんが結婚すると聞いても

あんなブス(注:どんなに美人でも必ずこう言う)と結婚するくらいなら、俺は迷わず独身生活を楽しむ道を選ぶけどね
好きな女性のタイプ?う~んXとか、Yとか、あぁZもいいね!(注:20代のアイドル、美人女優、美人アーティスト、可愛いことで話題のスポーツ選手らばかり)
結婚なんて自由とカネを捨てるようなものだよ。相手がよほどのいい女でもなければ、自分から望もうとは思わないね
もし俺が結婚するとしたら…(注:ありえないほど自分に好都合な条件を並べる)

みたいなことばかり言う。これでは友人たちも、

仕事で知り合った女性が独身で性格も良さそうだけど、Bさん基準だとブスと切り捨てそうだな。紹介してもお互い嫌な気持ちになるなんてアホらしいや
Bさんは若い人が好きらしいから、30代の女友達がたくさん集まるパーティーに誘っても迷惑だよね
Bさんと趣味が合いそうな女性がいるけど結婚に興味無いんでしょ?お互いいい年して趣味友ってのも変だしなぁ。今回は声をかけるのはやめておこう

と引き腰になってしまいます。なお、ここでのポイントは、親友レベルの友人限定でなく、あくまでもそれ以外の適度に仲の良い人たちに広く本音を訴え続けることでしょう。親友相手の場合、相手の恋愛成就よりも友情の維持を優先する人が多いからです。それ以外の人たちに発信するから効果が期待出来るのだと思います。

 そう考えると結婚に限らず、何か実現させたい目標や夢があるのなら、すぐに結果が出なくても自分の意志やスタイルを貫き通し、同じことを地道に続けることも大切なのではないか?と改めて思った次第です。「毎日大きな声で目標を唱え続けていればいつか叶う」という教訓も、これまで単なる下らない精神論と思っていましたが、一理ありそうです。

 Aさんの営業スタイル…得意先に足を運び、“何でもいいのでとにかく仕事を下さい!!”と毎日頭を下げ続けることすらも、何だかとても有効な営業テクニックに思えてきました(笑)


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“出る杭は打つ”という民族性

2013-12-19 Thu 00:00
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 日本人って『出る杭を打つ』民族なんだなぁと、つくづく思います。


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出る杭は打たれる 【デルクイハウタレル】
出(で)る杭(くい)は打たれる

1 才能・手腕があってぬきんでている人は、とかく人から憎まれる。
2 さし出たことをする者は、人から非難され、制裁を受ける。


(出典:デジタル大辞泉)
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 先日ここで「あえてAKB(ガラスのエース)を擁護してみる件」という記事を綴りました。記事中で取り上げたAKB48のニューシングルはその後順調にセールスを伸ばし、発売5日めで遂にシングル連続ミリオン達成記録を更新。これまでB'zが保持していた同記録を、実に13年9ヶ月ぶりに更新したそうです。

 この“13年ぶり”というキーワードは改めて噛み締める必要があると思います。つまり13年前と現在では音楽シーンを取り巻く状況は全く違います。当時(2000年)に比べ現在はCDが売れない時代。しかもスマホの普及で音楽コンテンツは無料動画サイトで楽しめば十分という人が増え、頼みの綱のネット配信すら頭打ち。歌番組も減る一方で、歌謡曲がわれわれの日常に浸透し難い状況です。世の中の価値観も音楽業界の事情も大きく変化し、アーティスト側が圧倒的不利なこの状況でCDを100万枚以上16作連続で売る。これは快挙です。そのための手法をあれこれ非難する前に、とりあえず一度素直に評価してよいと思います。

 ところが案の定、耳に入ってくるのはこれまで同様、判を押したかのごときAKB(商法)批判ばかり。

 近年の日本社会では、個人の気持ちや、成果に直接繋がらない努力もこれまで通り認めつつ、それ以上に結果にこだわる風潮があると思います。音楽シーンもとりあえず便宜上「プロは結果が全て」でよいはず。各アーティストが活躍した時代背景も、それぞれの音楽も違うのですから。それでも

「手法・過程(握手券ほか様々な商業戦略)が気に食わない」
「過去に例がないことをすべきではない」
「○○がトップであるべき」

等々、自己都合な感情論を押し通したがる人、出る杭は打ってしまおうという人がまだまだ多いことが分かります。「半沢直樹」がヒットした原因も、そんな“出る杭を打つ日本人から打たれても決して引っ込まない杭”に快感を覚えた視聴者が多かったからでしょう。

 以前、私が関わっていた出版業界でも似たようなことがありました。

 ある出版社がDVD付きエロ月刊誌を創刊しました。その雑誌はいわゆる“エロ本”特有の暗くいかがわしい印象ではなく、どちらかというとグラビア中心のアイドル雑誌のようなイメージで作られ、誌面に登場する女性も綺麗な女の子ばかり。彼女たちを出来るだけ綺麗に撮ってあげたい、というカメラマン始めスタッフの気持ちが強く伝わってくる雑誌でした。

 そして付録DVDにはもちろん“動く彼女たち”(笑)の姿が合計4~6時間(DVD2~3枚)も収録されていたのですが…これがまた市販のエロDVDも真っ青なクオリティ。(これで約1,000ポッキリなんだから、売れるだろうな)と思ったら、コンビニ流通も手伝いあっという間に発行部数10万部超え。快挙でした。

 すると突如として東京都から「内容が過激だ」とクレームが入り、編集部は泣く泣く何ら面白味の無い内容に路線変更。そのうち休刊に追いやられてしまったのです。


 ちょっと調べてみたところ、握手会ってAKBの専売特許かと思ったら、モー娘。ほか結構たくさんのアイドル(グループ)が行っているファンサービスなんですね。しかもモー娘。に至ってはCD特典の握手券で握手出来るメンバーがランダムで一方的に指定されるため、お目当てのメンバーと、それもまとまった時間接するためにはAKB以上にCDを大量購入しなければならないと聞きました。

 しかし私が知る限りモー娘。が表立って批判されたことはなく、現在のところほとんどお咎めないのが現実。これではまるで10万部に満たない発行部数時代の、先のエロ雑誌そのもの(笑) 同じ杭でも出るまではスルー、出たら即打たれる。これでは新しい試みも、文化も、人材も生まれ難いですね。


 日本人にはまだまだ“みんな一緒に横一線で、普通よりも少しだけ幸せでいようよ”という価値観を大切にし、そこから外れる人や組織は悪と見做したくて堪らない…そんな人が多いように感じます。




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春を嫌いになった理由(ネタバレあり)

2013-12-18 Wed 00:00
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 誉田哲也著「春を嫌いになった理由」(光文社文庫)を読了しました。誉田哲也ものはこれまでに「月光」と「ハング」を読みましたが、割と私とウマが合う作家さんのように思います(「ストロベリーナイト」が入っていないところがミソ?・笑)

 物語は…

 フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。そして嫌々向かったロケ現場の廃ビルで一行は、エステラの透視通り男性のミイラ化した死体を発見。
 一方、中国のある村は、若者を次々に日本に密入国させ働かせ、給料を送金させることで潤っていた。しかしある時、密入国者兄妹の兄が犯罪に関わってしまい、闇組織の殺し屋から追われる羽目に。妹も警察に摘発され本国に強制送還されたはずが行方不明となってしまう。
 また別の、とある平凡な家庭ではサラリーマン男性が身重の妻とともにテレビの「超能力公開捜査特番」を興味深く視聴していて…。
 一見、全く別々に見える三者が、次第にクロスし始めて…。.

…という感じでしょうか?メインの超能力公開捜査番組は、かつて私が三度のメシより大好きだった「TVのチカラ」(テレ朝系)をモデルにしているんじゃないか?と思わず想像してしまいました。超能力、行方不明者公開捜査、心霊、殺人事件…私の興味の対象ばかり(笑) やはり誉田哲也ものとはウマが合います。

 個人的にはかなり面白かったと思いますが、所々“あれは結局どうなったの?”みたいにスッキリしない部分も幾つかあります。途中から先が見えてしまったし、全体的に中途半端な印象は否めないでしょうか?読者によって好き嫌いがハッキリ分かれそうな作品でした。

 でも、そんなことはまだよい方で…実は本作最大の問題は別のところにあります(笑) 驚くことにラストで幽霊が問題を解決!!殺し屋を殴って気絶させ、かつての仲間を守ったよ~!!…こんなの読んだの初めて(笑) これ完全にミステリーのタブーを侵してませんか?(笑)

 まぁ、私としてはそれでもアリかな?と思ってしまいました。その程度のこと(?)なんて許せるくらい、何だかんだウマが合った作品でした。

 それにしても、本作に登場する超能力者・エステラは本物の超能力者でしたね。番組もヤラセなしでした。「テレビのチカラ」に登場した超能力者たちは全て偽物(ちゃんと当てたためしが無い?)でしたから、フィクションの世界とはいえちょっと羨ましいです(笑)


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気持ち悪かったあの大ヒットドラマ

2013-12-17 Tue 00:00
 2013年、5,040万人もの日本国民が釘付けになった大ヒットテレビドラマといえば、もちろん「半沢直樹」ですよね(視聴率1%=120万人換算)。

 でも私、今さらですがあのドラマ、(見たのは2回ながら)最後まで好きにはなれませんでした。

 そりゃ、チープなトレンディ(ふっる~・笑)ドラマに比べれば面白いし、人気の理由も分かるような気はします。

 しかし「半沢直樹」は、私に言わせればフィクションもフィクション、気持ち悪いくらい現実離れし過ぎ。私は銀行員の経験はありませんが、似たような(?)会社組織の中でずっと生きてきました。半沢直樹の生き方には共感するし憧れもしますが、現実にはまともな会社組織にこんな態度の社員、しかも管理職なんか絶対にいません。

 まぁドラマなんてもともとフィクションの世界ですし、現実にあり得ない設定やストーリーが悪いと言いたいわけではありません。私の場合、単にこの現実離れし過ぎた物語を妙に気持ち悪く感じてしまったんです。

 例えば、顔もスタイルも学力も並以下、性格は「ドラえもん」ののび太みたい、モテる努力も自分磨きもしない。そんな青年がモテまくり、次々とモデルやアイドル級の美女から交際を迫られる…そんな設定のラブコメドラマがあったとして、素直に共感して楽しめるでしょうか?少なくとも私なら腹が立つでしょうね。「こんな都合いいこと、現実に起きるわけないじゃないか!いいかげんにしろ~!!」って(笑)

 でも恋愛経験に極端に乏しい男性がこの(架空の)ラブコメドラマを見て、

「いいなぁ~。もしかしたらオレにもいつかこんなふうにモテる日が来るんじゃないか?」

という誤った期待を持つように、一般企業で働いた経験のない視聴者…学生、主婦、自営業者(商店主)などが、

「サラリーマンって単なる企業の歯車かと思ってたけど、その気になれば半沢直樹のような活躍も出来るんじゃん。みんなも半沢直樹を見習って彼みたいに生きればいいのに」

と一部錯覚して「半沢直樹」を楽しんだんじゃないかな?と想像した次第です。

 どちらも現実にはまずありえない設定ですが、せめてドラマの世界の中だけでも視聴者に気持ちよくなってもらおう、という匂いを感じる点では、「半沢直樹」もこの架空のラブコメドラマも同じなのでしょうね。フィクションとして楽しむ分にはよいですが、あまり現実に置き換えて空想したり、現実と混同したりしない方がよいですね。

 したがって、あくまでも個人的見解ですが、せめて世の中堅以上の企業戦士の方々は、

「『半沢直樹』面白かった!」

とか、

「見ていてスッキリした!」

などと表向き発信しない方が無難かも。そんな発想するとは、コイツはまだまだ下っ端根性が抜けていないな、と上層部から見られてしまうかも知れませんよ?(笑)


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キャプテン・フィリップス(ネタバレあり)

2013-12-16 Mon 00:00
captain_phillips


 トム・ハンクス主演「キャプテン・フィリップス(Captain Phillips)」を観ました。私の好きな俳優、トム・ハンクス主演という理由で観たのですが、想像以上に面白かったです。

 物語は2009年に実際に起きたアメリカのコンテナ船ハイジャック事件「マースク・アラバマ号乗っ取り事件」を基に描かれた、船長の伝記映画。マースク・アラバマ号がソマリア人の海賊に襲われ、フィリップス船長はじめ乗組員たちを人質に取る。一度は上手く立ち回り、彼らを救命ボートで追い返す流れになるが、土壇場でフィリップス船長も連れ去られてしまう。その後連絡を受けた米海軍が出動、犯人一味を狙撃し船長救出に成功するまでの物語です。

 最初は舞台がコンテナ船上ということで、あまり面白そうだとは思えませんでした。馴染みが無いから親近感も湧きませんし。海賊が船に乗り込んで来た時は、(貨物船版「ダイ・ハード」みたいな感じかな?)と一瞬期待しまが、大したアクションも見せ場もなく舞台は救命ボート船内にスライド。そこからは最後までほとんど海賊vs米海軍の駆け引きです。こう書くとたいした見所が無いんじゃないか?と思われてしまうでしょうね。

 もちろん元ネタが実際に起きた事件ですから、事実から大きく外れた創作エピソードや派手なアクションがあるわけではありません。ところが、それにもかかわらずストーリー展開にスピード感があり、迫力も満点。結局ハラハラドキドキしながら2時間以上、ずっとスクリーンに釘付けになってしまいました。とてもよく出来た映画でした。

 そしてラストシーン。無事救出されたフィリップス船長が、愛する家族と涙の再会…というベタなハッピーエンドを思わず期待してしまったのですが、実際には船内の医務室で極限の精神状態から醒めぬまま救護班の問診に答えるフィリップス船長…のままエンドロール。

 また、最近大どんでん返しを売りにする小説の読み過ぎで、一瞬(もしかして実は海賊のボスはフィリップス船長なんじゃないの?)とも想像してしまいました(笑) 観ている時はちょっと(あれ?)でしたが、結果的にはこれで良かったと思います。


 最近アメリカ映画では、こういう自然な形で終わるケースが増えたように感じます。ベタで分かりやすいハッピーエンドも好きですが、本編の余韻を残しながら終わるこういったエンディングも今後支持されるはずです。正直、トム・ハンクス主演映画はハズレもあるし、コメディ映画での彼の演技・表情と同じものを100%堪能することは出来ませんが、この「キャプテン・フィリップス」は堂々と友人にオススメ出来る映画。そう思います。



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あえてAKB(ガラスのエース)を擁護してみる件

2013-12-14 Sat 00:00
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 通算16作めのミリオンセラーが懸かった、今週(12月11日)発売のAKB48のニューシングル「鈴懸の木の道で『君の微笑みを夢に見る』と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」(以下:鈴懸~。長い・笑)が、発売初日にミリオン達成ならず、というネットニュースを読みました。

 私はいわゆる、AKB(関連グループ含む。以下同)に多くのお金や時間を費やすファンではありませんが、AKBは個人的にアイドル云々を超えて、諸々ひっくるめて楽しいエンタメだと思っています。そんな私でも今回だけはミリオン達成の行方は気になります。


 今回発売された「鈴懸~」はご存じ第4回じゃんけん大会を勝ち抜いた選抜メンバーによる新曲。よって世間的知名度の高いメンバー、選抜総選挙上位メンバーはほとんどいません。センターに至ってはAKBではなくSKEの松井珠理奈ですから、もしここでミリオンを逃すことになったら、せっかく頑張っている珠理奈が可哀想だなぁ…などと心配しつつ(笑)このニュースを読みました。とはいっても初日の売上(出荷枚数?)は約92万枚。ミリオン達成はぼ確実らしいですけれどね。


 それはそうと…今回のようにネットにAKB関係の記事が出るたびに感じることですが、ネットの中にはまるで“この人はAKBに肉親か恋人を惨殺されたんじゃないか?”としか思えないほどにAKBを憎んでいそうな輩が大勢いるではありませんか(笑) 10代~20代前半で人生の目標を定め、夢に向かって日々努力している彼女たちを大のオトナが叩く…彼女たちも堪ったものじゃありませんね(笑)

 彼女たちへの批判的意見を分類すると、

■CDがミリオン達成するのは、ファンがCDの特典である握手券目当てで大量購入するからだ。曲の善し悪しとは無関係
■そんなAKBなのだから、現在連続ミリオン達成記録上並んでいるB'zと一緒に括るな
■AKB人気のピークは過ぎている。だから「鈴懸~」の売れ行きが芳しくないのだ。いい気味だ
■AKBグループ総支配人の戸賀崎氏がドラッグを吸っていた事実を雑誌が暴いた。なのに彼が何ら罰を受けないのはおかしい。そんな奴が管理しているグループのCDが売れるのは納得できない

…こんなところでしょうか?まぁ以前からAKBのニュースが取り上げられるたびに同じように騒ぐ輩はいるようですが。

 そこで中立的立場の(?)私があえて客観的にこれら4つの批判的意見について考えてみました。

 まず、「握手券が付いているから売れているだけ」について。

 確かに握手券…それも推しメンとまとまった時間お喋りするために多くの枚数のCD(=握手券)を購入するファンもいると聞きます。

 しかし改めて調べた限り、今回の「鈴懸~」購入者対象の握手会は“個別握手会”のみのようです。つまり、握手会に参加するためにはファンクラブ会員のみ購入可能なファンサイトの通販を通して“劇場盤”を購入しなければならない。言い換えれば街のCDショップやAmazonなどネット通販でどれほどCDを購入しようが、握手会には参加出来ないということになります。

 発売初日に売れた92万枚中、一般のショップで販売されるType-A、S、N、Hと、ファンサイトの通販のみで販売される劇場盤それぞれの枚数の割合は私には分かりませんが、これだけの規模のビジネス(AKB)において、まさか劇場盤がその大半を占める、なんてことはあり得ないでしょう。

 また、私は恥ずかしながらこれまで毎年1回、選抜総選挙投票用のシリアルナンバー付きのシングルCDだけはAmazonで予約購入してきました。しかし初回製造ロットのCDを購入したはずが、(こちらは全国握手会?)握手券が付いていたことはこれまで1度もありません(付いていても恥ずかしいから参加しませんが・笑)。

 つまり「握手券が付くから売れているだけ」と批判する人のほとんどは、毎回100万枚全てのCDに握手券が付いているはず、と決めつけていません?私も詳しいことは分かりませんが、実状は違うんじゃないか?と思いますし、握手券だけの力ではミリオン達成は恐らく不可能、と思われます。

 ということは全国握手会はナシ、知名度の低いメンバー中心の選抜メンバーで歌う「鈴懸~」の初日92万枚という実績は、実はもの凄い快挙なのではないでしょうか?

 さらに言うなら、Amazonで予約した私のもとには、発売2日後の現在もCDは未着。あまりの数の多さに梱包・発送業務が追いつかないのでしょうか?集計方法は分かりませんが、もし私のようなユーザーが発売日に街のCDショップで買っていたら、数字はもう少し増えていたのかも。

 加えて、毎回幼い娘さんのためにAKBのシングルCDを買う私の友人は、発売日には全くこだわりません。何かのついでに買いに行きます。そんなファンもいるのだから、今後じわじわと累計販売枚数を増やしますよ、きっと。

 それはそうと、AKBの曲って批判されるほど下らないですかね?個人の好みや感性の差と言ってしまえばそれまでですが、過去に様々なジャンル、多くのアーティストの音楽を聴いてきた洋楽派の元メタルバンドリーダーである私が聴いても、AKBの曲って良く出来ていると思うし、聴いていて心地良く思わず口ずさんでしまいますけど。ついでに「メンバーは素人の女の子よりもブス」という人もいますが、じゃあアンタの彼女やカミさんはどれだけ可愛いんだ、って話ですよ(笑)

 このように、100万枚という数字は決して握手券だけで達成可能な数字ではないでしょう。楽曲のよさやメンバーの魅力が世間に認められた結果をも十分に含んだ数字なのでしょうね。


 次に「B'zと一緒にするな」についてですが…そもそも私、今までB'zに興味持ったことないです。個人的にAKBよりもB'zの音楽の方が分かりにくいし、歌詞は聞き取り難いし、洋楽の名曲のパクリだらけで許せません。こういう音楽聴いていると外国人からバカにされそうだし、メンバーも可愛くないし(笑) 全く興味がありません。でもそんなこと他人には言いません。好みは人それぞれ、どちらが上とか下とかあり得ないです。

 それに今時、B'zだって他の日本人アーティストだってCDに特典をつけたりジャケット違いのCDを数パターン発売したりという販売方法は何かしら採用しているはず。B'zがまるで宣伝も広告もキャンペーンも一切無し、純粋に楽曲のよさだけでCDを売ってきたかのような物言いは変ですよね。


 「AKB人気はピークを越えた」…?でもAKBの選抜総選挙上位メンバーの多く、いや、噂の三銃士すらいないシングルがミリオン目前ですよ?

 確かに一時期の勢いはありませんが、それはどんなヒットコンテンツも通る道。今後いかに展開するのかがプロデューサーの腕の見せ所であり、まだ見ぬ楽しみなのだと思います。

 あと、世間では「モー娘。再ブレイク」「これからはももクロの時代」などと言う人がいます。確かに今後人気が上がる可能性はありますが、マーケティング、楽曲の質、その他諸々AKBとはレベルが違い過ぎます。AKBほどのアイドルコンテンツは当分出てこないと思われます。例えば、マ○ドナルドよりも美味しいハンバーガーチェーンはたくさんあるのに、実際はまだまだ“世界のマ○ク”です。「新日はつまらない。これからはDDTだ!」といっても業界の勢力がその通りにひっくり返ることもまずあり得ません。そんな感じなんでしょうね。


 最後に「戸賀崎総支配人ドラッグ問題」は…CDが売れることとは直接関係ないような気が…(笑) まぁ記事の内容が事実だとしてて、合法ハーブだろうが薬物に手を出してはいけませんね。でも本当にヤバければ警察が動くんじゃないですか?警察に一任しましょう(笑)


 ということで、やはりAKB人気は限りなく本物に近いのではないか?ピークは過ぎたかも知れませんが、少しずつ形を変えながら進化している。今はその過程の途中にあるのではないか?

 まぁ、私もシングルのタイプごとに収録曲が違うという商法はやめて欲しいし、そもそも歌手を名乗るのなら口パクはダメだと強く思います。しかしそうやって過去の常識を壊し、新しい価値観を生み出すことも立派な文化なんですよね。


 ということでこの週末は、ひとりのAKB支持者として「鈴懸~」のミリオン達成と、早くAmazonからType-HのCD(笑)が届くことを陰ながら祈ることにします。


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鈴懸(すずかけ)の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの (Type A)(多売特典付き)鈴懸(すずかけ)の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの (Type A)(多売特典付き)
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哀れ?メタル野郎

2013-12-13 Fri 00:00
 先日、何気なく開いたFacebookのトップコンテンツに、ある知人男性(40)の姿がありました。

 彼は両手でスタン・ハンセンのキメポーズ(「まことちゃん」のグワシ?)のような形を作り、自身の顔の前でクロス。腰をやや落として両脚を広げた状態で、しかめっ面にて写真に収まっています。着ているのは今から20年以上前にリリースされた某HR/HMバンドのアルバムジャケットと同じデザインの黒いTシャツ。いつ手に入れたのだろう?…別にいいけど、冬なのにTシャツって…(笑)


 趣味嗜好や価値観は人それぞれ異なるし、10人いれば10通りの生き方が存在します。それを重々承知の上で、その中の1つの意見として以降綴らせて頂きますことをご理解ください。

 
 私がこの写真を見て感じたのは、

40(歳)を過ぎた今なお、若い頃の価値観から抜け出せずに…いや、むしろ自らドップリ肩まで浸かって生きるその姿から感じるのは“哀れみ”以外の何物でもない

ということです。楽しそうにも見えなければ、カッコよくもない。恐らく本人は

これが何ら飾ることのない素のままのオレなんだ。そしてこれがオレのイケてるライフスタイルだ。こんな自由奔放なオレの生き方って羨ましいだろう?さあ、遠慮せずにどんどんオレのことを見てくれよ!!

くらいのことを考えているのだと想像します(一応本人には過去に何度も会っているので、だいたい分かります)。

 まぁその背景を想像するに、不景気な世の中ですがたまたま彼の勤め先の会社は潰れておらず、今のところ両親も健在かつ元気。その両親には十分な収入があるので自分の給料は全てお小遣いとして散財、将来のことも真剣に考えなくても毎日楽しく生きていられる。モテなくても自分を磨かなくても遊んでくれる人がチラホラいる…未来永劫、半永久的にこの状態が続くと信じていたいのでしょう。まぁそれが彼の希望なら私が口を出すことではないですね。

 でも私はこれを見て改めてこう考えます。よほどの公人や有名人でもない限り、生き方や趣味嗜好は、あくまでも個人個人が自分の中で噛みしめ、実践し、楽しむものなんだな、と。相手が家族だとか気持ちをシェア出来るごく一部の親しい友人なら、その価値観を共有することも有意義かとは思いますが、彼のようにSNSなんかで不特定多数の人々に堂々と晒してしまっては、私のような…いや、もっと悪意に満ちた解釈をする人も少なからず存在するはずですもんね。分かりやすく言うなら

「どんな趣味を持とうが知ったこっちゃないけど、自分だけでこっそり楽しむか、もしくは同じ嗜好の仲間と一緒にこっそり楽しめよ」

…ってことです。

 えっ?このブログも同じじゃないかですって?いえいえ、これはあくまでもブログです。実際の友人・知人を招待したことはないし、彼らがチェックしてくれているか否かなんて最初から関知していません。もともと興味を持って下さった、私の意見や考え方がヒットする方々のみを対象に綴っているつもりなので、Facebookとはまるで性質が違うのです。

 ちなみに彼が着ていたTシャツ、私は全く同じものを19歳の時にイギリス・ケンブリッジで買って所有していました。20歳前後、大学時代に頻繁に着たっけ。

 そして今、当時の私の2倍の年齢のオッサンが全く同じTシャツを自慢気に着用。キメポーズ姿をネット配信…それでも価値観は人それぞれなのでしょうかね?ブログで見つけた完全な他人のすることならともかく、知らない間柄じゃない人のこんな姿を見せられてしまい、何だかモヤモヤしてしまいました。


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孤虫症(ネタバレあり)

2013-12-11 Wed 20:18
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 「殺人鬼フジコの衝動」でお馴染みのメフィスト賞受賞作家・高梨幸子著「孤虫症」(講談社文庫)を読了しました。最近また友人とお互いのお勧め小説を交換したのですが、その中の一冊です。

 物語は、数多くの男との情事を習慣にしている主婦・麻美が主人公。彼女の不倫相手が次々と全身ブルーベリー状の瘤だらけになって死んでゆく。やがて麻美自身の体にも異変が起こり、彼女は気が狂ったようになって失踪。麻美から相談を受けていた妹・奈未は、麻美の夫・隆雄とともに麻美を探すが…。

 まずは素直に面白かったです。少なくとも今年読んだ本の中では最速、あっという間に読み終えてしまいました。

 著者の作品では確実に読者を選ぶレベルのエロ・グロ描写は珍しくありませんが、本作は特にキモかったですねぇ。なんてったって主役が“寄生虫”なんですから(笑) 思わず首筋や背筋がモゾモゾしましたよ(笑)

 しかし大半はとても面白く読み進められたのですが、ミステリー要素が強くなる後半、特にラスト。多くの謎が解明されるシーン…あれはちょっと強引かつ呆気なさ過ぎですね。確かに伏線らしきものが張ってあったのは理解しますが、私の評価としては“強引”のひと言です。Amazonのレビューでどなたかが書いていましたが、「最終回で時間が足りずに強引にまとめてしまうドラマ」みたいでした。

 まぁ、それはまだ許容範囲として、この小説には気に入らない手法が2つあります。

 まずは文中で主人公・麻美視点での出来事(と、普通に読めば受け取るであろうこと)のほとんどが、ラストで“実は梶原(本作最大の悪者)視点の出来事でした、チャンチャン♪”と明かされるのです。考え方は人それぞれでしょうが、私はこれ、反則だと思います。

 先日読んだ「彼女は存在しない」のオチもこれと似た手法を採用していましたが、個人的意見としては禁じ手にして欲しいくらいです。確かに改めて最初から読み直せば辻褄は合っているのでしょうし、麻美・梶原どちら視点とも取れるように工夫して書かれているのだと思います。でもこれをやられてしまうと、少なくとも今後は高梨幸子ものを読むたびに(これは本当は別の人物視点なんじゃないか?)と疑いたくなり、主人公の気持ちにシンクロしたり、物語の世界に没頭できなくなりそうです。

 それでも「彼女は存在しない」の場合は、まだテーマが多重人格ものでしたし、こういう書籍の特徴を活かしたテクニックもありかな?と思いましたが、まさかその直後に読んだ本でも似たような仕掛けが採用されていたとは…。正直気分萎えますね。(えっ?じゃあもう一回最初から、今度は麻美じゃなくて梶原視点での出来事で本当に辻褄合うかどうか読んで確認してみよう!)…って気にはなりません。

 そしてもうひとつ。実はこっちの方が本当の禁じ手、反則技ですね。それはラストの種明かしシーンでのこと。舞台となるタワーマンションの主的オバサンたちが事件の全貌を告白するシーンで、初めて保険金絡みの死亡事故の話、それを麻美に怪しまれていたこと、麻美の娘・美沙子の万引きをネタに麻美を精神的にコントロールしていた梶原とのパワーバランス…これら事件の発端となった出来事が初めて明かされるのです。

 確かに睡眠薬、麻美が紹介した同級生の保険営業マンらの存在はチラっと出てきますが、これだけで読者が事件の真相を推測するのは普通は至難の業でしょうね。

 島田荘司が唱える「ミステリーのルール」の中には「犯人を推理する材料は、事前に全て読者に公開されていなければならない」というものがあります。“斬新”“現代的”と言ってしまえばそれまでですが、これではミステリーでも何でもないですね、私的には。


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孤虫症 (講談社文庫)孤虫症 (講談社文庫)
(2008/10/15)
真梨 幸子

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彼女は存在しない(ややネタバレあり)

2013-12-09 Mon 23:00
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 先日ご紹介した「こわれもの」の浦賀和宏著「彼女は存在しない」(幻冬舎文庫)を読了しました。

 「こわれもの」は何となく予想出来てしまうストーリー展開と、ちょっとモヤッとするラストのどんでん返しが不満でしたが、全体的に読みやすかったので本書も読んでみようと思いました(ブックオフで105円だったし・笑)。

 物語は、平凡ながら幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常が、ある日突然恋人・貴治が何者かに殺されたのを契機に狂い始める。同じ頃、妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく…というもの。

 読み終えてまず感じたことですが、「こわれもの」でもそうでしたが、本文中に登場人物が聴くテクノ音楽のバンド名やアルバム・曲名、およびそれらの解説がやたらと出てくるんですよね。しかもストーリーとは全く無関係。間違いなく著者の趣味かと思いますが、これだけのことでも私は気分が萎えてしまいました。だって小説の醍醐味って、読み進めるうちに登場人物(主に主人公)に自己投影して、気持ちをシンクロさせて物語の世界にドップリ浸かることでしょう?なのにその対象が夢中になって(少なくとも多くの読者にとっては)わけの分からないニッチな音楽ばかり自慢げに楽しんでいては、その都度現実の世界に引き返らざるを得ません

 例えば私が好きな島田荘司の小説にも、登場人物が音楽を聴いたり、その魅力を解説したりするシーンは頻繁に登場します。しかし島田先生の場合は特定のジャンルやアーティストに限りません。クラシック、ジャズ、ブラック、ロック、ポップ…ある程度彼の嗜好的要素も含んではいるのでしょうが、ストーリー展開上必然性を感じられるし、登場人物を通じてその音楽の魅力が伝わってくるんですよ。読み終えた後、影響を受けて実際にCDを買いに行ったことが何度もあります。

 一方、浦賀氏のテクノは完全に自己満足。必然性が全く感じられない。だからまず、著者は今後この手の無意味な描写は止めた方がよいですね。これではまるである程度売れても小さなライブハウスから出ようとしないインディーズバンドです。

 そしてラストのどんでん返し。アマゾンのレビューを読むとほとんどの読者が「最初から予想出来た」と低く評価しています。私は全く予想出来なかったのですが(笑)

 まぁ、そのどんでん返しの善し悪しはともかく、私は「あっ!」と驚かされながらも冒頭までページを戻して確認したり、辻褄が合っていたか?改めて反芻したりする気になれませんでした。というか面倒臭いしどうでもいいや、という感じです。先ほども述べたように、やはり物語に深く没頭出来ていなかったのでしょうね。

 例えば同じ大どんでん返しで読者の予想を裏切るというと、湊かなえの作品の多くもそんな感じです。しかし彼女の作品はよく出来ていますから、ラストで明かされる真実に触れた瞬間、ページをバーッとめくって前の方に張られた伏線を確認せずにはいられない衝動に駆られる。この違いはそのまま作品レベルの違いかと思います。


 ひとつだけ評価するなら、本作は仕掛けの性質上、テレビや映画など映像化は絶対に無理だということ。つまり書籍のメリットを活かして書かれた、書籍でなければ楽しめない作品であるということです。活字を読むのが面倒だからと何でもかんでも映像化を望む人が少なくない中、このような読者優遇的コンテンツには好感が持てます。

 先の湊かなえも書籍ならではのメリットを活かして、文章の構成を工夫することで魅せる作家と言えますが、彼女には遠く及びませんけれどね。


 う~ん…読みやすいのですが、読み終えた後の満足感が少ないんですよね。大盛りの焼き魚定食を完食したのに、帰りにコンビニでお菓子を買って帰りたくなる感覚に似ているんだよなぁ…。


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【TODAY'S PIC UP ITEM】

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)彼女は存在しない (幻冬舎文庫)
(2012/11/30)
浦賀和宏

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ほんとにあった!呪いのビデオ55(ネタバレあり)

2013-12-08 Sun 16:26
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 「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズ最新55巻をレンタルしました。今年も「ほん呪」に始まり「ほん呪」に終わりそうです(?)

 なお、今回の「55」はコンテンツ収録時間が1時間40分以上!よく見るとジャケットに「劇場公開版」とあります。どこかの映画館で公開するのでしょうか?分かりませんがオトク感があって嬉しいですね。


【銅像】<ゾクゾク度:B>
 夜の公園で“グリコ”(“パイナツプル”や“チヨコレート”など勝ち手に応じて階段を進むジャンケンゲーム)に興じる、酒に酔った若者グループ。この公園にはリアルな人型銅像があちこちにあるが、そのうちのひとつ、チョキを出す少年像が一瞬カメラに映り込む。すると次の瞬間、その像は成人女性の姿になって撮影者に近づき…。

 この公園、どこでしょうね?川口でしょうか?

 私は映像の少年像がジャンケンに参加するのかと思いましたが、女性の霊が出てきました。銅像関係なかったですね。

 撮影者はそのまま走り去り、映像をメール送信した後失踪してしまったといいます。…これ、いつもと違って後々生きてくるので覚えておいた方がよいです(笑)


【ロールシャッハ】<ゾクゾク度:B>
 以前犯した取材中のミスを悔いて“休職&修行中”の製作補・菊池が修行中に知り合ったという大学生からの投稿。彼が所属する映画研究会には、先輩が撮影した廃墟の映像を後輩に見せるという慣習がある。しかし撮影した先輩はその後自殺。問題の映像にも彼の顔らしきものが現れるようになった。それ以降その映像に顔が映り込んだ人は不幸に見舞われるという噂が広まる。今回もその映像には新たに見知らぬ顔が数体映り込んでいるというが…。


 今回もまさかの菊池登場。一応滝修行などしているようです(笑) しかし彼、ミテクレは悪くないのに変なヨレヨレの黄色いTシャツなんて着てます(笑) やはりああいう業界で毎日徹夜作業に追われると、ファッションには無頓着になってしまう、とでも言うのだろうか?

 ちなみにロールシャッハ(テスト)とは、インクの染みを見せて「何に見えるか?」と訊ねる、あの心理テストらしいです。

 問題の映像はいまいちよく分からなければ、怖くもないのですが…後々生きてくるので覚えておいた方がよいです(また?笑)


【シリーズ監視カメラ 窓の外】<ゾクゾク度:B>
 「ロールシャッハ」の件について自社で打ち合わせ中のスタッフ。すると井ノ上が「(3階のはずの)廊下の窓の外に女の声を聞いた」と言いながら現れる。実は川居も最近スタッフルーム周辺でラップ音を聞いているという。問題の窓周辺を監視カメラで撮影すると、ラップ音とともに窓の外に人の手が!!
 後日、スタッフルームの入ったビルの隣のカレー屋で働くバングラディッシュ人男性から、問題の窓の真下に当たるビルとビルの間の隙間で発光する女性を見たという証言を得たスタッフ。その場所を探索すると溶けかかった古い型のデジカメを発見する。


 映像そのものは窓の外に手が見えるというだけのもの。しかしエピソードが前エピソードから継続しているのが気になります。悪い予感が…。

 面白いのはいきなり登場したバングラディッシュ人男性。実は私も大学時代にバングラディッシュ人の留学生と知り合いましたが、常に自宅アパートで“ベンガルカレー”なるカレーを作っていたっけ。「インド人じゃないです」とわざわざお断りするのがワザとらしいというか、日本人好みの鉄板ジョークというか…。

 このエピソードも後々生きてくるので覚えておいた方がよいです(笑)


【悪戯電話】<ゾクゾク度:B>
 女性の呟きのような悪戯電話に悩まされる女性投稿者。同棲中の恋人に話しても信じてもらえないため、証拠映像を撮影することに。すると悪戯電話の音声の中から、たまたま鳴った自分の携帯電話の着メロが聞こえることに気づき、恐怖した女性は自宅マンションを出て行くが、録画中の映像に不可解な女の姿が…。
 その日以降悪戯電話は無くなるが、同棲中の恋人・松本の様子がおかしくなり始めて…。


 スタッフが松本を取材しに行くのですが松本が逆ギレ(ちょっと演技臭い・笑)。しかもスタッフだけでなく「ほん呪」視聴者をも批判するというトホホ展開に(笑) たしかに彼が言うとおり、彼を見て笑ってやろうと待ち構えていましたけどね、私(笑)

 問題の女の姿はあまり怖くはないのですが…もう分かりますよね?これも後々生きてくるので覚えておいた方がよいです(笑)


【タイムラプス】<ゾクゾク度:B>
一眼レフカメラを使い、夜空のコマ撮り動画を撮影した投稿者。すると3時間分撮影した映像の中に、不可解な女の姿が…。
 投稿者はこの後、交通事故に遭い骨折してしまったという。


 ようやく独立したエピソードか…と思いきや…(以下省略)。


【誰がいなくなった?】<ゾクゾク度:A>
 「悪戯電話」に登場した、投稿者の恋人男性・松本。彼の様子の変化について取材を継続していたところ、彼がかつてバイト仲間と廃墟になった牧場(牛舎)を探索していたことが判明した。交通事故で生死の境をさ迷って以来、霊感体質になった松本は、廃墟探索中に一瞬消えてしまい、再び現れた時には旧型のデジカメを持った状態で気が狂っていた。
 その後車に戻った一同であったが、なぜか松本から、まるで異世界からと思しきメールが、それも未来の発信時刻で何通も投稿者あてに届いていたことに気づく。
 一方、菊池は「ロールシャッハ」の投稿映像を撮影した関係者を探し出すことに成功。どうやら「ロールシャッハ」と「誰がいなくなった?」が撮影された廃墟は同じ場所のようだ。
 スタッフは投稿者案内のもと現地に取材に赴き、地元住人からその牧場経営者の一人娘が、かつて別れた恋人に電話しながら焼身自殺し、さらにその様子をビデオ撮影していたという事実を知る。


 情報量多過ぎ!!複雑過ぎて何度か繰り返し見ないとちゃんと理解出来ません。「ほん呪」は小説なら短編集のように、どのエピソードから手を出しても簡単に楽しめるコンテンツであるべきです。

 ウケたのは取材先で登場する“タバコオヤジ”。笑えます。最初はちょっと攻撃的な口振りで詰め寄ってきますが、菊池らにタバコをたかり、タバコを貰うとご機嫌になって何でも教えてくれるという(笑)

 彼から紹介された人物と菊池との電話取材のやり取りも笑えました。

「私、呪いのビデオ製作委員会の菊池と申しますが…」
「は?!呪い?」

普通誰でも怪しむって(笑)

 問題の映像に映る女はビジュアルが結構怖いです。投稿者は「松本が消えた」と話していましたが、松本が撮影していた映像を見ると投稿者たちが消えているというのが面白いです。

 それにしても“牧場”“牛舎”と聞くと「新耳袋」の「山の牧場」を連想しますよ。まぁ別物でしょうが。


【飛ぶカメラ】<ゾクゾク度:S'>
 自宅アパートの一室で仲間とたこ焼きパーティー中の若い女性投稿者。すると突然ビデオカメラが勝手に弾き飛び、転がった先にあるハンガーラックの下を映す。そこには横たわった女の青白い顔が…!!


 3人でたこ焼き作って食ってるだけなのに、なぜ“パーティー”と見栄を張るのか?(笑)

 問題の顔は結構インパクト強くて怖いですね。割と美形だったりして(笑)


【悪人】<ゾクゾク度:A>
 「悪戯電話」「誰がいなくなった?」の松本はかつて交通事故に遭い親兄弟を亡くしていた。その松本が失踪したという連絡を受けたスタッフが手掛かりを探すと、彼が2○ゃんねるの個人情報流出事件を利用して収集した、7人分の個人情報のプリントアウトを発見。その7人は松本が見舞われた交通事故について、松本側に批判的な書き込みをしていた。しかもそのうち3人は、何と「銅像」「タイムラプス」「飛ぶカメラ」それぞれの投稿者。現在彼らは全員不幸に見舞われていた。
 後日、スタッフルームの郵便受けに松本と思しき男から一通の手紙とメモリースティックが投函される。すぐにスタッフ総出で周辺を捜索するが、タッチの差で地下鉄に乗って去られてしまう。
 松本が届けたメモリースティックは、以前拾った溶けかかったデジカメにセットされていたもののようで、そこにはある女性が焼身自殺する一部始終が収められていた。それは例の牧場の娘なのだろうか…?


 今回の「55」は、劇場公開を意識したためか1作品を通してひとつのストーリーだったんですね。それぞれの収録エピソードが何らかの形で全てリンクしているという。新しい実験的試みではありますが、とにかく理解するのが面倒臭い(笑) このブログを書こうにも2~3回見る必要がありました。一部推測も含めまとめると

■ある牧場経営者の娘が失恋を苦に、その様子を撮影しつつ焼身自殺。その後相手の男も女の呪いにより死亡。
■廃墟と化したその牧場を撮影した映画研究会の学生が、女の呪いにより自殺。呪いは映像を通じて続く。
■松本がバイト仲間と廃墟探索。そこで焼死した女の霊と遭遇。焼身自殺の様子を収めたデジカメを手に入れるとともに女に乗り移られる。
■女の霊が松本の恋人である「悪戯電話」の投稿者に悪戯電話し始める。伝えた音声は自殺時の様子。
■松本が個人的に恨んでいた7人の個人情報を入手。女の霊的な力を利用して天罰を与える。
■松本がほん呪スタッフルームを訪問し、デジカメを窓から捨てる。
■デジカメに宿った女の怨念によりスタッフルームに怪現象が起きる。
■松本がデジカメのメモリースティックを届ける。


…多少順番が前後するかも知れませんが、おおよそこんな感じでしょうか?

 笑ったのは、お約束の井ノ上が岩澤に怒られるシーン。井ノ上が松本からの手紙をスタッフルームに持ち込むのですが、しばらく話した後に「松本らしき人物と入り口ですれ違った」ことを告白。岩澤が「何で先に言わないんだよ!!」と激怒。そこからスタッフ総出で浅草を走り回り大捜索するのですが、結果は惜しくも取り逃がしてしまう。すると岩澤、井ノ上に言い過ぎたと反省したのか「井ノ上、腹減ってない?メシ食う?」と優しく気遣うという(笑)

 問題の映像はなかなか生々しかったです。“見ると霊障があるかも”扱いだし(笑) でもこれに似た事件が1989年頃、実際にワイドショーを賑わせたことを、どれだけの人が覚えているでしょう?残されていたのは映像ではありませんが、焼身自殺したオバサンがダンナに当てつける目的で自殺の様子をカセットテープに録音していたという。「あつい~」というオバサンの声が今でも忘れられません。


 ということで「ほん呪55」、もはや気楽に楽しめるコンテンツではありませんね。とても疲れました(笑) 来年は初心に返ってシンプルな単発エピソードを心がけて欲しいものです。


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好きなバンドが活動し続けてくれることの幸せ

2013-12-07 Sat 11:38
 先日東京ドームにBON JOVI公演を観に行った時のことです。同行した友人が…まぁ毎度のことなのですが(笑)、

「セットリストがアメリカ公演よりも少ない!」
「セットリストが大阪公演よりも少ない!」
「あの名曲を演っていない!」
「こんな曲を演るくらいなら、あの曲もこの曲も演って欲しかった!」


公演後に立ち寄った居酒屋でビールを飲みながら、翌日やり取りしたメールの中で、不満を呟き続けました。

 確かにネットで収集した情報によると、今回の日本公演よりも今年前半に行われたアメリカ公演のセットリストの方が軒並み3~6曲多いのは事実。まぁアメリカは彼らの母国だから仕方ないとしても、同じチケット代を払っているのに大阪よりも少ないことが納得出来ないようです。

 また、セットリストが近年ほぼ固定されてしまい、彼が愛する初期の名曲の数々がほとんど披露されないことにも不満なのでしょう。

 まぁ、感じ方は人それぞれですが、私は逆に何の不満も感じないんですよね。強いて言えば会場がドームゆえ音響の質が悪いことくらいでしょうか。まぁ言うだけ無駄ですが(笑)

 私なりに考えると、まず「曲が少ない」と言いますが、BON JOVIの公演そのものは毎回2時間半(今回は2時間20分)くらい楽しめます。1回の公演で2時間半も楽しませてくれるバンドって良心的ですよね?しかもメンバー全員50歳以上のバンドですよ?!(笑)

 ちなみに私が過去に観た公演ではPrince、Motley Crue、Buckcherryなど70分くらいで終わってしまった公演もありました。それらと比較すれば「たくさん演ってくれてありがとう」以外の言葉は見つからないのです。

 また、今回はたまたま大阪の方が1曲多かったようですが…たまにはいいじゃないですか(笑) 同じ日本、常に東京が優遇されなければならない理由はないし、たまには大阪のファンにオトク感を味わわせてあげてもバチは当たりませんよね。バンドによっては東京でしか観られないケースも腐るほどあるのだし。

 「初期の名曲が少ない」にもそれなりの事情はあると思います。前にも書きましたが、活動期間30年のBON JOVIのファン層は、恐らく上は50代から下は10代までの男女と極めて幅が広い。初めて聴いたアルバムもそれぞれなら、BON JOVIへの思いもBON JOVIの音楽への接し方、楽しみ方もそれぞれなのだと思います。そんな幅広い層のファン全員を満足させられ、2時間半以内に収まるセットリストはどこにも存在しないでしょう。

 確かに私も「夜明けのランナウェイ(BON JOVI)」から「ニュー・ジャージー(NEW JERSEY)」辺りまでが特に好きです。でも中には「めざましテレビ」で紹介された「ハヴ・ア・ナイス・デイ(HAVE A NICE DAY)」のPVを見てファンになった若者もたくさんいます。中山きんにくんの影響で「イッツ・マイ・ライフ(IT'S MY LIFE)」ばかり聴いている人もいるかも知れません。彼らにとっては

「え?『She Don't Know Me』?何それ?そんな曲あったっけ?ってか、そもそも文法間違ってなくね?」

でも仕方ありません。

 分かりやすく例えるなら、東京ドームにAKBのライブを観に行ったとして(笑)デビュー当時からの熱心なファンは初期の劇場公演の(一般的にはマイナーな)曲を望み、当時を思い出しながら個々の思いに耽りたい。しかし新しめのファンは

「マイナーな知らない曲ばかりじゃん!それよりもヒットしたシングル曲だけ聴きたい」

と不満を覚える。したがって両者とも満足させるためには妥協点を設けなければなりません。それと同じことですね。


 でも私、今回改めて思いました。ROLLING STONESしかり、PAUL McCARTNEYしかり、たまたま好きになったアーティストが何十年も活動を続けてくれて、定期的にニューアルバムが聴けて、来日してくれて公演を観に行ける…好きなアーティストを応援することで同じ時代をともに歩める…これはとても幸せなことですよ。なぜなら私の好きなアーティストの中には、その存在を知った時点で解散していたり、メンバーの誰かが亡くなっていたりして、昔も今もただの一度たりともライブを体験出来ないケースが少なくないのですから。特にMott The HoopleとDavid Bowie(1970年代初頭のMick Ronsonがギター担当だった時代)とかね。

 それに比べたら、2~3年おきにニューアルバムと2時間半の来日公演を楽しめるなんて、何と幸せなことでしょう?!

 モノは考えようです(笑)


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恐怖・呪い面~実話都市伝説

2013-12-06 Fri 19:32
山敏


 1泊2日の旅行中に読む文庫本をブックオフで物色していて発見しました。山口敏太郎著「恐怖・呪い面~実話都市伝説」(TO文庫)。見た目結構キレイなのに105円でした(笑)


 私が抱く山口敏太郎氏の印象は“地味だけど真面目なオカルト・妖怪研究家”でしょうか?今の時代、オカルト研究家という肩書の方が存在したとしても、テレビで活躍するためには、まず間違いなく専門知識そっちのけで面白いキャラ設定や、気の利いたウケるコメントが言えるかどうか?といったことが重要視されることと思います。彼はそんなこととは(多分)無縁で、心霊や妖怪を茶化すようなことも(多分)しない。出演メディア(番組)は99%真面目な心霊系企画…つまり世の中にたくさんいるインチキ霊能者や捏造心霊体験テラーとは違う、昔の故新倉イワオ氏に近いニオイがするんですよね。そんなところに好感を持ちます。

 その理由は恐らく…本書の中にもチラチラ出てきますが、彼は子供の頃から妖怪や不思議な現象が大好きで、そのカテゴリーではクラスメートからも一目置かれていたようです。つまり大人になって“趣味・生き甲斐を仕事にした”人。だから現在も自分の研究対象物には人一倍強い愛着を持っているのかも知れません。

 私も心霊・超常現象は幼少期から大好きだし、子供の頃(今でも?)はプロレスマニアだったし(著者もかなりのマニアだったとか・笑)…山口氏には親近感を覚えます。ある意味憧れの存在です。


 さて、本書は…というかその前に…実は私、著者本人には割と好感を持っているのですが、彼のこれまでの著書についてはそうでもありません。内容が真面目過ぎるというか、ちょっと古典的、レトロな感じなんですよ。まぁ簡単に言うとあまり面白くないという(言っちゃった~・笑) 本書についても内容にはほとんど期待せず、(どうせ105円なんだし、つまらなかったらホテルのごみ箱に捨てればいいや)くらいの気持ちで読み始めました。

 ところが私は、まず「まえがき」を読んで驚きます。なぜなら著者が初っ端から

「ここ数年あまりにも安易な創作による怪談本が多すぎる」
「“実話怪談”と銘打っておきながら、見え見えの創作怪談を披露する書籍の何と多いことか」
「本書は全てガチンコの怪談を書き綴った作業結果の産物」

などと挑戦的文句を並べているからです。そしてこれらは私の不満そのものでもあります。私レベルになればそれが作り話かガチ話かなんて、ほとんど見分けがつきますから(言い切った~・笑)。

 さらに本文中で彼は、某テレビ番組で自身のコレクション品である“呪いの面”を紹介した時のことにも触れています。当時番組中でナレーションが「これを海外で手に入れた」「見た人は全員死ぬ」などと言っていたのはテレビ特有の演出だ、事実ではない、みたいなことも断言。こういうことを言えるのは凄いことです。

 肝心の収録エピソードは、著者が幼少時代から現在までに体験した不思議体験が時間軸に沿って短編形式で綴られています。

「一日中、日の当たらない部屋で私は、勉強もせずプロレス本とコミックを読み漁る毎日であった」
「プロレス雑誌を読み終え、自分なりに村松友視ばりのプロレス論を考察しながら…」

など、「これ要る?」的著者のプロレスマニアアピールに苦笑しつつ読み進めます。

 書かれたお話は予想以上に面白い、というか怖いですよ。へぇ、著者はこんなにたくさんの恐怖・不思議体験を持っていたんだ、(血眼になって情報収集しているわけではありませんが、)初めて知ったよ、というものがほとんど。ならばもっとテレビで紹介していてもよいのに…怪しい(笑)

 まぁ、中にはこじつけ的なものも多々ありますが(笑)著者も書いているように記憶違い、記憶の底に眠っていたものがたまたま夢に現れただけ、なものもあるのかも知れません。でも赤い服の女の霊に付き纏われる話、20年以上前に千葉県内で起きた未成年少年による一家惨殺事件に纏わる話、知り合いの変人ミュージシャンに纏わる話などは特に面白かったです。

 全体的に心霊、伝説、意味不明、狂人、超常怪奇物、ペット愛など幅広いジャンルの不思議エピソードが楽しめました。これで105円なら確実にお得ですね。


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音楽ファンとして自慢したいこと

2013-12-05 Thu 21:10
photo


 12月4日にBON JOVIの東京ドーム公演を観てきました。

 今回の公演については早くからリッチー・サンボラ(G)が離脱してしまったり、当日もジョン・ボン・ジョヴィ(Vo)が体調不良らしかったりと懸念材料が少なくありませんでした。

 しかし蓋を開ければ(ベストな状態ではなかったかも知れませんが)大盛り上がりの大満足。最高の喜びを感じられるライブだったと思います。その場の情報のみ分析して評論家のように評価するのではなく、過去の思い出やバンドのサイドストーリーなども併せて思いを馳せたり、自分なりに独自に評価したりするのがファンという生き物だと信じてますから(笑)

 気にしていたリッチーの代役・フィルXは私的にはさほど違和感を覚えませんでしたね。ジョンのヴォーカルも体調不良が原因なのか、年齢によるものなのか分かりませんし(笑)特に気にはなりませんでした。そもそも音響はドームクオリティだし(笑)

 セットリストは前日の大阪ドーム公演とほぼ一緒だったようです。私は「CRUSH」以降全てのBON JOVI公演を観ていますが、最近はセットリストもほとんど固定。個人的には昔の曲をもっと聴きたいものですが、今や彼らのファンは男女ともどもほぼ全世代に亘っています。まぁコレが平均的な妥協点なのでしょう。


 ところで私は今回、BON JOVIの公演…というかコンサートを観ることそのものが約3年ぶりでした。そしてそこである種のカルチャーショックに見舞われたのです。それは…


堂々と画像・動画を撮影する輩がいっぱい!!


数年前までは考えられない光景です。

 確かに現代社会はスマホを始め誰でも電子撮影機器を携帯する時代です。(BON JOVI公演がどうだったのか分かりませんが)アーティストによっては条件付きで撮影を許可しているケースも珍しくないようです。

 アーティスト側もファンが撮影した画像や動画をSNSや動画サイトにアップすることで宣伝効果が期待出来るし、キッチリ規制するためには警備スタッフを増員、つまり余計にコストを割かなければならず、考え方を変化させたのかも知れません。

 でも、ドームの遠く離れたステージを撮影した素人のセコいボケボケ画像や動画をYouTubeやFacebookにアップしたところで、それを本気で有難がる人、本気で“いいね!”と思う人ってどのくらいいるのでしょう?それならちょっと我慢して後日「BURRN!」に掲載されるであろうプロが撮影した最高の写真を楽しむ方がよい、私はそう思います。

 結局のところ、ライブの最中ずっと撮影に忙しく自分の目や耳でBON JOVIを楽しめなかった人の興味って、

「今、俺は東京ドームでBON JOVIのライブを楽しんでいるんだぜ!羨ましいだろう!!」

と自慢することなんでしょうね。

 しかしこういった行為って、ホントに自慢したことになるのでしょうか?24時間BON JOVIのことしか考えられないというマニア以外、誰がそんな情報を有難がるのでしょうか?

 今回、少し早めに会場に到着した私と友人は、お互いのBON JOVIへの熱い思いを語り聞かせ合いました。

・いつ、どのようなキッカケでBON JOVIを知ったのか?
・その時受けた衝撃は?
・自分の青春時代にBON JOVIの音楽とどのように関わったか?
・BON JOVI一番のお気に入りアルバムとその理由は?
・ベスト・オブ・ベストな1曲は?
・今、どれだけBON JOVIが好きか?

…はっきり言ってこんな話が出来る相手は限られています。そしてそれ以外の人には極めて退屈でどうでもいい話です。でも私たちはお互い相手に自分の話がしたい。熱い気持ちを伝えたい。いや、自分だけの思い出をメチャクチャ自慢したくて堪らないんですよ。そう、本当の音楽ファンが自慢したいのって、そういう形にならない思い出、気持ちなのではないか、と思った次第です。同じ自慢でも「今、ライブ観てます」「こんなレアなアイテムを入手しました」みたいな自慢とはもともと性質が別物なのでしょうね。

 まぁ考え方は人それぞれ。どうでもいいんですけど(笑)

 それよりも最近はすっかり音楽鑑賞やライブ観賞とはご無沙汰でしたが、これを機に好きなバンドのライブをもう少し積極的に楽しんでみるのもよいかな?と思いますね。


2013.12.4(Wed)
BON JOVI
“BECAUSEWECAN THE TOUR”
東京・東京ドーム

SET LIST
01 That's What The Water Made Me
02 You Give Love A Bad Name
03 Raise Your Hands
04 Lost Highway
05 Whole Lot Of Leavin'
06 It's My Life
07 Because We Can
08 What About Now
09 We Got It Goin' On
10 Keep The Faith
11 (You Want To)Make A Memory
12 Captain Crash & the Beauty Queen From Mars
13 Born To Be My Baby
14 We Weren't Born To Follow
15 Who Says You Can't Go Home
16 I'll Sleep When I'm Dead
※途中、ROLLING STONES、AC/DCなどカバー4曲挟む
17 Bad Medicine
~encore~
18 In These Arms
19 Have A Nice Day
20 Wanted Dead Or Alive
21 Livin' On A Prayer



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BON JOVI 2013.12.4 東京ドーム公演 セットリスト

2013-12-04 Wed 23:59
bj


 BON JOVIの東京ドーム公演“BECAUSEWECAN THE TOUR”に参戦(←メタルオタク的物言い?・笑)してきました。実に3年ぶりの生BON JOVIです。

 公演終了から僅か数時間。今なお醒めぬこの熱い思いをここでご紹介したいのですが、そのためには今の私は酔い過ぎています(笑) 詳細については後日改めて書かせていただくことにして、取り急ぎ忘れないうちに東京公演(12月4日)のセットリストのみご紹介しておきます。


2013.12.4(Wed)
BON JOVI
“BECAUSEWECAN THE TOUR”
東京・東京ドーム

SET LIST
01 That's What The Water Made Me
02 You Give Love A Bad Name
03 Raise Your Hands
04 Lost Highway
05 Whole Lot Of Leavin'
06 It's My Life
07 Because We Can
08 What About Now
09 We Got It Goin' On
10 Keep The Faith
11 (You Want To)Make A Memory
12 Captain Crash & the Beauty Queen From Mars
13 Born To Be My Baby
14 We Weren't Born To Follow
15 Who Says You Can't Go Home
16 I'll Sleep When I'm Dead
※途中、ROLLING STONES、AC/DCなどカバー4曲挟む
17 Bad Medicine
~encore~
18 In These Arms
19 Have A Nice Day
20 Wanted Dead Or Alive
21 Livin' On A Prayer


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ある冬の朝、日本一美しい富士山が見られる場所より

2013-12-03 Tue 22:00
 沼津アルプス縦走(失敗)翌日、私は朝一番に宿泊していたホテルをチェックアウト。伊豆箱根鉄道に乗って終点・修善寺へと向かいました。この春に続き、もう一度だるま山高原レストハウス裏手から「日本一美しい富士山」を眺めるためです。


 5月のゴールデンウィークに訪れた時は春の暖かな気候が嫌がらせ悪戯して、青い水墨画のような富士山だったんですよね(これはこれで趣があってよかったですが)。それに加え富士山の上部にずっと雲がかかってしまっていたという…。ならば空気が澄んだ冬の早朝に再度訪れるしかない、とずっと考えていました。今回それが実現。バスも修善寺を一番早く発つ便に乗って向かいました。東京からだと始発で来ても乗れないバスです。

 伊豆箱根鉄道と東海バス、それぞれの中から眺める富士山は、期待通り周囲に雲ひとつなくくっきり見えました。

 朝8時過ぎ、まだ寒い達磨山高原レストハウスに到着。私の他にはツーリング中に立ち寄ったバイカーが2人だけいました。期待に胸を膨らませ、展望台に向かうと…はぁ…カンペキ…


【AM 8:02】
0802

 これがこの1年、ずっと見たかった“画(え)”です。朝早いので海の上や地上付近がガスっていますね。富士山周囲にはやはり雲ひとつありません。

 ちなみに今回は新しいデジカメのパノラマモードで撮影しました(一応右手は葛城山まででトリミングしてあります)。前回来た時に使っていた古いデジカメでは、右手は淡島まで入るか入らないか、スマホを使って何とか淡島まで入る、といった状況でしたから嬉しいです。

 さらに現在のデジカメなら通常モードでも淡島までは余裕で収まります。やはり大切な思い出は極力新しい機材で、という考え方も一理ありそうです。


【AM 9:00】
0900

 空が鮮やかな青に変わるとともに、ガスが一段と濃くなってきました。9時を過ぎた辺りから観光客がひっきりなしに訪れるようになりましたが、時に濃いガスは淡島を覆い隠してしまいます。富士山はセーフなので観光客たちは誰もが満足しているように見えましたが、私だったらガッカリ。絶対に不満ブーブーでした(笑) いやぁ、ホントこっちに泊まってよかったです。


【AM 10:00】
1000

 気温が上昇し、ガスはほとんど晴れました。今回はこの画像が私的No.1かな?私にとってこの1枚は今年見た富士山の中で最もお気に入りの1枚になりそうです。


【miniature】
0950

 ちょっとふざけてデジカメのミニチュアモードを使ってみました。色調がややポップ寄りですが、あまり効果はなかったです(笑)


【Numadu alps】
0949

 前日歩いた沼津アルプス…香貫山・徳倉山・鷲頭山(・大平山)がはっきり見えます。こうやって眺めているとつい“な~んだ、大したことないじゃないか”と見下してしまいますね。こっちの方が標高が高いだけに(笑)


 ということで念願が叶った素晴らしい一日でした。実はこの後、 5月の時と同じように金冠山と達磨山にも登り、360度のパノラマ風景をカメラに収めるつもりでしたが、前日の疲労と筋肉痛が激し過ぎでギブ・アップ。10分歩いた時点で諦めました(笑)

 何だかブログだけ読むとギブ・アップだらけの2日間ですが、これでまた登山に対するモチベーションが上がりました。来年もどんどん未体験の山々にチャレンジしたいと思います。


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沼津アルプス縦走…そして失敗

2013-12-02 Mon 21:17
photo_map
(「フジヤマNAVI」より画像拝借)


 週末に約7ヶ月ぶりの山歩きに行ってきました(これでは登山を趣味とは呼べないような…笑)

 今回歩いたのは、静岡県・伊豆地方にある通称「沼津アルプス」と呼ばれる山々の縦走コース。一般的なのはJR沼津駅からバスで黒瀬バス停、そこから香貫山~(横山~)徳倉山~(志下山~小鷲頭山~)鷲頭山~大平山の各山頂を経由し、下山するというルート。全9.5㎞・6時間の行程です。

 今思うと私は、最も高い鷲頭山でも標高400m未満なので完全に舐めていました。ところが…全行程の半分以上が予想を超える急勾配(体感的に)!!体調は悪くなかったし、前半はそんなキツさをも楽しみながら歩けたのに、途中から脚が言うことを聞かなくなってしまいました。結局大平山手前で泣く泣くギブ・アップ。多比口峠から多比バス停へと下山したのでした。

 次回再チャレンジ、そして成功するその日まで己への戒めとして記録を残したいと思います。


【自宅~黒瀬バス停】
 自宅最寄り駅始発電車に乗り出発、JR東海道線で沼津へ。黒須バス停は沼津駅から約1.5㎞。歩けない距離ではありませんが時間と体力を温存するつもりでバスに乗車。


1


早朝は風もあり寒かったです。富士山が綺麗でした。

 「先日は(北アルプス・立山で)雪崩もあったし、気をつけて」という友人の言葉を胸に(笑)沼津アルプス縦走、いよいよスタートです。


【香貫山登山口~香貫山山頂】
 今回は購入後初めて使用するBLACK DIAMONDのトレッキングポールと、滑り止め付きグローブを準備しました。朝の散歩中と思しき地元オイチャンから「沼津アルプス?初めて?結構キツいよ!!」とアドバイス(?)を受け、いよいよスタート。


2


 慰霊塔と富士山の2ショット。


3
4


ハイキングコースのような歩きやすい道をゆっくり登り、50分ほどで山頂到着。これから歩く山々と駿河湾が眩しい。途中2箇所水飲み場があり、美味しい水が飲めました。


【香貫山山頂~徳倉山山頂】
 香貫山山頂から少し下ると、舗装された道路に出ました。この辺り、公園や散策路など色々あるようです。しかし困ったことに次の徳倉山方面を示す標柱がない。仕方なく地図やガイドブックの文書を頼りに、こっちかな?という方向へ(確か八重口ナントカ?)。20分ほど貴重な時間をロスしてしまいました。

 ところがこの道、完全に下山道。あれれ?今まで稼いだ標高が一気にパーじゃん!!こっちでいいのか?…標柱もなく焦る私。しかしガイド文章通りゴルフ練習場と水道施設が出てきて少し安心。


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結局一度普通のバス通りに出てしまい、改めて八重坂峠(登山口)から再入山しました。縦走コース全てが尾根で繋がっているわけじゃないんだ…。


6


 横山山頂へはいきなりの、そして予想以上に長く続く急登。私にはさほど難しい登山の経験はありませんが、これまでの経験の中でもかなりキツい山道です。トレッキングポールが邪魔な箇所もありましたが、これが無ければ脚への負担がもの凄かったでしょうね。ロープを掴むための滑り止め付きグローブも用意して正解でした。山の名称からずっと京都出身の某AKBメンバーのことが頭から離れなかったのは内緒です(笑)

 展望もないのでそのまま次の徳倉山へ。少し緩やかな下り道を歩けて油断していたら、またかなりの急登、“象の鼻”が目前に。これを登り切った“象の頭”が徳倉山山頂です。


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香貫山山頂から約2時間。今のところ順調…かな?


【徳倉山山頂~鷲頭山山頂】
 徳倉山山頂であんぱん1個を強引に胃袋に流し込んだ私は、早速次の鷲頭山へ。いきなり急な下り道が…結局この縦走コースはどちら側から歩いても大差ないのでしょうね。

 しかしいつもと違い下りなのにスピードが出ない。時間を稼げない。というか上りと同じくらいのスピードしか出ない…いや、下りの方が脚がキツい。日頃の運動不足が祟ったのか一気にペースダウンしてしまいました。


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 志下坂峠から眺める駿河湾はキラキラ輝いて綺麗でしたが、次の鷲頭山がまだあんなに遠くに。それに高い(笑)

 まずは頑張って小鷲頭山山頂を目指します。


9


中将岩、凄い迫力。そしてこの直後、山頂手前の急登が私的に最もキツかったです。ずっとロープが張られた急登が続くのですが、象の鼻が整備された階段状だったのに対し、こちらはナチュラルな急登。足の置き場を考えながらつま先だけで踏みしめるような箇所も少なくありませんでした。


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 何とか辿り着いた小鷲頭山。鷲頭山までは一体どんな道なのだろう?ガイドブックで確認。「…小鷲頭山から、もうひと踏ん張りで鷲頭山だ!」…とにかく“踏ん張る”しかなさそう(笑)


11


 その鷲頭山山頂へは、奥多摩のような急登を歩き到着。既にロープや鎖を使わずに歩ける道=イージーという感覚に陥っています(笑) 鷲頭山山頂に到着した頃には徳倉山山頂から2時間半、登山開始から既に6時間近く経っていました。メチャクチャ遅れ気味です。


【鷲頭山山頂~多比口峠】
 この縦走コースを歩くハイカーの中では、私は早く歩き始めた方だと思うのですが、後から来たハイカーに追い抜かれまくり、この頃には恐らく私がラスイチ。寂しい…。

 脚は徐々に辛くなります。まとまった休憩を取っていないのにペースもどんどん落ちるから、そろそろ日没のことも考えないと…。最悪エスケープもありそうです。

 鷲頭山山頂からの下りはまた急で…しかも陽が十分に届かないのか、湿っており非常に危険。でも脚の踏ん張りが思うように効かない。多比峠を越えてからは急勾配な道はなくなりましたが、大きな岩の上を歩く(越える)ような箇所が多く、ペースは上がりません。


12


この間のほぼ唯一の展望。富士山が浮いているようです。素晴らしい。

 そしてようやく多比口峠に到着。


13


時刻は14時45分…ゲ~ッ!鷲頭山山頂から1時間も経ってる!!標準タイムは30分くらいのはずなのに。ここから大平山山頂との往復は40分…といっても今の私の脚では1時間はかかりそう。そこからさらに下山したら…もう陽が落ちて暗くなるんじゃないの?!今回は残念ながらここでエスケープすることにしました。

 実際、多比バス停への下り道も結構急でして、歩くだけで脚に痛みが走りました。お陰で当記事執筆中の現在も近年稀に見る筋肉痛に苦しんでいます(笑)


【総括】
 今回は道具や水などの準備は完璧でしたが、日頃の運動不足による体力と筋力の低下を甘く見てしまい、目的(縦走)を達成出来ませんでした。次回は事前に体力づくりに励み、念のためもう少し陽が長い時期に改めて再チャレンジしたいものです。

 でも沼津アルプス…キツかったですが展望もよいし、素晴らしいコースでした。東京からも近いですしね。何だか今後は丹沢・奥多摩クラスの山々を楽勝ムードで歩けそうな気がします(笑)


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AKBは社会の縮図?

2013-12-01 Sun 00:00
 最近ある2つのテレビ番組を見たことから、少々考えさせられてしまいました。

 ひとつめは、ゴールデンタイムに放送された某バラエティ番組。人気毒舌芸人が数組の売れないタレントとそのマネージャーを迎え、今後どう売り出すべきか相談に乗ってあげるという趣旨の企画です。

 相談を受けるタレントの中には現役AKBメンバーの姿もありました。確かにAKBもあれだけの大所帯ですから、人気メンバーの陰に埋もれた子、仕事に恵まれない子がいても不思議ではありません。

 ところがそのAKBメンバー・Sと毒舌芸人の遣り取りを見た私は、バラエティ番組にもかかわらず大変不快な気持ちになってしまいました。

 まず、付き添いの劇場支配人が「最近、女子プロレス団体からSに選手としてのオファーがあった」という事実を公開。確かに私もテレビで見るSのふてぶてしさ(キャラ?)や身体能力の高さ、AKBの中では太目な体型などから、常々“コイツがプロレスラーになったら人気も出るだろうし、プロレス業界も盛り上がるし面白いだろうな”と思っていました。過去にはグラドルとしてはイマイチだったゆずポンの成功事例もありますしね。ところがS本人は全く興味なし。

 ならばSは今後どうしたいのか?というと、AKBの枠を越えて単体でバラエティ番組などに出たいそうです。理由はAKBには可愛い子がたくさんいて自分は埋もれてしまうし、最近運営からも推されない(プッシュしてもらえない)し…などと矢継ぎ早に愚痴ります。それもやや不貞腐れた態度で。ちなみに彼女、他の番組でも結構似た態度の時が多いですかね?

 どこまでが台本・演出なのか分かりませんが、もしこれが全てヤラセなし、素のSだとしたらマズいですね。人気にも仕事にも恵まれなくて当たり前です。

 まず彼女は「AKBには他に可愛い子がたくさんいる」、つまり自分はルックスでは劣ると自覚している、後がない立場のはずなのに仕事を選ぼうとする。自分の商品価値を理解できていない。プロレスだっていいじゃないですか。絶対に時の人になれますよ。それにちょっと考えれば、プロレス業界の中では自分が一番可愛いレスラーとして通用するのでは?と想像出来そうなものですが…。こういう発想をしていかないと仕事って増えませんよね。

 また、ほとんどの視聴者はリラックスして楽しいひと時を過ごすためにバラエティ番組を見るはずです。そこでいくら大人気のAKBとはいえ普通のルックスで、笑顔もなく、何の芸もない子が登場し、不貞腐れた態度・口調で不満をブーブー愚痴られては視聴者は不快です。リラックスしたいのに何で不快にならなきゃイカンのだよ?!って感じですね。番組スタッフだって扱い難く、視聴者を不快な気持ちにさせる人をわざわざ使いたがらないのでは?

 仮にこれが毒舌芸人が言っていたように“AKB村”、すなわちAKB関連スタッフやその熱心なファンの中でのやりとりなら、こういうのもSのキャラ、Sらしさで通るのかも知れません。でも本人は「AKBの枠を越えて単体でバラエティ番組などに出たい」んでしょ?ならばそもそもこのキャラではダメ。少なくともAKBファン以外にも好意を持たれねければなりません。Sは“こうなりたい”と主張する割に、そのために必要なことを分かっていない、いやむしろ逆方向に進んでいるように感じました。番組としては面白かったですけれどね。

 それと、彼女のように不満をハッキリと表に出してしまうことも、一般社会ではキャラなんかにはなり得ず、デメリットでしかありません。やはり通じるのはAKB村の中だけ。これも早く気づくべきですね。


 そしてふたつめは、深夜にたまたま(?)テレビを点けたら放送されていて見入ってしまった、某AKB関連番組。若手メンバー・Oの真面目ぶりをスタッフの証言や検証実験から探るという企画でしたが…これ、ヤバいですね。思わずO推しになってしまいそうですよ(笑)

 Oは番組本番中はもちろん、そうでない時にも常に周囲のスタッフやメンバーを気遣うことで有名らしいです。それを証明する幾つもの感心エピソードが紹介されました。彼女はファンやカメラ(視聴者)の前以外でも、常に分け隔てなく誰にでも優しく気配り出来る、根っからの天使のような子みたいです。

 さらに凄いのが、Oがスタッフとの打ち合わせ中は、絶対に相手から目を逸らさないということ。検証実験ではスタッフが彼女の興味のない話…三国志の武将の話とか、スーパーストロングマシンの話(超ウケました・笑)をO相手に延々話しても、Oは目を逸らすことなく笑顔でずっと聴き続ける。相槌も打つし、理解出来る部分にはちゃんと自分の感想を返すことも忘れない。いやぁ…男からしたらこんな子とデート出来たら楽しいだろうな~…なんてつい妄想してしまうレベルのコミュニケーションスキルですよ。

 このOという子を見て改めて感じたのは、ファンや視聴者のみならず、一緒に仕事をする仲間のウケがよい、仕事仲間から愛されるということはとても重要だということです。人間、誰だって生意気で文句や不満ばかり言う人、相手の話を退屈そうに嫌々聞いたり、相手をバカにしたような態度で聞いたりする人よりも、笑顔で楽しそうに聴いてくれて、普段から優しく気遣ってくれる人のために全力で何かしてあげたい、と思うはず。すなわちSが干され気味で、Oが運営から推され気味なのは、極めて自然なことなのだと思った次第です。

 そしてこれはもちろん、AKBグループのみならず一般社会でも全く同じ。もちろん私も今回初めて気づいたというわけではありませんが、改めて客観的に観察したことで、リアルに実感しました。正直言って若い頃の私もどちらかというとSタイプでしたから(笑)胸が痛みます。いい歳したオッサンが16歳の少女をお手本にするというのもちょっと複雑な心境ですが(笑) 改めて私も周囲から愛される人間になれるよう、日々努力を重ねたいものです。



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