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鬼畜の家

2014-06-01 Sun 00:00
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 たまたま書店で出会って即購入したミステリー小説、深木章子著「鬼畜の家」(講談社文庫)を読了しました。

 もともと猟奇・鬼畜系は嫌いじゃないのと(笑)、帯や巻末の解説で私の好きな作家・島田荘司御大がプッシュしていたことが読むに至ったキッカケです。昔ながらのアナログな宣伝方法ですが効果ありますよね。

 ちなみに著者は、東大法学部卒業の元弁護士という経歴の持ち主。60歳でリタイアした後、作家デビューしたそうです。60オーバーで最高レベルな経歴を持つ女性が“鬼畜”ですよ。何か嬉しかったりして(笑)

 さて、物語は長年に亘りある一家の周囲で起きた不審死…医者である父親の自殺、末娘を養子に出していた叔母夫婦の焼死、長女の転落死、そして母親と長男の“死体なき自動車海中転落事故”…これらは保険金目当てで家族に手をかけてゆく母親の犯行であった。唯一生き残った末娘の口から語られる巧妙な殺人計画、殺人教唆、資産の収奪…信じ難い“鬼畜の家”の実体が次々と明らかとなり、事件の全貌が見えてくるが…。

 まず本作の構成が特徴的。全体の8割ほどが、主人公である探偵・榊原が事情を聴きに行った数名の関係者のセリフのみで一つの節を構成するパターンです。湊かなえの「白雪姫殺人事件」もこんな感じなので新鮮味はありませんでしたが面白いと思います。

 ラストでは私の予想を超えるどんでん返しが連発。細かい部分もよく練られていて面白いと感じました。ちょっとだけしつこいというか、全てが明らかになって以降もやや長くダレました。

 途中、それまで全く登場していない人物が語り始める節があり不思議に思いましたが、後々これが大きな意味を成すというか、物語を盛り上げるためのテクニックだと分かった時は気持ちイイです。

 本作が処女作ということで多少荒削りな部分はありますが、今後も作品を読んでみたいと思える作家さんでした。


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