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《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
批判してよいのは経験者だけ、ということで…

2017-09-22 Fri 18:00
 9月5日放送のドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(TX)で、上司が営業マンを説教するシーンが「パワハラだ!」とネット上で批判されたそうです。

 放送は、ライバル・アサヒビールの独壇場である大阪で奮闘するキリンビールの営業マンを主人公に、アサヒの後塵を拝するキリンが起死回生を狙う奮闘記。その中で先輩が主人公に対し、会議の席で

「2倍売るにはどうするんだ?!」

などと迫ります。その後の飲み会の席でも

「お前、今のまま上に上がられたら、下の子がついてこないでしょ。俺できない、知らない、嫌だ。そんな奴にリーダーやって欲しくない。お前、どれだけやっとんねん。やってないねん。やれや。できるやろ」

という言葉を浴びせると、主人公は無言で目を真っ赤にして涙を流す…そんなちょっと昔の体育会的ノリの手荒い“激励”が、一部の視聴者から「パワハラだ!」と批判されたのだとか。

 私は放送を見ていないので本当は意見を述べられる立場にありませんが(本記事の主旨に反しますがスルーして下さい・苦笑)、最初に思ったのは「パワハラだ!」と批判した人々の中に、このドキュメンタリーの主人公のような、自分で考え自分の責任で進めなければならない難しい、大きな仕事を任された未熟な部下を相手に、愛をもって真剣に向き合い、指導した経験を持つ人が一体どれだけいるのだろう?ということです。

 考え方や価値観は十人十色。どんな意見を持とうが個人の自由です。しかし、それを言葉にしてネットで他者を攻撃(批判)するとなると話は別。最低限、相手(及びその意見を目にする人)を納得させられるだけの理由や根拠を出すべきだと思います。なぜなら上っ面だけ見て安易に評価した意見は稚拙でみっともなく、読むだけ無駄だからです。ですので、それができない人は思いつきで批判しちゃダメですよ。

 例えば

「私も似たような仕事を部下に任せたことがあるが、このようなやり方は失敗ばかりで成功例はない。なぜなら今時の若者は褒めて褒めて褒めまくることで初めて実力を発揮するものだ。したがって主人公の上司のやり方は、私は認めないし、パワハラにしか見えなかった」

なら、正しい意見かどうかはともかく、ひとつの批判意見としてはアリだと思います。

 よく考えれば世の中そういうもの。結婚経験のない人が他人の夫婦生活にダメ出しする。子育て経験のない人が混雑した電車内にベビーカーを持ち込む親を頭ごなしに否定する。介護経験のない人が認知症の妻を介護する夫のやり方に口出しする…どれもおかしな話です。スポーツ経験のないPTAのオバチャンが、たまたまサッカーやラグビーの激しいプレーを見て

「危険だ!子供たちから遠避けよ!!」

と声を上げるのと、この「パワハラだ!」発言はそう大差ないのだろうな、と想像した次第です。

 どんな仕事も大事だし、大変です。営業マンも大変、事務員さんもコンビニ店員さんも大変。しかし本気でお互いの仕事内容やその苦労を理解しようとはしないもの。この主人公のような人を成功に導いた経験のない人は、例えパワハラと感じても言葉にせず心の中に留めておくべきでしょうね。

 ちなみに私はビール業界ではありませんが、同じ営業マンとして厳しいノルマ達成を目指して働いた経験があります。状況は異なりますが悔し涙も嬉し涙も流しました。そんな私はこの記事を読み、当時のほろ苦くも有意義だった日々を思い出します。今、私のために厳しく指導して下さった当時の上司を恨む気持ちは皆無だし、あのような経験ができた私は幸せ者だった。素直にそう思えます。


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