2011-03-24 Thu 00:00
貴志祐介著「ダークゾーン」(祥伝社)を読みました。私的には「新世界より」以来久々に出会ったハイレベルな貴志ワールドでした。 貴志祐介というと「十三番目の人格―ISOLA―」「黒い家」や、松浦あやや主演(悲)で映画化された「青の炎」…(ホラー)サスペンス作家と認識する人が多いと思います。 しかし彼の作品は、その後何度か路線変更(?)していますね。「硝子のハンマー」「狐火の家」のような完全犯罪トリックものを経て、今では彼の最高傑作と言っても過言でない超大作「新世界より」でお分かりの通りSF作家(?)に落ち着いたようです(?) どのジャンルの作品も高品質でレベルの高い満足が得られることは言うまでもありませんが、私はやはり最近板に付きつつあるSF系が吐出して面白いように感じます(「新世界より」のイメージだけで語っていますが・笑)。 さて、今回読んだ「ダークゾーン」もSF…でしょうね。読んでいて私自身が主人公になったようなハラハラ感に満ち溢れる傑作でした。 それに加え「青の炎」で味わったような主人公とヒロインの切ない運命、もの悲しさ…あの要素も盛り込まれており、ファンとしてはかなりの読み応えを感じます。 どんなお話か簡単に説明しますと… 日本将棋連盟奨励会に属するプロ棋士の卵である大学生・塚田が目覚めると、そこは長崎県端島(以下:軍艦島)を模したと思しき異空間“ダークゾーン”の中の廃墟。何が起きているのか分からぬまま、塚田は赤軍の王将(キング)として軍艦島を舞台に青軍とのバトル…リアル版の将棋を強いられることに。 手持ちの駒は人間の面影を残しつつも、容姿は不気味なモンスターと化した友人、知人、そしてかつての恋人…知った顔ばかり。 一覧表↓↓↓
王将(キング)は味方の特徴を最大限に生かした戦略を練り、敵軍の王将(キング)を先に4回倒した方が勝つ…というルールの下、バトルが始まる。果たして塚田たち赤軍は勝利することが出来るのか?そしてダークゾーンから脱出することが出来るのか? …というお話。ご想像通り設定はボードゲーム要素の強いシミュレーションRPGの世界です。 この世界の中で延々とバトルが繰り広げられるのですが、文章を読んでいるだけでも不思議と頭の中で具体的な“バトルの映像”が描写出来ます。ビデオゲームに抵抗の無い世代なら面白く読めてしまうでしょうね。私は実際にこんなゲームで遊んでみたくなってしまいましたよ(笑) ラストのオチは…う~ん…ちょっとなぁ…辻褄が合っていないっぽい部分もあるし…(笑)まぁ今回は大目に見ましょうか(笑) ところで私、この作品の影響で…というわけではありませんが、舞台になった軍艦島には以前から一度行ってみたかったんですよ。 実は先週の長崎旅行で軍艦島上陸クルーズも予約していたのですが、強風波浪注意報が出てしまい残念ながら中止になってしまいました。もともと外海との境に位置する島ゆえ波も荒く、上陸出来るのは年間たったの100日程度なのだそうです。こりゃある意味、運試しですね。 まぁ、軍艦島でバトルを強いられるよりは気楽ですが(笑) --------------------------- 【TODAY'S PIC UP ITEM】
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