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サファイア(ネタバレあり)

2012-07-16 Mon 00:00
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 湊かなえ著「サファイア」(角川春樹事務所)を読みました。以前こんな記事を書きましたが、結局我慢出来ずに初刷を買ってしまいました(笑)

 湊かなえの作品は、私が知る限り中編3本を収録した「往復書簡」以外は全て長編小説。それに対しこの「サファイア」は、初の短編小説です。著者が得意とするテクニック…随所に張り巡らせた伏線が、長いページ数を消化しながらジワジワとクライマックスに向けて紡がれていく…中編ものでもちょっと不満に感じたのに、短編では尚更ヤバいんじゃないの?そう思いました。Amazonのレビューもイマイチでしたし。

 実際に読んでみても…まぁ面白いとは思いますが、やはり不満は残ります(笑) まぁ帯にも印刷されていた通り、新境地開拓目的の実験的試みだったのだと思うことにします。


「真珠」
 ある男性とオバサンの、一見取り留めのない会話。オバサンが生い立ちや若い頃モテたといった自慢話を延々と男性に語り続ける。二人は誰なのか?彼らが置かれた状況は…?

 最後がちょっと意外でしたが…インパクトは弱いですねぇ。オチの説得力もイマイチ。


「ルビー」
 ある出版社に勤める独身女性の田舎の両親・妹と、実家の隣に建った特別養護施設の最上階に住む老人との交流。

 ラストにちょっとしたドンデン返しがありますが…やはり弱いですねぇ(笑) でもほっこりするお話でした。


「ダイヤモンド」
 ある中年男性に命を救われた雀が女性の姿と化し、恩返しに訪ねてきた。彼は結婚紹介所を通して出会った婚約者の情報収集を依頼するが…。
 
 珍しくファンタジーなお話。意外性には欠けますが、ちょっと切ないお話でした。


「猫目石」
 マンションの隣人が飼う猫を助けた家族のひとりひとりが、飼い主女性から自分以外の家族の秘密をこっそり打ち明けられる。自分の家族に限って、と疑いながらも事実を確認しようとするが…。

 これ、最後まで読んでもオチの意味が100%理解出来ませんでした。未だに気持ち悪いです。


「ムーンストーン」
 夫の暴力から娘を守るために夫を殺害してしまった女性。彼女を救うために、弁護士となった中学時代の同級生が現れる。回想される中学時代の二人のエピソード。二人はどんな友達だったのか…?

 個人的に本作品の中では最も好きな作品です。ラストで思わず「えっ?!」となりました。シンプルですが短編という規制の中で、著者の個性を最大限活せていると思います。物語のテーマもしっかりしているし、ブレていない。久々にスッキリとした気持ち良さを感じました。


「サファイア」
 孤立した人生を送ってきた女性が、旅先で出会った男性と恋に落ち、彼と付き合うことで次第に心の殻を破り変わっていく。しかし彼は誕生日プレゼントの指輪を届けに会いに来る途中、事故で死んでしまう。後に彼が詐欺商法紛いのアルバイトをしていたことを知った彼女は、騙された相手に殺されたのではないかと疑うが…。

 あれ?何だか中途半端に終わるな…と思ったら、次の章に続くんですね。


「ガーネット」
 恋人は殺された、と信じたい彼女は、その悲しみと怒りを基に小説を書き、見事作家デビューを果たす。ある時、雑誌の対談相手の美しい女優が、例の詐欺商法の被害者ではないか?と気づくが…。

 人間って強いですねぇ(笑) 逆境を幸せに覆せる気持ち、そんなきっかけを作って与えてあげられる存在…素敵なお話でした。どこかスッキリしませんが(笑)


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