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《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
報道されるいじめ事件と、軽く流されるいじめ事件の違い

2012-07-21 Sat 00:00
 ここ数日、テレビのニュースやワイドショーで最も多くの時間を割いて報道されていることといえば、やはり滋賀県大津市で起きた、中学生虐め自殺関連の話題でしょうね。

 学校や教育委員会への批判や加害者生徒の責任、虐め問題そのものについて…私が月並みの意見を並べてもつまらないので今回はスルーしますが、私の周辺に限って見ても大きな話題になっていることは間違いありません。

 しかしひとつ疑問があります。「虐めによる自殺(もしくは傷害致死)」って、これまで数え切れないほど起きているはずですよね?大きく報道されなかった事件も含めれば、膨大な件数に上るはず。それなのに、なぜ今回の大津の事件はこうも派手に連日騒がれているのでしょうか?学校の対応がまずかったから?教育委員会がアンケートの結果を蔑ろにしたから?もちろんそれもあるでしょうが、私はマスコミの性質を考えれば直ぐに思い当たる、もっと単純な理由があると思っています。それは…

アンケートに書かれた「自殺の練習」というキーワードがあまりにもショッキングでセンセーショナルだったから。

「死んだ蜂を食べさせられた」もなかなかインパクトが強い、“使える”キーワードです。

 これらの言葉を大々的に掲げて番組および紙面を作れば、多くの視聴者(読者)の関心に訴えられる可能性が高い。要するに視聴率が上がる、販売部数が伸びると色めき立ったのでしょうね。

 世の中に数え切れないほど溢れる、“ごく普通の自殺”を幾ら淡々と取り上げても、刺激に麻痺した視聴者は反応しない。でも「自殺の練習」と大きく煽れば、「えっ、なに?!『自殺の練習』だって?!何それ?!一体どういうことなんだ?!」と反応する人は少なくないでしょう。尊い命に差をつけるようで気分悪いですが、所詮そんな理由からだろうと想像します。

 その証拠…と言って良いかどうか分かりませんが、思い出してみて下さい。過去に虐めが原因で死者が出た事件、具体的に幾つ覚えていますか?

 例えば、今回も何度か引き合いに出されている、1986年の“中野富士見中学虐め自殺”や、1993年の“山形マット死事件”。事件マニアを自負する(?)私でも、瞬時に思い出せるのはこの程度です。なぜ今でも覚えているのかといえば、これらの事件も、それぞれ「葬式ごっこ」「生きジゴク」、「マットで簀巻」「逆さまに放置」といった、強烈な“キャッチコピー”を以って報じられたからだと思います。


 私は以前、雑誌や書籍(実用書など)の企画を考える仕事を経験しました。その時分かったことの一つが、編集者は本の内容を重要視しながらも、読者の目に最初に飛び込むであろうタイトルやキャッチコピーにとてもこだわるということ。例えば、ちょっと古いですが流行語大賞にもエントリーされた「草食男子」「歴女」「イクメン」のような、ひと目見たら忘れないほどインパクトが強く、思わず口に出して使いたくなるような言葉。そんなキーワードを欲しがる。これがあるのと無いのとでは、売れ行きも違うと考える人が多かったと記憶しています。テレビもこれに近い考え方なのではないでしょうか?

 まぁ、きっかけはともかく、今回のように大きく報道されることで学校や教育委員会の落ち度が公の下に晒され、今後改善される方向に向かうのなら、また、被害者の親の気持ちが少しでも晴れるのであれば、報道自体は望ましいことなのでしょう。

 でも、その一方で…

連日、視聴者が飽きるまで同じ事件を供給し続けるマスコミ。
もしかしたらこの間にも、他の場所で幾つもの若い命が消えているかも知れない。
しかしそれらが広く国民に知られることはない。
なぜなら
遺書にも生前の本人の言葉にも、刺激的なキャッチコピーが無かったから。

…そんなことが罷り通る世の中にはなって欲しくありませんね。

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