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冬山遭難事故について考える

2013-01-08 Tue 00:00
 昨年末から今年にかけて、日本各地で起きた山岳遭難(死亡)事故を伝えるニュースを頻繁に耳にします。

 そんな悲しくも恐ろしいニュースが話題に上がると、決まって耳にするのがこんな意見。

「冬山の恐ろしさを想像せず、安易な気持ちで登るなんて考えが甘い」
「遭難した場合、捜索には多額の税金が投入される。真面目に納税している、登山とは無縁な我々(視聴者)としては腹立たしい」
「登山者はリスクを覚悟の上、自己責任で登るべきだ(捜索する必要は無い??)」


実は私も、登山に無関心だったほんの数年前までは似たようなことを考え、無駄に苛立っていました(笑) しかし登山を始めて以降、少し意見が変化しましたので、現在の私の意見をここにご紹介したいと思います。


 まず、「冬山登山者は冬山の怖さを知らない(舐めている)」について。実は私の冬山体験は、積雪状態の荒船山(群馬県・初級レベル)一度のみ。なのであまり偉そうなことは言えません。

 そんな私でも冬山、特に標高の高い雪山に対して抱く印象は、ズバリモンスター。銃を持った殺し屋なら同じ人間だし、命乞いすればもしかしたら見逃がしてくれるかも知れない、と期待出来ます。しかし山(自然)は情け容赦ない上に、力がハンパじゃない。いざとなっても人間の頭脳や力で何とか克服出来るような存在ではないのです。これは真面目に登山を楽しむ人なら誰でも理解していると想像します。

 したがって冬山に登る人って、実は登山に無縁の視聴者が想像するほどバカではないはず。普通は冬山登山相応の装備や経験・知識で万全に武装して挑んでいると思います。それでも相手は自然ゆえ、気象条件の変化や自身の体調の変化など、ちょっとした不測の事態から大事に至ってしまう。交通ルールを守って運転しても、状況によっては死んでしまうようなものです。

 ただし、たまに知識も経験も皆無、荷物も持たずに軽装で登って遭難する人もいますが、彼らについてはもちろん論外。また別のお話になってしまうので今回は触れません。ニュース報道もこの2種類の登山者をキッチリ分けて扱って頂きたいものです。

 
 次に「遭難者の捜索には多額の税金が費やされる」について。こう言って憤る人に共通しているのは、大方「自分は登山(アウトドア系レジャー)には興味が無いインドア派。遭難して救助されるなんてこと未来永劫無いはず。それなのに自分が納めた税金が、脳天気に遊び呆けて勝手にトラブった奴らを捜索するために使われるのはもったいない。納得出来ない」という心理のようです。

 確かに捜索費を税金で賄うケースもあるでしょう。しかしネットで読んだ遭難経験者、もしくは遭難者の家族の経験談によると、捜索費を後から実費請求された、つまり自己負担したという声が多いことに気づきます。また、登山保険というものがあり、加入することで死亡時などに保険金が支払われ、家族がそれを捜索費に充てることもあるそうです。ちょっと意外でした。

 まぁ、ネット情報なので100%鵜呑みにしたくはありませんし、自治体によってもやり方が異なるかも知れません。でも以前の私も含め「納得出来ない」人のほとんどが、自己負担という現実や登山保険の存在なんて想像したことすら無いのでは?自分の知識・経験だけで「税金投入」と決めつけ、勝手に憤るのは決して好ましいことではありません。

 
 最後に「リスク覚悟の自己責任で登るべき」については…あれ?!人が生きるということは、リスク覚悟の自己責任で行動すること、その連続のはずですよね?なぜ登山者だけが、まるで親の敵のごとく批判されるのでしょうか?

 例えば私は(もしかしたら墜落するかも知れないけど、確率的に大丈夫だろう。万一墜ちたら仕方ないな)と割り切って飛行機に乗ります。(天気予報では夕方から雨だったけれど、もし雨に降られたら少しの間濡れるのを我慢すればいいや)と覚悟して荷物を減らすことを選びます。100%採用される保証はなくても、全力で考えた企画を顧客にプレゼンしてきました。

 言い出したらきりがありません。交通事故を起こす可能性はあるが車を運転する、鉄骨や植木鉢が頭を直撃して怪我をしそうだが外出する、相手の機嫌を損ねるかも知れないが自分の意見を述べる、健康を損なうかも知れないが昼食はジャンクフードを食べる…大きなことから小さなことまで“リスク覚悟”と“自己責任”だらけ。改めて冬山登山者を批判する意味がありません。

 つまり人は日常生活を送る以上、誰しもリスクを負って自己責任のもとで生きているのだと思います。冬山に登るような方なら危険は百も承知でしょうし、恐らく登山保険に加入するなり、一般の生命保険に加入するなりして極力家族に迷惑がかからないよう手配した上で登るのではないでしょうか?他人に言われるまでもなくリスク覚悟の自己責任で登っているんでしょうね。

 それに私個人的には、「税金云々」という理由で僅かな遭難者を非難するくらいなら、それよりも膨大な数の税金未納者を非難する方に怒りの矛先を向けて欲しいものです。その方が理にかなっているはずですし。


 …ということで、あくまでも3シーズン登山を愛する私の個人的な見解でした。

 まぁ、マスコミの直線的な報道が要らぬ誤解や先入観をもたらすのでしょうが、それでも情報を租借して自分なりに解釈出来る人になりたいものです。

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