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ある“怪優”の死

2013-04-16 Tue 12:56
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 昨日、俳優の三國連太郎氏(享年90歳)の訃報をニュースで知りました。

 正直言って私は彼をよく知りません。「釣りバカ」シリーズを始めとする彼の仕事にも、これまでほとんど興味ありませんでした。亡くなったからとここで採り上げたくなる俳優さんではないはずなのですが…どうしても“あの映画作品での彼の演技から得た衝撃”について、再度触れておきたい。そんなモチベーションから綴ります。


 三國連太郎というと、私にはほとんど「釣りバカ」の印象しかありません。しかし「釣りバカ」は私個人の嗜好とは合致せず興味なし(私が海ではなく山派だから?・笑)。まともに見たことはありません。自ずと三國連太郎への興味も評価も極めて低いものでした。

 特に1996年に映画化された、当時大好きだった漫画「美味しんぼ」のキャストが、山岡士郎=佐藤浩市、海原雄山=三國連太郎と知った時は、あまりに(ルックス的に)原作のイメージとかけ離れていたことがショックで、失望感がそのまま彼らへの憎しみと化しました(笑) 今考えると親子関係的にはとても似ていたんですけれどね。

 そんな、半ば“アンチ三國”だった私の評価が一転したきっかけが、数年前にDVDで観た「八甲田山」という映画作品。

 「八甲田山」は明治時代に青森県で実際に発生した、世界山岳史上最悪の遭難事故を描いた作品です。希にみる大寒波、吹雪の中を不十分な準備と甘い認識のまま雪中行軍訓練に出発してしまった陸軍第5連隊210名中、199名が死亡。その際、訓練の全権を自ら部下の神田大尉に委ねたにも関わらず、肝心な時に彼を差し置きしゃしゃり出てきて、無責任な指示で隊員たちを振り回し、結果的に被害を大きくしてしまったのが、三國連太郎演じる山口小佐でした。まぁ現代の企業にもそんな感じの上司ってたくさんいますよね(笑)

 この映画は昭和52年の作品ですから、出演者も高倉健以外(笑)今とは顔形の印象がかなり違います。私は最初、この憎き山口小佐を演じている“怪優”が三國連太郎だとは気づきませんでした。偉そうにふてぶてしく煙草を吸う、見るからに悪人面した悪いヤツ…そういう役柄だと分かっていても、演技だと分かっていても、山口小佐が憎くて堪りませんでした。書籍を読んで私がイメージした山口小佐そのままでした。

 エンドクレジットで彼が三國連太郎だと知った時は、改めて驚きましたね。なるほど…やっぱり凄い俳優だったんだ、三國連太郎…と。

 まぁ、「八甲田山」が彼の魅力を最大限に発揮した作品なのかどうかはさておき、このような名優が一人、また一人と去ってゆくのはとても残念なことです。今はどんな映画やドラマを見ても、こんな名優はサポート役に徹するケースが多く、メインはあくまでもアイドルやお笑い芸人や旬な時の人ですもんね。

 映画業界が廃れるのは、映画館で見せるというビジネスモデルが時代遅れだとか、料金が高いというよりも、怪物級に凄い役者、スター不在ということが大きいんじゃないの?そう思います。

 これを私なりの弔いの言葉とし、彼のご冥福をお祈りしたいと思います。


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