現在の閲覧者数:
無料カウンター
《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
甦る伝説

2013-07-12 Fri 00:00
 あるキッカケから、過去の「悩ましい出来事」と「誇らしい武勇伝」の記憶が同時に甦りました。


 私は昔から人一倍くすぐったがり体質です。特にお腹周りをくすぐられると過剰なまでに反応しがちでした。

 当時、社会人として初めて勤務した会社にて営業として働いていた私は、胃が痛い日々を送っていました。なぜなら自分が担当する仕事の納期交渉を、工場担当者が全く聞き入れてくれなかったからです。事情を説明して納期の前倒しをお願いしても「出来ねえよ!」のひと言で片づけられてしまう。それどころか予定納期を教えて欲しいとお願いしても完全無視。気が弱かった私は、次第に彼らとは出来るだけ関わりたくないと思うようになりました。でもそれではまるで仕事にならない。葛藤、苦悩の日々…。

 私だけが特別目の敵にされていたわけではありません。工場担当者の態度は誰に対してでも概ね同じでした。ただし、他の営業は彼らと仲良くなったり、自分の仕事を優先してもらったりするために、常に努力していました。用事がなくても毎日彼らの席に足を運び、楽しい雑談を持ちかける。プライベートで旅行した時は必ずお土産を買ってきて配る。女子社員に協力を仰ぎ、彼らを居酒屋で接待する。…涙ぐましい努力をしていたのです。

 私は当時は旅行とは無縁、どちらかというと口下手でしたから、こういった作戦を真似ることは苦痛でした。もう自分に出来るのは、とにかく下手(したて)に…例え相手が高卒でも(すみません、当時は若かったのでちょっと見下していました)、暴走族上がりでもとにかく遜り、頭を下げて下手下手に粘り強くお願いし続けるしかない。それ以外方法はないと考えました。

 するといつの日か私の気持ちが通じ、極めて上から目線的態度ながらもひとり、またひとりと親しみ混じりの態度で私に接してくれるようになったのです。

 かといってお願いを素直に聞いてくれるかといえば、それはまた別の話。相変わらず遜りまくって交渉を重ねるしかありませんでした。

 ある日、納期交渉に工場担当者・M氏を訪ねると、M氏は機嫌が悪かったのか、突然私の腹部に地獄突き(笑)を放ちました。私は痛いというよりもくすぐったくて過剰に反応してしまいました。

 それ以降、M氏は面白いオモチャを手に入れた子供のように、私が相談を持ちかけるたびにくすぐってきました。もちろん交渉どころではありません。(ここまでしてなぜこんなアフォなヤツに頭を下げなければならないんだ?)私は悔しいというよりも悲しくなりました。交渉にも応じてもらえず、毎日ただくすぐられに行くかのごとくM氏を訪れる私。ホント嫌で堪りませんでした。


 そんなある日…その日は割とM氏の機嫌もよく、彼の隣の席の空いた椅子を勧められ、腰掛けて交渉することが出来たのです。

 しかし喜んだのも束の間、交渉がM氏に不利な方向に運ぶと、またも彼は苦し紛れに私をくすぐり始める。これでもう交渉どころではありません。(またかよ!!)内心憤りつつも作り笑顔を崩さず「Mさ~ん、カンベンしてくださいよ~」と哀願する私。…とその時!!着席した状態でM氏の手から逃れようとした私は、バランスを崩し、椅子ごと派手に転倒してしまいました。恐らくドリフの体を張ったコントでも滅多にお目にかかれないような派手な転倒だったのでしょう。周囲の人々は誰もが大爆笑。(うわぁ恥ずかしいなぁ…)やるせない気持ちで顔を上げた時、私は確かに見ました。手で口を覆いながらも、私を見て笑っているHさんを!!

 Hさんは噂では元暴走族のリーダーで、サラリーマンには到底見えない攻撃的ルックスとファッション、寡黙で一匹狼的ムードから、営業はもちろん工場担当者たちからも恐れられていました。私自身、Hさんに納期交渉する時はM氏とは別の意味で嫌でした。そんなHさんの笑顔を、私は初めて見ました。


 「Hさんが笑った!!

その噂は工場担当者のみならず、営業にも瞬く間に伝わりました。私が尊敬する先輩からも

「おい、○○(私の名前)!お前あの“絶対に笑わない”ことで有名なHさんを笑わせたんだって?!さっきMさんから聞いたよ。工場もその噂で持ちきりだってよ!!」

喜んでいいのか、恥ずかしがるべきなのか、その時は分からず複雑な心境でした。しかしそれ以降、なぜかM氏が私をくすぐる機会は減り、真面目に交渉に応じてくれるようになりました。Hさんも態度は相変わらずでしたが、質問には即答してくれるようになったのです。

 仕事がやりやすくなって嬉しいのは事実でしたが、私としてはそれ以上に「やっぱり仕事(営業)って面倒臭いなぁ…」でしたけれどね。


 あれからかなりの年月が経ちました。私のくすぐったがり体質はもう治まっただろう、そう思っていたのですが…相変わらずダメみたいです(笑)

スポンサーサイト
別窓 | コミュニケーション | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑

<<バカにできない“スギちゃん宝くじ当選報道” | 瑠璃色幻想曲 | 鑑的販売員>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL


FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 瑠璃色幻想曲 |