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クロク、ヌレ!

2013-11-06 Wed 21:21
 先日ご紹介した「モンスター」に続き、友人から借りた本の中から2冊目を読了しました。「殺人鬼フジコの衝動」の真梨幸子著「クロク、ヌレ!」(講談社文庫)です。


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 物語は、自宅プールで謎の死を遂げた流行作家の視点からプロローグが綴られます。これはまさしく「デスパレートな妻たち」パターン(笑)

 かと思うと本編は一転、全く別の母娘の日常描写にチェンジ。中年派遣社員である娘(主人公?)視点で進行します。

 彼女の亡き伯父は自称画家で、変人ゆえ自殺で死ぬまで嫌われ者であった。しかし親族の中でも特に彼を憎んでいた母が、ある時から急に「日本中に散らばる彼の遺品を集めなきゃ」という衝動に駆られ、日本中を遺品を求めて探し歩くようになる。娘は理由が分からないまま母に振り回される。

 そのうち彼女は仕事を通じて出会った売れっ子広告クリエーターらと伯父の死の真相を、そして彼の死に深く関わっていると思しき件の自宅プールで謎の死を遂げた流行作家との関係を探るが…という感じです。

 帯には作者の「私が死んだらこの作品を代表作にしたい」という言葉が印刷されていましたので、それ相応の大傑作なんだろう、と期待して読みました。確かに面白いです。面白いんですけど…結局、最後まで何を楽しみに読み進めるべきなのか?よく分からないまま読み終えてしまった感じでした。

 本作には謎の死を遂げた人物が2人登場します。が、彼らは本当に自殺(事故死)なのか?本当は殺人では?誰が殺したんだ?みたいな興味を掻き立てるような、謎解きメインのミステリー小説ではないですね。かといって主人公の母親が亡き伯父の遺品を全て集められるのか?という興味でもないんです。

 読み終えた今、総合的に判断するなら私としては“なかなか面白かった”ですが、最後まで“どのようにまとめられるんだろう?”というのが予想し難い作品だったような気がします。

 まぁ本作のテーマから推測するに、二次元の世界の住人は三次元的思考が働かないために、三次元の世界の住人から見たら何でもないことでオロオロしているように見える。人生でも真実や重要なことは近くに転がっていてもなかなか目には映らないもの。何かのキッカケで不意に目の前に現れてオロオロする生き物、それが人間なんだ…そんな感じの物語でした。

 でも絵画、ローリング・ストーンズ、伊豆下田など、興味を引く材料も多く楽しい作品です。出版業界、広告業界の仕事をちょっとだけ疑似体験した気になれるのも面白かったです。


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