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紫蘭の花嫁(ネタバレあり)

2013-11-13 Wed 00:00
紫蘭の花嫁


 乃南アサ著「紫蘭の花嫁」(文春文庫)を読了しました。この本もまた友人からまとめ借り中の本の中の一冊。しつこく読書感想文・第4弾です(笑)


 まず、私は本書を読み始めてすぐに(これは久々の本格的推理ものみたいだな)と感じました。しかし、読み進めるうちにどんどん違和感を覚えます。…“ダイヤルQ2”?“テレクラ”?…いつの時代の話だよっ?!すかさず奥付を確認すると…何と!初版発行は17年前の1996年(笑) 古いなぁ…さらにWikipediaによると同タイトルのカッパノベルス版、つまり初出は1992年、まさかの21年前とは!!そのためか現代に生き、現代ウケする斬新な趣向を凝らして書かれた小説を何冊も読んだ私が読む限り、“あれれ?”で“トンパチ”な部分が幾つかありました。まぁ仕方ないですね。文学の宿命です。


 物語は主に、自分を執拗に追い続ける男の影に怯え、アルバイト先やアパートを転々とする女・三田村夏季視点と、シティホテル連続殺人事件の捜査を指揮する小田垣刑事部長視点が交互に描写されるという構成。さらに詳しく述べると、

①夏季の逃亡(?)生活
②小田垣ら警察によるシティホテル連続殺人事件の捜査
③小田垣がたまに通うバーでのホステス・摩衣子とのやりとり
④連続殺人鬼視点の描写

…これらを交互に読ませる感じです。

 このような構成は今時珍しくはありませんが、不思議なのが半分以上読んでもメインであるはずの連続殺人事件の捜査が全然進まないということ。途中に新たな殺人も起きるのですが、その捜査の描写がほどんど無いのです。

 しかも、途中から小田垣が極めて感覚的に(実際にはちょっとだけ疑わしい材料があって)、警察と提携している監察医の渋沢のことを突然“犯人では?”と疑い、尾行までしてしまう。これってたまに西村京太郎がやりそうなトンパチぶりですよ(笑)

 そして犯人の目星が全くつかない…というか(小田垣はあくまでも捜査本部長、監督役だからかも知れませんが)捜査の様子もほとんど描写されないまま突然、何と!その小田垣自身も実はこれまで何人かを殺してきた連続殺人者であることが明かされた~!!…心の準備出来ていないのに(笑) 乃南アサの作品は初めてでしたので、この小田垣ってもしかしたら西村京太郎の十津川や島田荘司の御手洗みたいなレギュラーキャラなのかな?と思いましたよ。これは反則では?思わずアガサ・クリスティの「アクロイド殺し」(実は一人称、主人公が犯人)を思い出してしまいました。

 結局、結末に向けてバラバラに見えた登場人物やそれを取り囲む出来事などは上手くひとつにまとまり、見事小田垣も犯人も呆気ないほどに、しかも同時に逮捕(笑) いやぁ…どこが“久々の本格的推理もの”やねん?!!(笑) 

 でも好感を覚えた部分もあります。最後まで読んで初めて(あぁ、そういえばアレはコレのための伏線だったのか)と理解出来たこともたくさんありました。プロローグの“消えた花嫁”とはどこで繋がるんだろう?全く想像出来ませんでしたが、最後の最後で納得。この辺の伏線の張り方は上手いかな…?

 そして最後の最後のオチにも度胆を抜かれてしまいました。犯人とともに逮捕された小田垣が、警官を殺した上でのまさかの逃走!!…もしかして続編あるの?(笑)

 まぁ、それなりに面白かったとは思いますが、そこはやはり17年前の作品です。当時流行ったドラマだって、今見たら登場人物のファッションや思考も今とは掛け離れているはず。思わず笑ってしまうことだってあります。本書も当時としては斬新だったのかも知れませんから…それを2013年末にまともに評価するのはやめておきました。


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