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雀蜂(ややネタバレあり)

2013-11-28 Thu 00:00
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 貴志祐介著「雀蜂」 (角川ホラー文庫)を読了しました。

 貴志祐介の作品は、“今さら密室トリックものには興味が湧かない”という理由で未読の「鍵のかかった部屋」を除き全て読んでいます。今回の「雀蜂」は久々の角川ホラー文庫としての発行、さらにカバーに印刷された「…最後明らかになる驚愕の真実、ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!」という煽り文句、そして極めつけ、帯の「『クリムゾンの迷宮』『悪の教典』を超える恐怖!」…どれも期待を抱くには十分でした。あの名作「クリムゾンの迷宮」を超えるのかよ?!これは一刻も早く読まねば!!…ファンなら間違いなくそう思うしょうね。


 しかし読了した今、言えるのは…ただただ「う~ん…微妙…」…これ以上でも以下でもありません。

 物語は小説家・安斎が主人公。彼が八ヶ岳にある自分の山荘で目醒めると、一緒にいたはずの妻の姿がない。代わりに冬だというのに次々に現れるスズメバチの大群に襲われる。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪で通信機器も車も使えず、安斎は身の周りにある道具だけを使い生き残りをかけてスズメバチの群れと闘うことに。忽然と姿を消した妻はどこに?これは彼女が自分を殺そうと仕組んだ罠なのか…?

 アガサ・クリスティ著「そして誰もいなくなった」に代表される、外部との接点を絶たれ孤立した舞台で繰り広げられるサスペンスものです。異なるのは登場人物がほとんど主人公のみ(+スズメバチ)という点。まぁ命が懸かったとんでもない状況であることに違いありませんが、私はなぜか終始コメディ(コント)っぽく感じてしまいました。何となくシチュエーションコントっぽいんですよ。読んでいる間ずっと(「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」っぽいなぁ)と思っていました(笑)

 そして問題のラスト。確かに予想不可能な大どんでん返しでしたが…微妙…。なぜそう感じたのか?私なりに考えました。

 以前、島田荘司先生の講演会を聴講した際、“本格ミステリー”(変化球ではない王道ミステリー)にこだわる先生がこんなことを言っていました。

「(本格)ミステリー小説の犯人についてはいくつかルールがあります。まず、幽霊・宇宙人・超常現象などであってはならない。また、謎解きの時点で初めてその存在が明らかになってはならない(犯人を予想するために必要な材料はあらかじめ読者に提示されなければならない)…」

「雀蜂」でも何箇所かそれっぽい伏線が張られていたような気もするものの、このルールに引っ掛かっている、つまりルール違反の反則技のような気がするんですよね。一般的なミステリー小説のような謎解きを最大の楽しみとして読んでしまうと、ちょっと“あれれ?”なんですよ。とにかく実験的な作品、良し悪しはともかくスッキリしませんでした。

 唯一の救いは200ページ強というお手軽さ。これが仮に500ページくらいの作品だったら、金…じゃなくて時間返せ~!!」って思ったでしょうね(笑)


 これから読む方はぜひ覚悟の上、お読み下さい。


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