現在の閲覧者数:
無料カウンター
《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
ソウルケイジ(ネタバレあり)

2014-02-03 Mon 21:15
ソウルケイジ


 誉田哲也著「ソウルケイジ」を読了しました。このタイトルの元ネタはスティングの曲だそうですね。「ストロベリーナイト」「インビジブルレイン」同様面白かったです。

 物語は…

 多摩川土手に乗り捨てられたワンボックスカーから、血塗れの左手首が発見される。姫川班ら捜査1課の刑事たちが捜査を開始し、被害者は近くで小さな工務店を営む高岡と判明するが、驚くべき真実が次々と明らかに…。

 捜査が進む中でストーリーが次々と展開、風呂敷が広げられてゆきますが、決して混乱することなく最後には収まるところに収まる、前作通りそんな感じの壮大な(?)物語でした。

 相変わらず警察組織内部の描写…捜査の方法やら流れ、刑事の人柄やら思考など…これまで私が読んだミステリーの中ではやたら具体的。最初は鬱陶しかったですが、次第にリアルでいいんじゃないか?と思えるようになりました。

 登場人物も相変わらず魅力的。まず、猿顔関西弁変人キャラ・井岡が神出鬼没的(たまたま)にその所轄内に属していて、姫川に関わってくるというお約束(?)。井岡の登場は“変なおじさん”みたいで好きです。

 そして「ストロベリーナイト」では“ガンテツ”という横暴なベテラン刑事が準主役的ポジションでしたが、本作では姫川と同じ捜査十係の警部補・日下にスポットが当たっています。それにより事件とは直接関係のない余計な描写も多く生じますが、決してダレさせないところに著者の上手さを感じます。

 そしてこの日下、勘重視の姫川とは正反対。事実のみを信じ、積み重ね、事件を解決するタイプ。最初は何となく融通の利かない嫌なヤツ、といった感じで描かれていましたが、今回は彼の人間らしい部分についても触れられています。

 私はこの日下というキャラ、結構好きですね。というか、経営者やアーティストでもない限り、一般会社員で優秀な人材って極めてこちらのタイプの方が多いと思うし、憧れます。思わず若い頃にお世話になった、当時はブン殴ってやりたくて仕方なかった(笑)先輩社員を思い出してしまいました。

 逆にサクランボ臭プンプンの菊田は相変わらずウザい。ファンの間では人気が高いキャラだそうですが、フィクションとはいえ今時あのような堅物チェ○ーボーイキャラは警察にも一般企業にもいないと思いますが…。ほとんどファンタジーの世界のキャラでしょう(笑)

 そして肝心の内容ですが、高岡は死んでいないんじゃないの?最初の方に出てくるアイツが高岡なんじゃないの?については、途中で想像出来ました。

 しかしこれは裏を返せば伏線の数々がきちんと張られていて、文章構成もしっかり組み立てられている証拠。そしてあれだけの長文を飽きさせずに最後まで読ませるだけの文章力があってこそだと思います。評価する上で決してマイナスではないと思いました。

 逆にこれを“先が予想出来てしまうからつまらない、駄作だ”と評価してしまえば、世の中のミステリーは貴志祐介の「雀蜂」(犯人の存在自体が最後の最後まで明かされない)やアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」(実は一人称の主人公が犯人)みたいなものばかりになってしまいそう。本格的なミステリーは無くなってしまいそうですね。


----------------------
【TODAY'S PIC UP ITEM】

ソウルケイジ (光文社文庫)ソウルケイジ (光文社文庫)
(2009/10/08)
誉田 哲也

商品詳細を見る



スポンサーサイト
別窓 | 読書 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑

<<ブロック機能のススメ | 瑠璃色幻想曲 | 暗くなった都内の住宅街>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL


FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 瑠璃色幻想曲 |