現在の閲覧者数:
無料カウンター
《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
まとめて読書感想文(20140401)

2014-04-01 Tue 00:00
photo1
「国境事変」(誉田哲也著・中央公論新社)

 先日読了した「ジウ」シリーズで活躍した警視庁捜査一課の東警部補が、在日朝鮮人殺人事件を捜査するスピンオフ的な作品。一部に「例の歌舞伎町爆破事件」とか「自分にメールを寄越すのは、娘か以前一緒に捜査した女刑事(美咲)くらいだ」という文章が出てくると思わず嬉しくなります。

 物語は…

 長崎県対馬で、細かく切り刻まれたゴムボートが発見される。時を同じくして島で人探しする怪しい朝鮮人2人組の目撃が相次ぐ。
 一方、東京・新宿で在日朝鮮人が殺害された。捜査一課の東警部補が捜査を進めると、公安が被害者の唯一の身内である弟をスパイ協力させ、被害者が経営していた貿易会社をマークしていることを知る。犯人は誰なのか?被害者はなぜ殺されたのか…?

 基本的に刑事部視点と公安部視点の双方から交互に書き進められる構成で、憎き犯人逮捕に燃える刑事部と、小さな虫を殺してでも国の安全を守りたい公安部の激しいぶつかり合いが主体の物語です。が、刑事部vs公安部なら先日読んだ「血の轍」の方が数段レベルは上ですかね。

 全体を通して「犯人が誰か?」というよりも、「事件を通して北朝鮮問題、在日朝鮮人問題について問いかける」作品のように感じました。



photo2
「アントキノイノチ」(さだまさし著・幻冬舎)

 正直、全く期待せずに読んだのですが、かなり気に入ってしまいました。ミュージシャンが小説執筆?…まさかゴースト…いえ、何でもありません(笑)

 物語は…

 高校時代に起きたある事件をきっかけに“心の病”を患ってしまった21歳の杏平は、父親の知り合いが経営する遺品整理業社で働くことになる。彼は凄惨な現場で働きながら命や人生と真剣に向き合い、また、壮絶な過去を乗り越え頑張って生きる行きつけの居酒屋のアルバイト店員・雪ちゃんとも悩みを共有し、励まされ、立ち直ってゆく…。

 遺品整理業って一時期マスコミから注目され、テレビで特集が頻繁に組まれたり、関連書籍がたくさん書店に並んだりしました。私も8年前に関連書籍を読み、この仕事の存在を知りました。本書はまさにこの「遺品整理屋は見た!」の著者・吉田氏が経営するキーパーズ(有)をモデルにしているようです。確かに清掃作業シーンのエピソードには、容易に元ネタを思い出せるものが多かったような気がします。

 もともとテレビでキーパーズの仕事を知ったさだまさしが、この仕事をネタに小説を書きたくなったそうですが、まさに私が8年前に感じた感動、この仕事の価値を架空の主人公を通じて世の中に訴える…そんな物語でした。

 ひとつ気付いたのは、亡くなった老婆が大切に保管していた、幼かった頃の娘からもらった手紙や似顔絵などを主人公が部屋で見つけるエピソードについて。本書ではご丁寧にそれを娘さんに届けるんです。幼い頃に自分を捨て去っていった母を憎んでいた娘でしたがそれを見て号泣し、主人公たちに感謝する…という素晴らしいエピソードです。

 しかし「遺品整理屋は見た!」のネタ元らしきエピソードでは、確か娘の怒りは収まっておらず「そんなもの二度と見たくない!」と怒られてしまうんです。家庭の事情って他人には決して理解出来ないんだろうな…と感じた記憶があります。

 よって、アマゾンなどで本書のレビューを読むと「目を背けたくなるシーンが多くシンドい」のようなものが多いのですが、それでも小説用にかなり綺麗にまとめているな、と感じます。つまり、遺体の跡や大量に蠢くゴキブリの描写なんか以上に、リアルな人間の感情の方がよほど醜く残酷で、目を背けたくなるものなのかも知れません。


 ところで全く毛色の違うこれら2冊。私も偶然続けて読んだのですが、意外な共通点がありました。

 「国境事変」で東警部補と争うもうひとりの主人公、公安部の川尻巡査部長のあだ名は“アントン”。理由はもちろんアゴがしゃくれているから。そして「アントキノイノチ」…という違和感バリバリのタイトルの元ネタも、やはりあの元プロレスラーでした。


まさかの燃える闘魂2連発!!(笑)


引退して16年、未だに彼が世の中へ与える影響力はハンパじゃないです(笑)


---------------------
【TODAY'S PIC UP ITEM】

国境事変 (中公文庫)国境事変 (中公文庫)
(2010/06)
誉田 哲也

商品詳細を見る


アントキノイノチ (幻冬舎文庫)アントキノイノチ (幻冬舎文庫)
(2011/08/04)
さだ まさし

商品詳細を見る


スポンサーサイト
別窓 | 読書 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑

<<1st day=¥1,100 | 瑠璃色幻想曲 | 人生の仕分けスキル>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL


FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 瑠璃色幻想曲 |