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白ゆき姫殺人事件(映画)

2014-04-03 Thu 00:00
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 以前ここで感想を綴った、湊かなえ原作の「白ゆき姫殺人事件」が映画になったので見に行きました。

 原作は書籍の特長を活かし、特殊な構成で読ませる作品でしたので、これをどのように映像化するのか?興味津々でした。

 そもそもストーリーそのものはごくありふれた殺人事件です。特に凝ったトリックなどはありません。正直言って、私が湊かなえ作品をランク付けするなら確実にベスト3未満でしょうね。

 それでも著者の優れた文章力と、この特殊で斬新な構成で総合的にとても面白く仕上がった画期的な作品だと私は思います。それゆえ、原作と映画は別物ではありますが、(どうせ映像化された時点でごくフツーの残念な映画に仕上がっているんだろうな)としか考えられませんでした。見たいけどどうしよう?やめておこうか?散々迷いました。

 しかし思い切って見た感想は、予想に反してとても面白かった。後々まで引きずる面白さ。よく出来ていたと思います。

 まず、原作では巻末にまとめられ、各章を読み終えるごとに指示に従い読まされる“しぐれ谷OL殺人事件関連資料”。この中の赤星(原作では雑誌ライター)のツイッターログ。映画ではこれは本編の映像の中にリアルタイムで挿入され、次々と更新されます。最初はどんどんアップされる呟きを読みつつ、登場人物同士の会話も聞き取らなければならないので少々煩わしいのですが、すぐに慣れました。

 そして原作で各章ごとに登場人物の一方的なセリフや手紙のみで構成される点。これについてもかなり原作を尊重した作りだったと思います。

 個人的には“女優”とは認めたくない(笑)、殺されたOL・三木典子役の菜々緒の演技もまずます。美しくあるべきシーンではそれ相応に美しく、ムカつくイヤな女であるべきシーンでは私も思わずムカついてしまう(笑) 存在感も強くよかったと思います。“美人OL”役としても不自然ではなかったですね。

 また、全くノーマークで(ん?そこそこ可愛いけど太った女だなぁ)と感じた、かつての放火魔“くまぇり”似のOL・満島栄美役が、実は元AKBの小野えれぴょんだったと知った時は、思わず笑いました。でも演技は普通に自然でしたよ。

 個人的には元AKBの仲谷明香をイメージしながら読んだ、容疑者扱いされた被害者の同僚・城野美姫役の井上真央も役柄通り見事にダサく、イモ臭く、地味で、でもなぜか守ってあげたくなるOLを演じ切っており、見ているうちに仲谷明香のことはすっかり忘れました。鑑賞後は完全に城野美姫=井上真央と頭の中が上書きされましたよ。

 目立って原作と違うのは、原作では雑誌ライターだった赤星が映画ではテレビ局の契約ディレクターに替わっていた点でしょうか。それに伴い、原作では週刊誌に発表される、先入観バリバリの無責任な事件特集記事も、映画ではワイドショー番組で放送される事件リポート映像に替わっています。これがまた大昔の「水曜スペシャル」か「ほんとにあった!呪いのビデオ」(の、亜流作品)のように胡散臭くわざとらしい(笑) 個人的には大好きなノリなんですけどね。

 でもそれもそのはずで…何と!本作の監督は、あの「ほん呪」の監督でお馴染みの中村義洋氏だったというオチ(笑)…お分かりいただけただろうか?あの中村義洋氏なのです!!(笑)

 ただし、原作のクライマックスで城野美姫の長~い告白文を読み終え、絶対コイツが犯人だと信じ切っていたのに、直後に読まされる“関連資料”(容疑者逮捕の新聞記事)で突如犯人が全くの別人だと分かるあの衝撃。しかも警察は最初からその人物をマークしていたことまで知った時のあの衝撃。映像になったことであの衝撃がすっかり消え去ってしまったのは残念でしたね。美姫が自殺しようとしたら偶然テレビのニュースで…って、あれでは弱過ぎます。雑誌をテレビに替えたことで生じた数少ないデメリットのひとつでした。

 真犯人・狩野里沙子の犯行理由告白にも不満を感じます。原作では彼女が残したブログにひっそりと犯行動機が綴られており、それを最後に「The End」でしたが、映画ではブログのニュアンスが全く感じられませんでした。デマや噂がツイッターで広まるのと、犯人の犯行動機がブログに告白されていたことは、最後までセットであって欲しかったかも…。

 まぁ、とりあえず原作を読んだ時に感じた“身勝手な人間批判”という風刺的エッセンスもそこそこ効いていて安心しました。原作では一連の謝罪シーンなんてなかったと記憶していますが。

 原作を読み終えた直後は

「書籍の特長を最大限に活かした、映像や電子コンテンツへの挑戦状のような画期的作品」

だと思いましたが、改めて映画で見ると

「やっぱり映像の方がどうしたって強いよなぁ。書籍のあの体裁は画期的な試みというよりは、むしろ書籍の限界そのものだったわけか…」

と自分の考えも変わってしまいました。中村監督、さすがです(笑)


 それにしても…井上真央って、あんなに脚太かったっけ?!スクリーンのせいか?…いえ、個人的に結構お気に入りの女優さんなので、ずっと気になって仕方ありませんでした。まあ、小野えれぴょんに比べたらまだマシですが(笑)


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