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まとめて読書感想文(20140405)

2014-04-05 Sat 00:00
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「九月が永遠に続けば」(沼田まほかる著/新潮文庫)

 初めて読む作家さんですが…珍しい名前(笑)

 物語は…

 離婚した元ダンの義理の娘・冬子が交際している、自動車教習所の教官と不倫中の主婦。彼女の高校生の一人息子がある夜突然失踪する。慌てふためく彼女は元ダンに協力を仰ぎ、警察に捜査願いを出し、同じ団地に住む息子の幼馴染みの少女や彼女のお節介な父親に助けられつつ、息子の行方を追う。
 やがて不倫相手が駅のホームから転落死、冬子が殺人容疑で事情聴取を受ける。実は冬子は息子とも頻繁に会っていたなど、今まで知らなかった息子の裏の顔が次々明らかになり…息子はどこにいるのか?!


 まず、本作が面白いかつまらないか、というと私は面白かったと思います。ただ…とにかくストーリーが長いし読んでいて疲れるんですよね。毎晩目がショボショボでした。それはなぜか?恐らく主人公(オバサン)の感情描写が多過ぎるから。女性作家さんらしい作品です。

 例えば主人公が郊外の町に、ある人物を訪ねる
→不在
→商店街まで戻り蕎麦屋で食事
→タクシーを呼んでもらって最寄り駅まで移動
→改札前でやはりもう一回ダメ元で訪問することに
→ようやく面会
…と、一人の人物に会うだけでこの長さ。しかもこの流れの中には逐一詳しい感情描写が盛り込まれているわけです…って、最初からちょっと遅めの時刻に訪問したら会えました、ではイカンのですか?!(笑) まあ、このような手法に意味がないとは言いませんが、どうしてもテンポは悪くなります。

 ラストもそう。あぁ、無事丸く収まってこれで終わりだよな…という流れから、更に30~40ページも蛇足的な感情描写が続く。ショボショボの目で一度斜め読みしてしまい、重要な箇所があったかも?と翌朝もう一度読んだのですが、やはり無駄…にしか思えませんでした。

 本作は一見ミステリーっぽいのですが、正確には“ドロドロ系人間関係もの”。読んでいてあまり気分のよいものではないと思います。息子失踪の理由や彼を始めとする各登場人物の気持ちなど、私的にはイマイチ共感出来ませんでした。


photo2
「WILL」(本多孝好著/集英社文庫)


 こちらはよく出来たヒューマンドラマ。なかなか面白かったです。

 物語は…

 18歳の時に事故死した両親の後を継ぎ、地元の寂れた商店街の葬儀屋の社長に就任した主人公・森野。彼女は11年後の現在も、先代の右腕的存在だった社員・竹井とともに何とか店を潰さずに維持していた。
 そんな彼女の下には、毎回ちょっと変わった問題を持ち込む顧客が訪れる。

「家の中に死んだ父親がいると甥っ子が言うようになり、その死んだ父親が昔描いた家族の絵が最近になって突然届いた。しかしその中に自分が描かれていないのが悔しい、なぜか?」と訴える昔の同級生。
「自分が喪主となり、既に荼毘に伏された故人の葬儀をやりなおしたい」と訴えるも、実は故人と同じ時期に既に死んでいたことが後で発覚する、故人の愛人女性。
「自分は15年前に死んだ、お婆さんの旦那の生まれ変わり」と主張し、未亡人老婆の自宅を毎週訪れる中学生。

一度葬儀を任されたら最後まで遺族の心もケアするのが葬儀屋の努め、という主義の森野は、持ち込まれた問題を解決しようと奔走する。


 葬儀屋だけに持ち込まれる問題はどれも心霊現象っぽいのですが、調査してゆくと実はどれも…。

 例えるなら昔のエルフのゲームの主人公のような口の利き方(分かる人だけ分かって下さい・笑)をする、一見雑でぶっきらぼうな森野。ですが実際は仕事も顧客への接し方も特殊な葬儀屋という立場を弁え、悲しみを引きずる身内の気持ちを最優先に考え振舞う、真面目で優しい性格。彼女には読んでいて思わず心地よい気分にさせられます。

 それにしても本作って、テレビドラマ化にはもってこいの素材じゃないですか?非日常、専門的職業、恋愛、オカルト、ヒューマン、感動…高視聴率に必要な要素がたくさん含まれると思うんですけれどね(既にドラマ化されてたりして)。寂れた商店街の人々や、お年寄りとの心の交流も含め、よいテーマだと思うんですけどねぇ…。


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