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天空の蜂

2014-07-03 Thu 00:00
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 東野圭吾著「天空の蜂」(講談社文庫)を読了しました。実は東野圭吾って、世間的な人気・知名度に反して私自身はこれまで全く読んだことがなかったんですよね。時間の無駄になったら嫌だなぁと思いましたが、予想を裏切るかなりの面白さでした。

 物語は…

 ある重工業企業が開発した超大型最新鋭ヘリが、お披露目当日何者かに遠隔操作によって奪われる。
 爆薬を搭載したヘリは、たまたま悪戯で操縦席に忍び込んでいた開発関係者の幼い息子を乗せたまま自動操縦で敦賀原発に向け飛び去り、原発の遥か上空でホバリングし続ける。
 犯人は日本政府に、ヘリを原発に墜落させたくなければ日本全国全ての原発を稼働停止せよ、と要求。日本国民全てを人質に取った犯人の脅迫に対し、政府はどう動くのか?警察は犯人を逮捕し事故を未然に防ぐことは出来るのか…?

 まずこの物語、事件発生から解決までがたったの6時間あまりという設定。その中で警察、ヘリ開発チーム、犯人一味、原発スタッフ、福井県知事、自衛隊、反原発グループの人々と彼らに聞き込みして回る地元の刑事…様々な立場の登場人物視点の描写が交錯し、ストーリーが進みます。そして当然ながらヘリ(機械)や原発関連の専門用語のオンパレード(笑) 一見複雑で取っ付き難そうなのですが、全くそんなことなくあっという間に630ページ以上を読破してしまいました。

 その理由は2つあると思います。

 ひとつは、著者が入念に事前リサーチしたであろうリアルな情報を、自身の優れた文章力で上手に読みやすくまとめたから。

 そしてもうひとつは、原発の仕組みや問題点、在り方など本書の中で登場人物を通して語られる情報は、2011年3月11日の東日本大震災(福島第一原子力発電所事故)以降われわれがテレビや新聞で何度も何度も繰り返し聞かされ続けてきた情報とほとんど一緒ゆえ、理解に苦しむことがほとんどなかったから。そう、実は本書が最初に単行本で発行されたのって、東日本大震災以前…いえ、それどころか阪神淡路大震災のあった1995年なのです。著者自身の原発に対する主義は本書を読む限りでは不明ながらも、少なくとも20年前から本書を通じて原発の在り方について問題提起し、原発に無関心な多くの国民に警笛を鳴らしていたわけです。

 しかし現実には作者の警告は“3.11”まで政府にも、原発関係者にも、そしてわれわれ国民にもほとんど響いていなかった…皮肉なものです。

 ちなみにネット検索してみたら、来年公開予定で実写映画化も決定しているそうです。恐らく本書には政府・推進派に不利な描写もバンバン出てくるので、それらが国民の常識として大っぴらになった3.11以降だから実現したのだと想像します。でも20年越しになってしまいましたが、今なら著者のメッセージは多くの国民に伝わると期待したいです。

 東野圭吾というと、これまでどうも「ガリレオ(=福山雅治)」の印象が強過ぎて、ミーハーが好むもの、女子供が好むものという偏見を持っていました(笑)が、今後も面白い作品があれば読んでみたいですね。友人から借りて読んだ本書でしたが、こういう良書との新しい出会いはいつも嬉しいものです。


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この記事のコメント
こんにちは。

自分も「天空の蜂」読みましたよ。
面白いですよね。
原発事故があった今の時代だからこそ、
しっかり考えなければいけないと思いました。
とても勉強にもなりましたよ。

自分も映画には期待しています。
2014-07-03 Thu 17:57 | URL | 神崎和幸 #-[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます
神崎和幸様

コメントありがとうございます。

面白いですよね。脅迫状がFAXというのが多少レトロですが(笑)それ以外は今読んでも違和感ありませんでした。

江口洋介&本木雅弘ならかなり期待できそうですね。
2014-07-03 Thu 18:34 | URL | takemaru #-[ 内容変更] | top↑
確かに江口さんと本木さんなら期待できると思いますよ!
2014-07-06 Sun 07:32 | URL | 神崎和幸 #-[ 内容変更] | top↑
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