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幸福な生活

2014-07-17 Thu 20:04
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 「永遠の0」「モンスター」などでお馴染みの人気作家・百田尚樹著「幸福な生活」(祥伝社)を読了しました。私自身、百田ものを読むのはこれが3作目です。

 これまで読んだ彼の作品は、どれも事前に入念な取材を行って執筆された、質の高い傑作という印象でした。並大抵の量産作家の作品の比ではないと言っても過言ではないでしょう。

 ただその反面、ジャンル的に(あまり興味を持てず)手を出し難いものが多いんですよね。戦争、海賊(企業?)、ボクシング…まぁ読むキッカケさえあれば夢中になって読んでしまうのでしょうが(笑)

 この「幸福な生活」は、たまたまブックオフで安く売っていたので内容をよく確認せずに買ったのですが、期待以上に面白かったです。


 まず、本書は短編集。といっても1話当たりわずか20ページ程度の、いわゆる“ショートショート”。本文の文字サイズも大きめなので、もっと短いと感じるかも知れません。駅のホームで電車を待つ間に1話分読み切る、もう1話分だけ読んで就寝しよう…とても便利でした。

 内容はシチュエーションも登場人物も各話バラバラ。それぞれの関連性もなく、独立したストーリーです。共通するのは、まず物語の中心に必ず“夫婦”が登場すること。そして、一見どれも大したことなさそうなストーリーなのですが、必ずラスト1行で全てがひっくり返され、思わず「ゾクッ!!」とさせられてジ・エンド、という構成であること。平山夢明の「東京伝説」シリーズほどエグくはありませんが、人間の心の奥底に潜む怖さみたいなものが垣間見えるという点でちょっと似ているかな?と感じました。

 特に面白い試みだと思ったのが本文のデザイン。各話問題のラスト1行を効果的に読ませるため、その1行が右ページ冒頭にくるよう文章が調整されているんです。つまり読み進めてクライマックスを迎え、最後のページをめくった瞬間、たった1行だけ印刷されたページが出現。しかもその1行にストーリーをひっくり返され、読者が「ギョッ!!」とさせられる、というこだわりのデザインというわけです。私自身読んでみて、毎回最後のページをめくる時のドキドキ感というか、楽しみで仕方ない感はなかなかのもでした。中には途中でオチが予想出来てしまうものもありますが、逆にどの時点でオチを正確に当てられるか?という楽しみ方もアリですね。

 これはアナログ媒体だからこそ可能なテクニックでしょう。1ページ分のサイズで読ませる電子端末向きコンテンツではありませんね。仮にレイアウトは真似出来ても、あのページをめくる時のワクワク感は無理でしょうから。編集者の意地を感じました(笑)

 「永遠の0」のような感動の傑作、とは違いますが、これはこれで高品質な娯楽作品でした。


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幸福な生活 (祥伝社文庫)幸福な生活 (祥伝社文庫)
(2013/12/12)
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