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異物混入も不衛生もガマンしていたあの頃

2015-01-09 Fri 20:00
 私が小学生だった頃の話です。

 当時、商店街で商店を営んでいたわが家では、定休日の夕食に近所の飲食店から店屋物を取る、という習慣がありました。

 その理由は2つありました。休みの日くらい母を家事からも解放させるため。そして同じ商店街で商売する者同士がお互いの売上に貢献するためです。

 母は店の仕事をしながらも毎日3食、家族のために食事を作ってくれました。その食材はもちろん全て商店街で買い揃えたわけですが、これでは永久に蕎麦屋、寿司屋、鰻屋、中華料理屋などのお得意様の売上に貢献出来ません。よって出前を頼むことは必要不可欠だったのです。

 仮に一般的なサラリーマン家庭なら堂々と、食材は大手チェーンのスーパーで、外食はマスコミで美味しいと話題の繁華街のお店で、家電はもちろん安く買える量販店で…という自由な選択が可能でしょう。しかし地域密着型の商人にはまず無理でしたね。外食、食材、衣類、雑貨、電器製品…気に入ったものがなくても基本的に商店街優先です。現在の事情は分かりませんが、当時私が当たり前のこととして見てきたのはそんな光景でした。

 そんなある日、いつものように近所の蕎麦屋から出前を取った両親。私は「たぬき蕎麦」でした。今思い出すと決して美味しい蕎麦ではありませんでしたが(笑)私は子供でしたし、たまの店屋物にテンションが上がり一気食い(笑) そしてまだ熱い、天かすが浮く蕎麦つゆを啜ろうと器を持ち上げた時、私は信じられないものを見てしまいました。


す、素揚げされた蠅が浮いてる~!!


一気に全てが醒めました(笑)

 私はすぐに母に告げ、蕎麦屋に文句を言おうと提案しました。しかし母の反応は意外にも「そういうのはいいの!」という素っ気ないもの。それどころかこの件についてはそれ以上触れようとしません。え?!蠅だよ蠅!どこかでウ○コに集ったかも知れない蠅を自分の息子が食わされそうになったんだよ?!そんな酷い店に文句も言わないの?!私は悔しくて堪りませんでした。

 でも当時の事情を考えたら、母はこうするしかなかったんですよね。正しいのはこちらですが、蕎麦屋に文句を言って謝罪させたところでギクシャクし、お互い商売し難くなるでしょう。最悪の場合、悪い噂が広まって蕎麦屋さんが潰れてしまうかも知れません。いや、中には「蠅くらいでギャーギャー騒ぎやがって!」と、何も悪くないはずの両親が攻撃される可能性も否定できないのですから。つまり、このような場合でも常識や正義、自分が納得・満足することは二の次なのでした。

 そんな母も私同様の悔しい思いは何度も経験したそうです。例えば、すき焼き用の牛肉を買おうと近所の肉屋へ行ったら、運悪く店主が自分の足にできた魚の目を必死に素手で剥いていた。(あっ、しくじった!)と後悔するも、店主はまるで何事もなかったかのように、手も洗わず牛肉を鷲掴みにし、包装紙に包んだのだとか。しかしこんな場合でもひたすら我慢するしかなかったのです。

 最近、マクドナルドをはじめとする飲食店の食事や食品メーカーの商品に異物が混入していた、と騒がれています。私にはその背景に、現代人には昔のわが家のような人付き合いがほとんどなく、その付き合いの中で我慢した(揉まれた)経験ももちろんない、という事情が見え隠れします。もちろん異物混入の善し悪しとは別問題ですけれどね。

 昔の個人商店と違い、マクドナルドのように必要最低限のシステマチックなサービスで大儲けしようとする大企業が、今回のように消費者から情け容赦なく攻撃されるのも、そう考えると極めて自然。ある意味仕方ないのかも知れませんね。


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