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アルカトラズ幻想(ネタバレあり)

2015-01-16 Fri 18:33
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 本格ミステリー作家・島田荘司著「アルカトラズ幻想」(文藝春秋)を読了。久々の“シマソーワールド”を堪能しました。

 シマソーは昔から私が最も好きな作家です。著書もほぼ全て単行本で買い揃えました。しかしここ10年ほどは「写楽」以外どれもイマイチ…というか正直言ってつまらない(笑) よって本書も(安価な)文庫本が出てから読めばいいや、と考えていました。

 しかし最近、状態のよい中古本をブックオフで510円(定価1,900円)で購入出来たんです。これなら文庫の新刊よりも安いし、仮につまらなくても簡単に捨てられます(笑)

 さて、読み終えての率直な感想は…物語として総合的に評価するなら、私的にはやはり「あまり面白くなかった」と思います。ただし、その一方では久々にシマソー節が炸裂した作品でもあり満足しています。

 昔からシマソー作品には、彼が興味を持った社会的テーマ…都市論、サリドマイド、アトピー性皮膚炎、脳医学、セントラルパークの地下に廃棄された地下鉄、切り裂きジャックの正体、数々の冤罪事件、臨界事故…それらを徹底的に調べ上げ、彼なりに固めた見解を事件や人物を通して世間に訴えかける、というタイプのものが多い。まぁ本来それが小説たるものですが、シマソー作品は他の作家の作品に比べどれもかなり専門的で詳しく、かつ読みやすいため、思わず引き込まれてしまいます。読み終えた頃には私も浮世絵(写楽)ファンになっていたり、「三浦サンは犯人じゃない、マスゴミの犠牲者だ!」と訴えていたり、御手洗や石岡が作品中で聴いた曲を集めてCDRに焼いていたりする。そういった読者の引き出しをノックして世界を広げてくれるという点でも、私はシマソー作品が好きです。

 本書も相変わらず“テーマありき”な作品ですが、そのテーマそのものがとても興味深く、かつ奇想天外。「重力」「恐竜」「戦争(原爆投下)」などについてもっと詳しく知りたくなりました。純粋に「面白い」や「感動した」ではありませんが、ここまで引きつけられるのは、やはりシマソーならではでしょう。ストーリーとはあまり上手く融合出来ていませんが(笑)

 物語は…

 第二次世界大戦中のアメリカ・ワシントンで、女性を狙った猟奇殺人事件が連続して発生。警察が捜査した結果、大学院生・バーナードが容疑者として逮捕され、裁判で有罪となりアルカトラズ刑務所に収監される。バーナードは刑務所で知り合った囚人から半ば強制的に脱獄計画に参加させられ、脱獄するが失敗してしまう。命辛々逃走するバーナードは、ある美しい女性に助けられ、アルカトラズの地下にあるという、彼女が住む“パンプキン王国”に連れて行かれるが…。

 第1章で残酷で変態的な猟奇殺人事件が2件発生。最初、警察は犯人の目星が全くつけられません。するとタナボタ的に怪しい男に関する情報が舞い込み、そのまま容疑者逮捕…って、私があまりの下らなさから西村京太郎を読まなくなった「神戸 愛と殺意の街」レベルでトントン拍子に話が進み過ぎ!!
 
 第2章に入ると打って変わって「重力論文」なる難解な文章を数十ページに亘り読まされることになります。最初は面倒臭いのですが、これが実に興味深いテーマでして、思わず誰かに語り聞かせてあげたくなります(笑)

 第3章はアルカトラズ刑務所でのバーナードの生活と脱獄。第4章は謎のパンプキン王国(笑)でのポーラという女性との生活。そしてエピローグで全ての謎が明かされるという。個人的には「ネジ式ザゼツキー」と「ボストン幽霊軍艦事件」を思い出しました。

 でも結局この物語、「連続婦女猟奇殺人事件」と「アルカトラズ刑務所」の件って全く無くてもよかったのでは?(笑) 

 まぁ、興味がある方は読んでみて下さい…。


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