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絶唱(ややネタバレあり)

2015-02-10 Tue 19:38
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 湊かなえ最新作「絶唱」(新潮社)を読了しました。湊かなえの作品はどれも面白くて大好きですが、本作は(多分)初めて泣けました!泣ける作品です(笑)


 Amazonの解説によりますと、内容は…


 悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? “喪失”から、物語は生まれる――。


 著者の直近の2冊「山女日記」「物語のおわり」…結局またあんな感じね…当初はあまり期待しませんでした。悩みを抱えた複数の男女が、登山したり北海道を旅して、お互いかかわり合うことで問題解決のヒントを掴み、スッキリする的な…今度は舞台が南の島ってことで、またあのパターンなんでしょ?そんなふうにしか内容を想像出来ませんでしたから。

 確かに登場する4人の女性は、それぞれ過去の出来事…大なり小なり阪神淡路大震災に関係があるのですが…に囚われ、悩んでいます。そしてある時、思い切って太平洋の真ん中に浮かぶトンガ王国にやって来て、尚美という現地でゲストハウスを経営する日本人女性と出会う。日本とは180°異なる環境で過ごし、尚美とかかわることで彼女たちはそれぞれ、自分の悩みに対する答えらしきものを見つけ出し、精神的に立ち直る…。そういうことでは「山女日記」や「物語のおわり」に似ています。

 ただし本作には以下の2つの特筆すべき点があります。

 まず、本作最大のテーマであろう、阪神淡路大震災で心に傷を負った人々の心の叫び。震災で亡くなった人、被災者となり生活が一転してしまった人たちが悲惨なのは当然ですが、実は運よく生き延びた人の中にも、ずっと癒えることのない心の傷を負った人がたくさんいる。登場人物を通じてそんなことをリアルに訴えかける、重みのある内容でした。

 そして最後の最後まで読んだところで「お~っ!!」と興奮させられ、「う~ん…」と唸らさせられる、湊かなえ節が健在なところ。今回に関してはリアルなのか?それともあくまでもフィクションなのか?思わず気になりましたが、この曖昧さがよいのでしょうね。

 私は「太陽」のクライマックスと、「絶唱」のラスト付近で思わず涙腺が緩みました。もちろん個人差がありますし、「泣ける!」というチンケな宣伝文句は大嫌いなので(笑)そんなふうにお勧めしたくはないのですが、ここ暫くで読んだ著者の作品の中では最もお気に入りの一冊になりました。

 まぁ、どうせ本作もそのうち映像化されると思われますが、色々な意味で結構難しそうです。湊かなえの作品が嫌いじゃなく、活字を追うのが面倒でなければ、ぜひ本で読んで欲しい物語です。


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絶唱絶唱
(2015/01/22)
湊 かなえ

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2016-04-01 Fri 12:50 粋な提案
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