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リバース(ややネタバレあり)

2015-06-19 Fri 19:08
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 湊かなえの最新作「リバース」(講談社)を読了しました。

 最近の彼女の作品は、「山女日記」「物語の終わり」「絶唱」…と、章ごとに独立した短編集のように読ませつつ、最後に一冊通してドーン!と読者を気持ちよくさせる、みたいな構成が続きました。それに比べ本作は、普通にスイスイ読み進められる、RPGに例えるならいわゆる“一本道”的作品。そして読んだ後、無性に本格的に淹れたコーヒーが飲みたくなる(笑)作品でしたね。


 物語は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン・深瀬和久が主人公。これまで取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような人生を送っている。趣味・特技と呼べることも少ないが、コーヒー好きで彼が淹れたコーヒーを飲むと誰もが「美味い」と喜ぶ。

 そんな深瀬は自宅近所にクローバー・コーヒーという、喫茶スペースもあるコーヒー豆専門店を発見し、常連客になる。そして毎日のように通っていたある日、彼は近所のパン屋で働く越智美穂子という女性と出会い、やがて二人は付き合うことに。

 しかし美穂子の職場に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたことで、二人の間に亀裂が入ってしまう。

 深瀬は心に閉じ込めていた大学時代のある出来事を美穂子に話すが、全てを聞いた彼女は深瀬のもとを去ってしまう。そしてその出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも同様の告発文が送りつけられていたことが発覚。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出すが…。



 先が気になってどんどん読み進めてしまう、普通に面白いお話でした。実際に読まないと分かりませんが、深瀬が他のゼミ生たちの言動に内心抱く嫌悪感や、事故死した親友・広沢の地元の友人たちから聞かされる本音などはリアルで生々しく、湊かなえ節(?)が炸裂しています。ちょっと深いな、と考えさせられたりも。

 そしてラストの大どんでん返しは…ちょっとショート・ショートのオチみたいですが(笑)どんより暗い気分にさせられましたね。これもある種の湊かなえ節でしょう。

 ひとつだけ解せなかったのは、ラストの方で事故死した親友・広沢の彼女の正体が、彼女の仕事とともにほぼ明らかになる場面です。私は読みながら(やっぱりそうだったのか!)と思いましたが、なぜか深瀬は全く別の人物を訪ね「あなたでしょう!」とボケてしまう。え?何でそっちなの?だって勤め先違うじゃん!!…って思いますよね、あの場面は。

 久々に暗くどんよりした気持ちにさせられた、湊かなえ色の濃い作品だったと思います。読んでいて明らかにドラマか映画を意識した構成だな、と感じたので、きっと本作も映像化されるのでしょうね。


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