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《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
デザイナーの仕事の質が低下したのはクライアント企業のせい?

2015-08-23 Sun 00:00
 2020年東京五輪の公式エンブレムをデザインした佐野研二郎氏の、過去の仕事におけるパクリ疑惑が連日報じられています。

 佐藤氏自身が一部(スタッフによる?)パクリを認めたサントリーのトートバッグのイラストはともかく、五輪のエンブレムやその他の類似デザインは法的にセーフかな…と思いきや、“ピンタレスト疑惑”が湧いて出て五輪エンブレム的にも佐野氏が一気に不利になりそうなムード。もはやパクリか否かを越えて、佐野氏自身が関わっていること自体が問題、のようなムードです。

 ところでこの問題…というか少なくともサントリーのトートバッグのイラストのパクリ疑惑について、ある一般デザイナーがネットに書き込んだ意見がとても印象的でした。普段われわれが知ることのないデザイン業界の裏側が少しだけ垣間見えて面白かったので、ここにご紹介したいと思います。

 そのデザイナーによると、今回騒動となったサントリーのトートバッグのイラスト(30点)デザインような仕事を企業から依頼された場合、一般的な仕事のやり方としてデザイナー(デザイン会社)はまず、プロカメラマンに資料となる写真の撮影を依頼するのだそうです。例えば「ひと目で夏や夏のレジャーを連想させるような物や風景の素材(写真)を集めて欲しい」のように、絵柄をデザインするうえで必要な“ネタ”のイメージを伝えるわけです。

 すると、仕事で世界中を飛び回るカメラマンなら、デザイナーが具体的に指示しなくても(サンタモニカのビーチ沿いの町にお洒落な看板や標識がたくさんあったな。あれは使えそうだ)とか、(インドネシアに魚の形をした味のある木彫り彫刻を売る土産物屋があったな。日本ではまだオレしか知らないんじゃないか?あれも候補に入れよう)といったネタを瞬時にいくつか思い浮かべることが可能。カメラマンはそういったネタの宝庫でもあるのです。

 デザイナーは必要なことをカメラマンと打ち合わせ、どこでどんな写真を何点撮影するか?納期は?ギャラは?詳細を詰めてゆく。そして後日、撮影してきてもらった写真を参考にデザインを作る。

 ところが昨今の日本の企業といえば、ほぼ例外なく広告・宣伝費を縮小する傾向にあります。当然デザイナーへの発注金額も減るので、これまで通りの方法で仕事を進めることは難しい。そうなるとデザイナーはまずカメラマンを雇えなくなります。代わりに普段の仕事も抱えつつ、自分がカメラ片手に素材(写真)を探しに行くしかありません。

 しかしネタのストックやネタ探しのノウハウに乏しいデザイナーの場合、(海といえばやはり湘南かなぁ~)程度の発想しかないため、使えそうな写真なんてほとんど手に入らない。というか、これはあくまでも良心的で真面目なデザイナーの発想であり、そもそも忙しい彼らの中にはそこまでしない人も多いはず。

 ではどうするのかというと、ネットのフリー素材を頼るわけです。でもフリー素材では数に限りがあるし、それこそ他のデザイナーの成果物と簡単に被ってしまう。そこで苦肉の策として海外のデザイナーの作品集だったり、一般サイトに掲載された企業・団体のロゴを参考にしてしまう…というわけです。

 今回のトートバッグのデザインは完全にパクったと思しきものも多かったので、恐らくは担当したデザイナーのプロ意識が低く、仕事そのものがお粗末だったと言えそうです。でもこういったパクリ仕事が横行する背景には“発注金額を値切るくせに仕事の成果にはハイクオリティを求めるクライアント企業”の存在がある、そう訴えたいようでした。私も業界は異なりますが、過去に似たような状況でクライアントから散々虐められた(笑)経験がありますから、この状況は容易に想像出来ました。

 まぁ、佐野氏が実際にパクったのかどうかは私には分かりませんし、こういった業界の事情やデザイナーの仕事のやり方の善し悪しについて私がどうこう言うつもりもありません。

 でも、こういう事情もあるんだな、と知っていれば、テレビの言い分を一方的に信じて佐野氏(デザイナー)が全面的に悪だ、と発想するには至らないですよね。もうちょっと余裕を持ってこの騒動を見守れそうな気がします。


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