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まとめて(サラッと)読書感想文(20150906)

2015-09-06 Sun 09:02
怪笑小説
「怪笑小説」東野圭吾(集英社・1998/8)

 年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。

 全部面白かったです。ラスト数行で皮肉のこもった見事なオチで落とすブラックユーモアの効いた話だけでなく、純粋にバカバカしく笑える話、普通にイイ話などもありメリハリが効いています。私は中でも「逆転同窓会」が好きですね。ある学校で優秀な生徒が多かった期を担当した教師たちが年に1回同窓会を開催するが、ある時ゲストとして当時の教え子たちを呼ぶ。昔のままのスタンスで楽しめることを期待した元教師であったが、教え子たちは当然昔とは違い、各業界で “今の時代をバリバリ生きる”者ばかり。過去にしがみつき、懐かしんで生きる、学校という世界しか知らない元教師たちはついていけず…。

 巻末にある作者による各お話の解説も面白いです。


毒笑小説
「毒笑小説」東野圭吾(集英社・1999/2)

 塾にお稽古に家庭教師にと、VIPなみに忙しい孫。何とかゆっくり会えないものかという祖父の訴えを聞いて、麻雀仲間の爺さんたちが“妙案”を思いつく…。前代未聞の誘拐事件を扱った「誘拐天国」をはじめ、毒のある可笑しさに満ちた傑作が1ダース!名作『怪笑小説』に引き続いて、ブラックなお笑いを極めた、会心の短篇集。

 どれもアイデアが素晴らしく面白いです。ブラックユーモアの効いたオチもあれば、普通にイイ話もあり、“捨て作ナシ”の一冊。中でも私が特に気に入ったのは「ホームアローンじいさん」ですね。どうしてもAVが見たくて仕方ないのに、家族に対する威厳を失いたくないため、AVが買えないじいさん。ある日息子夫婦と孫が外出中に孫のAVをこっそり鑑賞する計画を立てる。しかし電気製品全般の扱いに疎いじいさんは、ビデオを作動させるつもりが誤ってクーラーを点けたり、電話の子機で110番してしまったりで、なかなかAVが見られない。そんなところに運悪く強盗が侵入して…。

 まず何よりもじいさんがAVを見たがるという設定がバカバカしくも面白い(笑) そして映画「ホームアローン」のカルキン君ばりに強盗を懲らしめて(…というほどではありませんが?)、AVのこともバレずに一件落着…と思いきやラストにとんでもないことが!!(笑) ご興味あればぜひお読み下さい。


黒笑小説
「黒笑小説」東野圭吾(集英社・2008/4)

 作家の寒川は、文学賞の選考結果を編集者と待っていた。「賞をもらうために小説を書いているわけじゃない」と格好をつけながら、内心は賞が欲しくて欲しくてたまらない。一方、編集者は「受賞を信じている」と熱弁しながら、心の中で無理だなとつぶやく。そして遂に電話が鳴って―。文学賞をめぐる人間模様を皮肉たっぷりに描いた「もうひとつの助走」をはじめ、黒い笑いに満ちた傑作が満載の短編集。

 やはりどれも皮肉たっぷりで面白いのですが、これまでの作品と違うのはこのうち何本かが、灸英社(集英社のパロディでしょうね)という出版社の編集者絡みのお話としてシリーズのようになっている点です。どこまでリアルなのか分かりませんが、出版業界の裏側というかタブーな部分に触れられたような気がして楽しいです。特に新人賞を取った熱海という作家のウザさ、勘違いぶりにイライラさせられながらもラストで彼が落とされるのは爽快です。


歪笑小説
「歪笑小説」東野圭吾(集英社・2012/1)

 新人編集者が目の当たりにした、常識破りのあの手この手を連発する伝説の編集者。自作のドラマ化話に舞い上がり、美人担当者に恋心を抱く、全く売れない若手作家。出版社のゴルフコンペに初参加して大物作家に翻弄されるヒット作症候群の新鋭…俳優、読者、書店、家族を巻き込んで作家の身近は事件がいっぱい。ブラックな笑い満載!小説業界の内幕を描く連続ドラマ。とっておきの文庫オリジナル。

 「黒笑小説」に登場した、灸英社の編集者にまつわるお話だけで構成された一冊。相変わらず出版業界の裏側を描いたようなお話ばかりですが、中でも勘違いばかりしている熱海という作家のウザさは引き続き健在!(笑) 相変わらずイラッとさせられまくりです。対照的に、唐傘ザンゲという新人作家の苦悩と成長がオチつきのショートショートという形の中で真面目に描かれているのも面白いです。

 そしてラストは熱海がまさかの…!!(笑)


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