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風の中のマリア(ややネタバレあり)

2015-10-22 Thu 18:35
風の中のマリア


 百田尚樹著「風の中のマリア」(講談社)を読了しました。

 主人公はスズメバチのマリア。そう、これはスズメバチをはじめ昆虫たちを擬人化して描かれた、あるスズメバチの帝国(巣)の繁栄と衰退の物語です。

 主人公のマリアは、ワーカーという役割を担ったメスのスズメバチ。主に他の昆虫、時に同じハチをも狩り、それを巣に持ち帰って幼虫たちに餌として与えるのが彼女の仕事です。“疾走のマリア”と呼ばれ勇敢に敵に立ち向かうマリアは、日々狩りをする中で様々なことを学び、自分がメスなのに子供を産めないことを疑問に感じつつも、常に帝国のために自分に課せられた役割を全うします。

 やがて“偉大なる母”である女王蜂が死に、新たに女王蜂たちが誕生し、その幼虫たちの餌を確保するためにキイロスズメバチとの壮絶な戦争を経験し…徐々に力が衰え、年老いたマリアは新しい女王蜂たちが巣立つのを見届け、命尽きる。こんな壮大なスケールの物語ですが、実はスズメバチの一生なので約1ヶ月間に起きた出来事だったりします。

 本作の魅力は、手に汗握るストーリー展開はもちろん、百田作品らしくスズメバチの生態をとことん取材したうえで書かれていることです。巣の構造、それぞれのハチの役割、どのように一生を過ごすのか…物語を読むだけで頭に入ってくるのでスズメバチに特別関心がなくても理解しやすい。卵は全て女王蜂だけが産むこと、幼虫は肉食だが成虫は幼虫が出す甘い汁や樹液を餌にすること、たくさん栄養を与えられた一般の蜂が育って女王蜂になること、女王蜂だけは寿命が長いこと、初めて知ることばかりでした。

 人間にとってスズメバチは恐ろしい存在です。たまにスズメバチの巣を駆除する人に密着したドキュメンタリー番組が放送されていると、一方的に「やれ~!殺せ~!!」みたいな見方をしてしまいますが、本作を読んだ今ではちょっと可哀想な気がします(苦)

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