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ようこそ、わが家へ(ややネタバレあり)

2015-12-15 Tue 00:00
yokoso


 池井戸潤著「ようこそ、わが家へ」(小学館)を読了しました。


 真面目だけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。
 一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。


 物語の半分は著者得意の“企業の不正を暴く系”でしたが、やはりメインはストーカーと平凡な一家の戦い。読み応えがあり一気に読んでしまいました。フジテレビでドラマ化されたのは知っていましたが、Wikipedia情報では設定や人物など結構違うようなので、初めて触れたのが原作で正解でした。

 結局本作のテーマは「お互いが無関心な病んだ現代社会と、そこに生きる病んだ人々」ですよね。

 ストーカーとは少し違いますが、私も公の場でスマホを操作しながらチンタラ歩く輩や、雨の日に傘を畳まないまま電車に乗ってくる輩、コートがびしょ濡れなのに拭かずに座ってくる輩などに遭遇すると、ついカッとなり妄想の中で連中を懲らしめてしまいます。そして、そんな私もきっと周囲から同じように思われているのでしょう。改めて病んでいますねぇ。

 なぜ私がいちいちイライラするのかというと、少なくともこういった公の場では自分が他人よりもきちんとマナーを身につけており、優れた振る舞いが出来る、と信じているからだと思います。だから自分よりもダメ(と思う)な輩を見ると許せない。

 ではどうすればこれを改善出来るかというと、何でもよいので自分がメンバー中、最も劣るコミュニティーに入って過ごすのです。そうすれば自ずと謙虚になります。そうしないと生きてゆけないのですから(笑)

 具体的には、私の場合は“山”です。私は山を歩くスピードがかなり遅いので、常に他の登山者の存在を意識しながら歩いています。そして前方・後方どちらからでも誰かが近づくのが見えたら、即登山道の端に避け、道を譲る態勢に入るのです。そうしないと足の遅い私は、確実に彼らの迷惑になってしまう。つまり山の中では最も能力的に劣る(であろう)私が、誰よりも謙虚になるしかないわけです。でも、そうすることで感謝されることはあっても、憎まれることはありません。悪いことじゃないです。それにこうしている限り、いつものようにカッとなることは絶対にありません。

 そして、ここで覚えた謙虚な気持ちを持ったまま公の場に戻ると、マナーを知らない輩や身体的弱者の立場も何となく分かるもの…まぁ急いでいたり面白くないことがあったりすると、なかなか上手くはいきませんが(笑)

 そう考えると、作品中でストーカーが警察の取り調べに対し「これまでの人生、挫折したことのない勝ち組だった」というセリフにも頷けます。きっと“挫折知らず=謙虚知らず”なんでしょうね。

 フィクションの世界も実社会も、お山の大将ではダメだということでしょうかね(笑)



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