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まとめて(サラッと)読書感想文(20160212)

2016-02-12 Fri 00:00
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「吉原暗黒譚」(誉田哲也著/文藝春秋・2013/2)

 江戸の吉原で黒い狐面の集団による花魁殺しが頻発。北町奉行所の貧乏同士、今村圭吾は花魁たちを抱える女衒に目をつけ、金で殺しを解決してやるともちかけた。一方、大工の幸助は思いを寄せていた裏長屋の華、おようの異変に気づき過去を調べ始める。

 主人公の刑事が元風俗嬢を相棒に、あるヤクザの商売道具であるホステス連続殺害事件を追う…そんなよくあるお話を、思い切って現代ではなく江戸時代の吉原で起きた事件と設定したことで一風変わった物語に仕上がっています。犯人一味が怪しい黒い狐面で正体を隠しているというのもBABY METALチックでイイですね(笑)

 ただ、誉田哲也ものとしてはかなり下の方でしょうか…。犯人全員の正体は不明のまま終わってしまうし、犯行の動機は二重人格オチだし。同じ時代小説(?)でも当時の様子が手に取るように分かる百田尚樹ものよりも軽い、娯楽小説という感じでした。一箇所だけ誉田哲也らしい猟奇的な描写があり、そこはよかったです。


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「影法師」(百田尚樹著/講談社・2012/6)

 頭脳明晰で剣の達人、将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は竹馬の友、彦四郎の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。

 生まれながらにして上級の役職には絶対につけない、下級武士の出ながら(江戸時代の架空の藩の)筆頭家老に大出世した勘一。彼は部下から、幼い頃からの親友・彦四郎が港町でひっそり死んでいたと報告を受ける。…って、誰だそれは?

 そこから物語は勘一の自叙伝の形で進みます。彼は人生の幾つかの転機で結果を出し、評価され、下級武士ながら異例の成功を果たし、結婚もする。

 その一方で、次男ながら上(中?)級武士の出で勉強も武術も優等生、性格もよく友達も多い親友の彦四郎は対照的にどんどん転落の人生を歩む。しかし実は彦四郎は常に勘一の傍にいて、陰で彼を助けてくれていた、というお話。人は自分の人生や地位を親友のために捧げられるのか?江戸時代のこととはいえちょっと現実離れしているような気がしましたが、それでも感動的でした。

 また、どこまでが事実で、どこからがフィクションなのかよく分かりませんが、江戸時代(貧困期)の風習や人々の暮らしがとても分かりやすく描写されています。実際に一揆が起きた時の様子や、なぜ日本では長男が大事にされるのか?などを知り目から鱗です。


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「虹を操る少年」(東野圭吾著/講談社・1997/7)

 「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんなそのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。

 天才高校生・光瑠は、生まれながらにして人にはない能力を持っている。生物が体から発する光を見て、そこから相手の心を読み取ったり、光を言語として操り発信したりする。彼はこれを“光楽”と名付け、コンサートの形で若者相手に披露。すると誰もが麻薬的にこの光楽を求めるようになる。

 実は人間をはじめとする生物は、古来から誰もが体から光を発し、相手の発する光から様々な情報を読み取っていた。光瑠や彼の支持者たちは光瑠のような能力を持つ若者を増やし、世界を変えようとするも、それを恐れる権力者たちは逆に彼を殺そうとして…最初は全く期待せずに読み始めたのですが、東野圭吾ものとしてはかなり面白い作品でした。



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