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《誹謗・中傷、暴露系ネタ、アラシ厳禁》
まとめてサラッと読書感想文(20160502)

2016-05-02 Mon 00:00
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「株価暴落」(池井戸潤/文芸春秋/2007・3)

 巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の巨額支援要請をめぐって、白水銀行審査部の板東は企画部の二戸と対立する。一方、警視庁の野猿刑事にかかったタレコミ電話で犯人と目された男の父は、一風堂の強引な出店で自殺に追いこまれていた。

 池井戸潤といえば銀行がらみの不祥事もの、悪事を働く行員が最後にギャフン!と叩き潰されるストーリー。そんなアタマで読み始めた本作でしたが、ちょっと毛色が違いました。

 重要顧客だが業績の悪い大手スーパーの店舗で、連続爆破事件が発生。警察の捜査とは別に銀行が独自に犯人の正体を当たる、という前半は企業ものというよりも警察もの。それでいて警察ものとは違い、犯人探しの過程よりも銀行の融資マンの立場からスーパーとの今後の取引についての悩みが描かれているのが新鮮です。

 後半はこの、業績が悪いのにまともに革新しようとしない、古い体質のスーパーに巨額の融資をするかしないか?の駆け引きがメイン。主人公はまともで融資見送りとしたいのですが、社内のお偉いさんの中には、倒産されると何かと周辺に大ダメージが及ぶので融資すべき(実は保身)との声が多く、主人公はジレンマに陥ります。しかしそこは池井戸もの。ラストはスッキリと…という感じでしたね。


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「ルーズヴェルト・ゲーム」(池井戸潤/講談社/2014・3)

 大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが―社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む奇跡の大逆転とは。

 一昨年TBSでドラマが放送されていたので、ご存じの方も多いと思います。本作を読むとドラマとの違いがよくわかりますが、私は珍しくドラマの方がよかったと思いました。

 例えば、笹井専務がイツワ(ミツワ)電器と手を組んだと思わせる演出、彼が株主総会で決して裏切っていないと判明するシーン、TOYOカメラで行われたイメージセンサーのコンペで、青島製作所のイメージセンサー搭載カメラの映像の方が圧倒的に美しいシーン、野球部のメンバー数人がイツワ電器に引き抜かれそうになるが戻ってくるシーン、野球の試合のシーンが多い点など、全部ドラマオリジナル。改めてドラマの面白さを思い出します。


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「ロスジェネの逆襲」(池井戸潤/文芸春秋/2015・9)

 子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転はあるのか?

 前作ラストで左遷された半沢が、子会社の東京セントラル証券で活躍するストーリー。しかも今度の敵は親会社・東京中央銀行。いやぁ、やはり面白いです。あっという間に読み終えてしまいました。

 私はドラマを見ていないこともあり、半沢直樹を理想を追い求めるあまり立場をわきまえない、そのくせ職場が気に食わなくても転職しない、ただのカッコつけた社畜だと思っていました。

 でも本作を読んで大体の半沢像というのが見えてきました。銀行という特殊な環境、特殊な価値観に支配された職場を何とかよくしよう、自分ではなく顧客のために働く職場に変えよう、そのためには自分自身の立場や肩書なんかにこだわらない、そんな信念を貫く熱い男、という感じでしょうか?もちろんフィクションの世界のキャラですが、その姿勢からは学ぶものもありそうです。

 ラストはまた痛快ですねぇ。ドラマで見たい作品でした。


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