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介護殺人 追いつめられた家族の告白

2017-01-27 Fri 00:00
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 昨年から読んでみたいと思っていたノンフィクション「介護殺人 追いつめられた家族の告白」(毎日新聞大阪社会部取材班)を読了しました。

 本書は、2014年に同社が“事件に翻弄される人々”をテーマに「哀愁記」というコラムを連載開始したところ、特に介護の末に愛する家族を殺めてしまった「介護殺人」掲載回に大きな反響があったことから、独立させた企画です。

 本来、超高齢社会を迎えつつある日本人なら、こういった事件とは誰もが身近な問題として真剣に向き合わなければならないはずです。しかし、介護未経験者はつい“対岸の火事”として扱いがち。さらにマスコミの扱いも概ね小さいという現実も、改めて記事や書籍を通じて広く訴えるに至ったきっかけのひとつだそうです。

 タイトルの「介護殺人」からは、凄惨な殺人事件の数々をおどろおどろしく紹介する内容を想像しがちですが、中身はちょっと違います。実際の加害者である「家族」を探し出して取材し、事件に至るまでを本人に告白させています。そこには真面目に生き、人生を犠牲にしてまで全力で介護した結果、精神・肉体・経済あらゆる面で追い詰められ、愛する者を手にかけてしまった経緯や後悔の念が切々と描かれており、実にリアルで胸が締め付けられる思いです。つまり、単に読者を怖がらせたり、好奇心を満たしたりすることが目的の娯楽コンテンツでは決してないということ。介護未経験者には介護の現実を知ってもらい、介護経験者には同志の苦労・苦悩を通して仲間意識を感じさせ、少しでも楽な気持ちになってもらう。そして両者に向けて介護が必要になった時のための情報・ノウハウ・アドバイスも少し紹介。私はとても存在意義のある書籍だと思いました。今後介護人口はさらに増します。本書が少しでも介護への関心を高めるのに役立つといいですね。

 我が家でも父を中心に長年認知症の母を介護をしていますが、各章に書かれたどの事例を読んでも他人事とは思えませんでした。さすがに当事者に取材して書かれただけありリアルです。皮肉混じりでこれは“あるある本”か?とすら感じました。共感したり、注意しなきゃ、と反省することばかり。

 逆に改めて気づかされたことも少なくありません。例えば家族を手にかけてしまうケースでは、介護者が不眠から鬱になっているケースが多いということ。実際データにより証明されているそうです。私の母の場合、痰の吸引や床ずれ予防のために深夜何度も起きるといった必要は幸いありませんが、夜尿防止のため深夜に一度、母を起こしてトイレに連れていくといったことをしています。これも何も知らずに行うのと、寝不足に注意しなきゃと意識して行うのでは大違いです。

 でも私の本音は、やはり本書を最も読んで欲しいのは介護未経験者、特に相手の気持ちを想像せずに上から目線でアドバイスをしたがる人たちですかねぇ。介護は理屈や正論、綺麗事で上手く乗り越えられるものではありません。介護のリアルを少しでも知って欲しいものです。

 先日、テレビ番組でタレントのつちやかおりが実母を介護施設に入れようとしたら、介護未経験の友人から「よく自分の親を捨てるようなこと出来るわね」と言われ、ショックで鬱になったと告白していました。国や行政の支援ももちろん大事ですが、それと同じくらい、誰もが介護事情に理解を示し、明日は我が身と思って介護の現実を知って欲しいものです。

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