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12年前に聴いたR25秘話

2017-03-04 Sat 00:00
 2004年創刊、発行部数最大60万部を誇ったフリーペーパー「R25」が、4月28日をもって休刊(廃刊?)になるそうです。もともと“紙媒体版YAHOO!”を目指して立ち上げられたという「R25」ですが、通信機器やSNSの発達に伴う情報収集・共有方法の変化、紙媒体離れ…原因は色々あるのでしょうね。

 ここ数年はすっかりご無沙汰でしたが、以前は私も「R25」を毎週楽しみに購読していました。12年前には藤井編集長(当時)の講演を聴講したこともあったので、なくなってしまうのは本当に残念です。

 その講演会は、今思い出しても感心してしまうほど、たくさんの興味深い話に聴き入ってしまいました。確か「『R25』立ち上げの経緯とヒットの秘密」のようなテーマでしたが、「R25」がものすごく緻密なマーケティングのもとに作られた雑誌であり、さすがリクルート、と驚いたものです。

 例えばターゲット層の性質分析。タイトルの通り「R25」の読者ターゲットはいわゆるM1層(25~34歳の男性)です。当時のM1層とはどんな“生き物”なのか?事前に多くの若者にインタビューを繰り返すうちに、彼らが「自分が無知であることを恥ずかしがる。そのくせバレるのを恐れ知ったかぶりしたり、見栄を張ったりする」性質を持っていることが判明したそうです。具体的にはインタビュー中、彼らの多くが「日経新聞を購読している」「忙しくてテレビはほとんど見ないが、『ワールドビジネスサテライト』だけは毎週見る」と答える。ところが内容について突っ込むとどうも怪しい。追求すると「ごめんなさい、本当は見ていません」とか、「一応読んでるんですけど難しくて内容はよく分からないんです」と白状するケースが多かったそうです。

 その結果を反映したのが、誌面前半に掲載された政治・経済・社会などに関するミニ記事。その道の専門家が一方的に解説するのではなく、読者同様無知な記者が疑問に感じたことを、専門家を訪ねて教えを乞うスタイルで書かれています。読者目線で読者と一緒に調べるイメージですね。

 表紙のデザインが決まった経緯も面白い。最初、デザイン候補の中には少(青)年漫画雑誌のように、旬な女性タレント(例:上戸彩)を使ったものもあったそうです。しかしアンケートの結果なぜかコレが人気がない。理由は、電車内で読んだ時に周囲の人から「あいつ、上戸彩が好きだからってこんな雑誌読んでいやがるぜ!!」と思われそうで恥ずかしいから。その結果、文字とシンプルなイラストで構成されたデザインに決定。今考えるとそんなこと気にしてんじゃねぇよ!!って感じですが(笑)当時はまだAKB以前の時代。世代問わずアイドルや若い女性タレントを楽しむ文化が今ほど確立されていなかったのかも。ということは、創刊当時とその後では、同じ「R25」でもターゲット層の性質が違い、内容もかなり変化していたかもしれませんね。

 そんな「R25」、創刊当初は「こんな面白い雑誌が毎週タダで手に入ったら本(雑誌)が売れなくなる!!」と出版社が抵抗したそうです。しかし蓋を開けるとお薦め書籍のページで紹介された本を買いに書店に来る読者が多く、「ずっと売れなかった本なのに重版が決まりました」といった出版社からのお礼が編集部に殺到したそうです。新刊だけでなく古くてもよい本を紹介するというコンセプトがよかったわけですが、フリーペーパーと書店で売られる本・雑誌がシナジーをもたらすことが判明したわけです。

 しかしそれほどの人気を博した「R25」も、フリーペーパーとしては失敗だったといいます。なぜなら、これはあくまでも広告媒体。掲載広告の商品に興味を持ち、実際に購入する可能性のある25~34歳の男性が手に取らなければ全く意味がありません。

 ところが内容が老若男女ともに通じる面白さだったため、ターゲット層以外の学生、お年寄り、OL.主婦、あらゆる層が手にとってしまった。その結果、最大60万部も発行したのに、その大半は購入を期待できない人々に渡ってしまったんですね。

 とまぁ、何気なく読んでいる雑誌も、こうして話を聞くと改めて作るのって難しいし、読者から見えない部分に色々な工夫がなされているんだな、と思いましたね。

 「R25」が発行不可能になったということは、それまで入っていた広告が集まらなくなった、収入源が断たれた可能性が高いわけですが、不況不況と言われながらもこれまでは入っていた広告が遂にストップしてしまったのだとしたら、今後紙メディアはより生き残りが厳しくなりそうですね。

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