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昔はよかった幻想

2017-04-10 Mon 00:00
 「日本のドラマ史に残る最高傑作だよ!」と子供の頃好きだったドラマを人に教えたり、「あのインスタントラーメンはメチャクチャ美味かったよ。また発売したらまとめ買いするのに」と昔ハマった食べものに思いを馳せたりすることがあります。プロレスファンの私は「あの昭和ウン年の蔵前決戦はプロレス史に残るベストバウトだよ!」とたまに言いますね。

 ところが実際にDVDボックスが発売され、改めてそれらのドラマや試合を見ても、(あれ?この程度だっけ?もっと感動したはずなんだけどなぁ…)とガッカリしたり、わざわざネットオークションで手に入れて食べてみたら(あれ?どこにでもある普通のインスタントラーメンじゃん。おかしいなぁ…)と納得できなかったり。珍しいことではありません。

 なぜそうなるのか?恐らく年月の経過とともに我われの価値観も変化、または多様化し、それに合わせて改良されたドラマや商品に慣れてしまうからでしょうね。中には長年変化せずとも愛され続ける商品もあるし、変化したものの原点回帰したことで支持されるコンテンツもあります。でも大半は後で振り返ると、どうしても違和感を覚えてしまいがち。幼い頃に感じた印象とは違う印象を抱くのだと思います。もちろん我われが年齢を重ね嗜好が変化した結果でもありますが、いずれにしても過去の体験はあくまでも大切な思い出として自分の記憶に留めておくのがよさそうです。

 ところがテレビ業界、特にお台場方面のテレビ局関係者の中には、こういったことを理解していない人が多いように感じます。テレビ番組のあり方を討論する番組(企画)を見ると顕著ですが、必ずこんな意見を言う人がいるのです。

「昔のテレビ(番組)は今よりも面白かった。批判を恐れることなく思い切った番組が作れたからだ。それに比べて最近は批判を恐れ慎重になりすぎた結果、つまらないものしか生まれない。もう一度あの頃のような番組が見たい」

それで本当に視聴者が帰ってくるのでしょうか?私はこれも“昔はよかった幻想”のひとつだと思うんですよね。

 バブル崩壊やリーマンショックを経験した今、例えば莫大な製作費をかけて作った派手で豪華な番組を有り難がる人がどれだけいるでしょう?食べものを粗末に扱ったコントやゲームを見て喜べるでしょうか?女性の裸が出てくる番組は…見たくないといえば嘘になりますが(笑)それ以上に刺激的なコンテンツが溢れる今、中途半端でしかないのでは?芸人が裸になることも否定はしませんが、彼らがあれで年収数千万だ億だ稼いでいると知った今、昔のようには笑えません。かつては間違いなく面白かった、たけしのギャグも痛々しいし、テリー伊藤の企画・演出も古臭い。「お笑いウルトラクイズ」も「スーパージョッキー」も「元気が出るテレビ」も大好きだったし、よい思い出ですが、多分今見たらガッカリする可能性が高いでしょう。つまり、かつてのような滅茶苦茶な番組がなくなったのは、コンプライアンスや批判云々以前に、今の時代にさほど求められていないからなんですよ、きっと。

 かつて日本経済が元気で、誰もがバカや無駄を楽しむ余裕があった時代がありました。ネットも存在しなかったから、テレビで満足せざるをえなかった時代でもありました。そして今、視聴者が成熟し賢くなり、テレビに望むもの、求めることが変化しました。各テレビ局はそれを理解し、現代のニーズに合った面白い番組を作り、視聴率を競い合っているものと思っていましたが、どうもお台場方面のテレビ局だけは、本気で昔のままの番組を復活させれば数字が取れると信じているように感じますね。

 “イッキ飲み”に例えると分かりやすいでしょうか。バブル時代、飲み会でイッキ飲みというアフォな習慣がありました。周囲に乗せられて、もしくは罰ゲームのひとつとしてお酒をコップ(ジョッキ)一杯分一気に飲み干す、というアレです。確かに当時あの輪の中にいることが楽しかったし、アレをやってオレは青春を横臥しているんだぜ、と勘違いした人は多かったでしょう。しかし今ではイッキ飲みは危険だし、ダサいし、アフォらしいと考え、しない人がほとんどです。

 だから「あの頃は(あれはあれで)楽しかったよね」と懐かしむことはあっても、「もう一度あの時代のように飲み会でイッキ飲みしよう、イッキ飲み文化を取り戻そう!」なんて言う人は社会の輪から弾かれがちです。それと同様、お台場方面のテレビ局関係者で“昔はよかった幻想”に囚われる人たちは、テレビ業界及び視聴者の輪から弾かれているようにしか見えませんね。



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