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ANAのVIP担当者に代々伝わる 言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方

2017-04-20 Thu 00:00
ANA

 “伝説の元ANA CAマネージャー”加藤アカネ著「ANAのVIP担当者に代々伝わる 言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方」(サンマーク出版)を読了しました。接客とは何か?コミュニケーションとは何か?改めて学べ、とても参考になる本でした。

 ANAにはVIP担当者だけに代々伝わる、言いにくいことを言わずに相手に気持ちよく動いてもらう「秘伝(魔法)の伝え方」があるそうです。そんな特別なノウハウを惜し気もなく大公開!!というのが本書の主旨。

 お恥ずかしながら過去の私には、とにかく正論が大好きだった時期がありました。正論が最強、正論が全て、正論を振り翳して相手をひれ伏させる。そのために相手の気持ちがどうなろうが知ったこっちゃない、みたいな考え方に囚われていたのです。今思えばそれは必ずしも正しいとは限らないし、それで失ったものも少なくありませんでした。その後、人生経験を積む中で気づき、改めるよう努めたわけですが、本書の序章に書かれた

普通の人は、正論を言って、相手を動かす
うまい人は、それとなく伝え、動かす
超一流は、伝えずに動かし、しかもこちらを好きになってもらう


という文章を読んだ時は、正直とてもショックでしたね。かつてのオレ、やはりただの普通の人だったのか…と(苦笑) 本書を読むに至った直接のきっかけはある人の推薦ですが、(BOOK・OFFに出回るのを待たずに)すぐに買って読もうという気にさせられたのは、間違いなくこのフレーズです。

 さて、その「秘伝の伝え方」とは具体的にどのようなものか?例えば飛行機の中に、泣いている赤ちゃんを連れたお母さんと、それを「うるさい」と怒っているビジネスマンがいるとします。もし自分がCAだとして、お母さんに対して「赤ちゃんを泣き止ませてください」とは言えませんし、ビジネスマンに「赤ちゃんは泣くものです」とも言えません。どちらも大切なVIPのお客様だからです。当然“飛行機の中では○○デシベルまでの騒音なら出して可”なんてルールもありませんから、ルールを盾に交渉することも出来ません。かといって何とかその場を収めても、どちらか(もしくは両者)に不満を抱かせてしまえば、今後ANAを利用してくれる機会はなくなります。いやぁ、大変です。

 こんな時、どう言えば誰もイヤな気持ちにさせずに、自分の希望通りに相手を動かすことが出来るのでしょう?著者は自身の経験からどんな「魔法の伝え方」を編み出したのでしょうか?そんな秘密が事例ごとにたくさん紹介されています。目次から主なものを抜粋すると…

第1章は「気まずいお願い」をする時の魔法。 
●反対意見の人に、ひと言も言わずに主張を通す
●会議中、自分の意見を言わずに思い通りの結論に導く
●長い話を不快にさせず終わらせる 
●騒ぐ人を、注意しないで静かにさせる 

第2章は「双方」を丸く収める時の魔法 
●意見の違う部下Aと部下B、やる気を削がず仕事をさせる
●上司Aと上司B、どちらも立てて思い通りに動かす 
●多数派と少数派、どちらにもファンになってもらう 

第3章は「優劣」をつけなくてはいけない時の魔法 
●お客様Aとお客様B、どちらも立てて丸く収める 
●先約をしている人に「別の約束が入ってしまった」と角を立てずに断る 
●部下Aと部下B、昇進しなかった方を落ち込ませずにやる気にさせる 

…どれも思わず、えっ?そんな上手い言い方なんてあるの?!と疑ってしまうようなテーマばかり。著者が中間管理職時代に編み出した“魔法の伝え方”が比較的多いので、CAに限らず一般企業で中間管理職を目指す人にも参考になりそうです。

 私が感じた限りですが、どれにでも共通するのは、相手の気持ちにフォーカスして、相手の気持ちに寄り添う。誰かのせいにするような言い方はしない、ということでしょうか?正直、大企業で営業経験のある私でも、どれも何となく経験を通してある程度は理解していたことばかり、というか必ずしもVIP担当のCAでなくとも気づくチャンスに出会えることばかりでした。しかしそれらを完全に自分のものとし、武器にして闘えたか?部下や後輩に伝授できたか?と言われるとどちらもダメでした。これが一般読者(私)と著者との差なのでしょうね。改めて本書から学んだことを自分の血や肉とし、もっと魅力的になれるよう自分を磨きます。

 最後に、本書とは無関係ですが、飛行機(CA)繋がりで私が大好きな、相手を動かす魔法の言葉をご紹介します。綾瀬はるか主演「ハッピーフライト」という映画のワンシーンのセリフです。CAが「フィッシュ?orビーフ?(魚料理?それとも牛肉料理?)」と訊ねながら機内食を配り始めると、なぜか乗客が牛肉料理ばかり選んでしまう。このままでは早々に牛肉料理がなくなり、後の方に配られるお客さんに選択の余地が与えられない、まずい!!…という時にCAが使ったテクニックです。

「ローズマリー、タイム、オレガノなどのハーブをまぶし、ミネラル豊富な天然の岩塩と粗びき黒胡椒で美味しくソテーした白身魚か?ただのビーフか?どちらにいたしますか?」

「伝え方が9割」という本でも取り上げられた名セリフ(?)ですが、これもある意味“魔法の伝え方”でしょうかね?(笑) サービス業従事者の工夫には頭が下がります。


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